ハードフォークのロードマップに定められたアップデート
仮想通貨市場で時価総額第2位を誇るイーサリアムは、実のところまだ完成していない開発の途上にあるプロジェクトです。その完成に向けて、イーサリアムはその誕生の初期よりハードフォークのロードマップを公開しています。完成までに行う大きなアップデートは以下の4つ。
■フロンティア※2015年7月実施
■ホームステッド※2016年3月実施
■メトロポリス※前半「ビザンチウム」2017年9月実施/後半「コンスタンティノープル」2019年1月実施予定
■セレニティ※未定
上述した通り、実際にフロンティアとホームステッド及びメトロポリスの前半のアップデートまでが終了しており、2019年1月に予定されていたのがメトロポリス後半の「コンスタンティノープル」と呼ばれるアップデートでした。5つの新機能の実装が予定され、仮想通貨市場の活性化の一助になるとの期待がありイーサリアムの価格の上昇も見られたのですが、その中のひとつに脆弱性が見つかりました。
リエントリー攻撃の危険性
この脆弱性は、スマートコントラクト監査団体の「ChainSecurity」により指摘されたもので、通常は1度しか行われないイーサリアムのスマートコントラクト(プログラムされた契約)が複数回行われる「リエントリー攻撃」にさらされる危険があるというものでした。この攻撃のターゲットにされた被害者は、自分のアカウントから攻撃者宛に残高を超えた度重なる送金を行ってしまいます。
幸いなことに、この危険なバグは、アップデートの実施前に見つかったことから実際の被害が出ることはなく、イーサリアムコミュニティは2月27日頃にコンスタンティノープルの実施を予定しています。
仮想通貨市場の連鎖的下落
しかし、この事態に仮想通貨市場の反応は敏感でした。延期の発表が行われた直後にイーサリアムの価格は急落、それにつられるようにビットコイン価格も下落する事態となりました。2月のアップデートの如何によっては更なる下落も考えられることから、今後発表される情報への注視が必要ですが、技術革新そのものは仮想通貨市場にとっては朗報であり、その実装は期待を持って待たれています。【関連記事】
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