貯蓄

【マーケター泣かせ】無駄遣いを防ぐ4つの予防策

「貯金が大事!」「無駄遣いはいけないこと!」というのは、誰でも分かります。それでも浪費するのは、営業マンやマーケターが、あの手この手でお金を使うよう仕向けてくるからです。今回は、無駄遣いを防ぐために知るべき4つの予防策をご紹介しましょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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ここさいきん、「買い物の後悔を防ぐ3つの質問」「衝動買いの誘惑からお金を護る4つのルール」など、貯金に使えそうなテクニックを数回に分けてご紹介してきました。
 
「将来、豊かな暮らしをしたい!」と考えている方は、正しい貯金の仕方を知り、無駄遣いを減らし、そのうえで、上手に資産を運用する必要があります。
 
しかし、「貯金が大事!」「無駄遣いはいけないこと!」というのは、誰でも分かっていることです。それでもつい浪費してしまうのは、営業マンやマーケターが、あの手この手でお金を使うように誘ってくるからです。
 
そこで、今回は、営業マンやマーケターの言いなりにならないように、無駄遣いを防ぐために覚えておくべき4つの予防策をご紹介しましょう。
 
 

事前知識:AIDA(アイーダ)モデル 

本題へ移る前に、事前知識として、「AIDA(アイーダ)モデル」という、マーケティングの方法論を覚えておきましょう。
 
AIDA(アイーダ)モデルは、「消費者行動モデル」の1つです。AIDAモデルは、アメリカの広告販売のパイオニアである、セント・エルモ・ルイスが発案したとされています(1)。
 
1900年初め頃から100年間。ぼくら消費者は、このAIDAモデルに則って、買い物をしていると考えられています。AIDAは、4つの英単語の頭文字からなる略語です。それぞれの英単語は、下記のとおりです。
 
  • Attention(注意)
  • Interest(興味)
  • Desire(欲求)
  • Action(行動)
 
マーケティングの専門誌であるJournal of Marketingに掲載された記事(2)でも、「優れたコピー(広告)は注意を惹き、興味を沸き起こし、確信を創り出すものだ」と表現しています。
 
営業マンやマーケターたちは、ぼくら消費者に「いかにして注意を惹くか?」「どうやって興味を持たせるか?」「商品の良さを確信してもらい、どうやって欲しいと思ってもらうか?」「確実に行動を起こさせるために何をすべきか?」といったことを、常日頃から考えています。
 
よって、衝動買いを防ぐためには、営業マンやマーケターの作戦について理解を深めた上で、言いなりにならないように、予防策を張り巡らせるのがよいでしょう。
 
 

無駄遣いを防ぐ4つの予防策 

AIDAモデルの事前学習が終わったところで、無駄遣いを防ぐ4つの予防策をご紹介しましょう。大事なのは、営業マンやマーケターに「AIDAモデルを使わせない」ことです。ですから、徹底的にAIDAモデルを邪魔して、衝動買いの欲求が沸き起こらないように予防していきましょう。
 
1つ目の予防策は、「注意を惹かせない」ことです。営業マンやマーケターは、あの手この手を使って、あなたの注意を惹こうとします。衝動買いをしないためにも、彼らの手段を断ってしまいましょう。
 
手堅い方法としては、「住所を教えない」「電話番号を教えない」「Eメールアドレスを教えない」といった、連絡手段を教えない方法が有効だと思います。連絡できなければ、彼らもアプローチしてくることはありません。ぼくらの完全勝利です。
 
仮に、ポストに広告チラシなどが入っている場合も、「チラシを断る」「チラシを開かない」「チラシを読まない」の三拍子を徹底していれば、彼らの土俵に上がる心配はありません。個人的な肌感としても、最も衝動買いを抑える効果が高いのは「注意を惹かせない」ことです。進んで実践するとよいでしょう。
 
2つ目の予防策は、「興味を持たない」ことです。営業マンやマーケターは、あなたの興味を惹こうと必死です。それこそ、営業マンやマーケターに、「この商品、私に必要ですか?」などと聞くのは、相手にとって思う壺です。
 
話を聞く姿勢を見せた瞬間から、百戦錬磨の営業トークに説き伏せられ、必要のないものを買うハメになるでしょう。万が一、彼らの言うことに耳を傾けてしまった場合は、「営業マンやマーケターの言うことは一切信用しない」のが無難だと覚えておきましょう。
 
3つ目の予防策は、「欲求の元を断つ」ことです。営業マンやマーケターは、あなたに商品を買ってもらうために、通販カタログを送りつけてきたり、メルマガの購読を進めてきたりします。
 
しかし、こういったサービスは、全て、「相手の利益になるから」提供されているものです。衝動買いを誘発する可能性が高いです。よって、「通販カタログを解約する」「メルマガを解約する」「通販アプリをスマートフォンから削除する」「通販サイトのブックマークを削除しておく」といった予防策を取っておいた方が安全でしょう。
 
4つ目の予防策は、「行動を起こしにくくしておく」ことです。「モノを買いたい!」「モノが欲しい!」という衝動的な欲求は、さほど長続きしません。ですから、衝動買いを防ぐ最終手段として、「買い物しにくい環境を作っておく」ことが大切です。
 
具体的な方法としては、「通販サイトでは会員登録しない」「仮に会員登録してしまった場合は、買い物しにくくなるように、買い物が終わった後には、必ずログアウトしておく」といった対策をしておくのがオススメです。
 
インターネットで買い物をするときは、さいきんはブラウザがパスワードを記憶するようになり、1クリックで買い物できるようになるなど、昔よりもはるかに衝動買いをしやすい環境になりました。
 
衝動買いに問題を感じている方は、「パスワードを登録しない」などの対応をして、ときには「便利さを捨てる」ことも必要です。
 
 

まとめ 

テクノロジーの進歩によって、ぼくらの暮らしは、より便利に、より快適になりました。しかし、便利なテクノロジーの裏には、えてして営業マンやマーケターの意図が隠れているものです。
 
あなたの大事なお金。衝動的な欲求に駆られて、無駄遣いしては勿体ありません。大切なお金を守るためにも、本記事の内容が役立つことを願っています。
 
とはいえ、「必要なお金を削ってはいけない!」こともまた事実です。「削るべき支出は何か?」「削ってはいけない支出は何か?」の見極めるコツについても、知っておくとよいでしょう。参考までに、過去にまとめた記事のリンクを貼っておきます。本記事と併せて、ご利用ください。

科学が解明した「節約で削ってはいけない」3つの出費
 
 
●参考文献
  1. 記事:Thomas E. Barry, 1987, "The development of the hierachy of effects: an historical perspective", USA, 1987
  2. 記事:Frank G. Coolsen, 1947, "Pioneers in the Development of Advertising", Journal of Marketing, 12(1), pp. 80-86
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