大学生に貯金は必要?
今、大学生の間では、貯金に対する意識が高まっているようです。しかしそもそも大学生に貯金は必要なのでしょうか。「大学生の間だけは、自分の好きなことに好きなだけお金を使いたい」という考えも一理あるかもしれません。しかも一人暮らしの学生であれば、貯金する余裕すらないかもしれません。
けれども筆者は、大学生のうちから貯金の習慣をつけることは必要だと思います。なぜなら、貯金を増やすためには、当然お金を管理する(やりくりする)必要性が生じ、そのような習慣は必ず一生役に立つからです。
月にいくら貯めたらいい?
大学生は、毎月いくらを目安に貯めたらいいのでしょうか? 大学生の場合、毎月安定した収入があるわけではなく、さらに自宅か下宿かによっても生活費の状況が異なってくるため、毎月決まった金額を貯金に回すことは難しいかもしれません。とはいえ、毎月余ったお金を貯金に回すようなルールにしていても、結局使ってしまって貯められないという事態にもなり兼ねません。やはり「毎月○○円貯める!」というような、自分なりのルールは作っておくべきです。
目的があるのなら、例えば、「旅行のために30万円貯める」というように、目標額を決めて貯めていくとよいでしょう。目標額さえ決まれば、月々いくら貯めていけばいいか、計算できるはずです。
また一人暮らしの下宿生であれば、社会人になると同時に引っ越しする可能性もあるのではないでしょうか。少しでも親の負担を減らすために、その際の引っ越し代や新しい家の入居費用(敷金や礼金など)を想定し、40万円前後を目安に貯めておければ理想的です。
小遣い帳や家計簿をつけてみよう
まずは現状の収支を確認するために、お小遣い帳や家計簿をつけることからはじめてみてください。小遣い帳や家計簿には、親に負担してもらっている学費などを除いた、自分(学生本人)が負担している金額をベースに記入していきます。最初は収入から支出を差し引いた金額を目安に貯めていくとよいでしょう。【収入(アルバイト代、親からのお小遣いなど)】-【支出(食費、交際費、娯楽、スマホ代、など)】=貯金額
例えば毎月のアルバイト代が5万円あり、小遣い帳をつけた結果の支出が4万4000円あるとしたら、残りの6000円は貯金額と決めてしまいます。そしてその6000円が毎月貯金できるように、収入や支出を自分でコントロールしていくという流れです。
収入から支出を引いてみた残りの金額がプラスであることが理想ですが、もしマイナスならば、収入を増やすことや、支出を見直す必要があります。
大学生の収入を増やす主な手段は、アルバイトをすることでしょう。売り手市場の今であれば、アルバイトの時間を増やしたり、時給のよいアルバイトを選んだりすることができます。
日本学生支援機構の平成28年度学生生活調査によると、アルバイトをしている学生の割合は、83.6%にものぼっています。また、アルバイトの平均額は、自宅生の平均額は月に約3万2700円、下宿生の場合は月額約2万2800円となっています。ただし、アルバイトに精を出し過ぎるがあまりに、勉強がおろそかになってしまっては本末転倒です。そこは必ず注意してください。その前に、支出を減らすことにも目を向けるのも大切です。
支出の見直し方
支出を減らすための最も有効な方法は、節約することです。以下に大学生の皆さんが節約できそうな項目と、その対策をまとめてみました。●交際費の節約は?
・お金のかからない公共施設を利用する。
・人と会う回数をコントロールする。
●食費の節約は?
・外食やコンビニに行く回数を減らす。
・自炊して作り置きをする。
・下宿生は、実家から食材やお総菜を送ってもらう。
・自宅で食事会、飲み会をする。(買い過ぎを防止するために、一人当たりの予算を決めるとよい)
●被服費の節約は?
・洋服は必ずセールで買う。
・プチプラの洋服や化粧品を買う。
・メルカリやラクマなどのフリマアプリを利用する。
●その他
・通信費を抑えるために格安スマホを利用する。
・たばこをやめる。
どのような方法で貯めていく?
具体的な貯金のやり方には、どのような方法があるのでしょうか。筆者が現役の大学生に聞いたところ、「銀行(含むゆうちょ銀行)などの定期預金を利用している」という学生が大半でした。おそらく、親御さんがすすめる方法で預金しているケースが多いからだと推察します。もし、銀行預金を使ってさらに効率的に貯金するのであれば、「自動積立定期預金」を使うとよいでしょう。自動積立定期預金を利用すれば、手間ひまかけずに自動的にお金を貯めることができるからです。
そのほかに、最近は貯金アプリを使って貯金する人も増えているようです。
例えば「finbee(フィンビー)」は、「旅行貯金」「趣味貯金」「学び貯金」など、目的に合わせて楽しく貯金できるアプリです。貯金のルールも「つみたて貯金」「おつり貯金」「歩数貯金」など、日常生活の中から無理なく気軽に貯金ができるように設計されています。連携できる金融機関は、みずほ銀行や住信SBIネット銀行など7行(2018年9月30日現在)あり、今後はさらに増えていくようです。
そのほかにも、マネーフォワードが提供する「しらたま」という貯金アプリもあります。「しらずにたまる」から名付けられたという「しらたま」には、「つみたて貯金」と「おつり貯金」の2種類が用意されており、家計簿アプリ「マネーフォワード」と連携ができる点もメリットです。
スマホ世代の大学生の場合は、このような貯金アプリを使って、楽しみながら気軽に貯金をはじめてみるのもよいのではないでしょうか。