「くろ谷さん」の愛称で親しまれる京都・金戒光明寺の立地と歴史
比叡山での修行を終えた法然上人が43歳の承安5年(1175)、この地で念仏をされた際、紫雲が全山にたなびき、光明が差したことから、浄土宗最初の寺院に。浄土七大本山のひとつに数えられます。左京区の黒谷にあることから「くろ谷さん」の愛称で親しまれ、広大な敷地内には18の塔頭寺院を有しています。また会津藩主・松平容保が本陣を構えた場所で、新選組発祥の地としても知られています。
見どころ1.摩訶不思議な虎の襖絵
大方丈の「虎の間」では、久保田金僊筆「虎の襖絵」を鑑賞することができます。二面に虎の絵が描かれているのですが、正面の襖絵にはある仕掛けが施されていて、その場で明かされると誰もが驚いた表情に! その仕掛けは現地でのお楽しみに。
見どころ2.秋の特別拝観では数多くの文化財を鑑賞
毎年秋の特別公開(2018年は11月9日~12月2日)では、通常非公開の文化財が数多く公開され、大変見ごたえがあります。
御影堂では重要文化財の「吉備観音像」、運慶作と伝わる「文殊菩薩像」、伊藤若冲「群鶏図押絵貼屏風」などが公開されます。
大方丈では、法然上人の生涯を表したという白砂と杉苔で構成された「紫雲の庭」、池泉回遊式庭園などが一挙に公開される、またとない機会です。真っ赤に色づくモミジもあるので、秋は艶やかな雰囲気に変わります。
見どころ3.まるでアフロヘアのような阿弥陀仏に癒される
そして最近、注目度上昇中の仏様といえば、アフロヘアに見えると評判の「五劫思惟阿弥陀仏」。かわいい看板に導かれていくと……。
いよいよご対面。とても大きな螺髪(らほつ)に驚かされます。実はこれは、多くの衆生を救おうとひたすら気の遠くなるような長い時間、修行を続けた結果、髪の毛が伸びてしまい、このようなお姿になったのだそう。こうした螺髪の仏像は、全国でも16体ほどしか見られないとか!? とても貴重な仏様なのです。思慮深いお顔立ちが印象的でした。
一昨年より停止されていた夜間拝観が待望の復活! 秋の特別拝観期間の18:00~21:00(最終入場20:30)に開催(大人800円)。「紫雲の庭」や水面に映る紅葉が美しい回遊式庭園、ライトアップされる山門や境内が楽しみです。大方丈ではお琴の生演奏も披露されます。期間中の11月24日を除く金土日には、プレミアム拝観プランと称して、30分早く入場して御用庭師または庭園コンシェルジュによるガイドを受けられます(大人1200円)。
紅葉の見頃は例年11月中旬~下旬。昨年は11月14日が五分、17日~28日が見頃で10月1日にはもう見頃は過ぎたかな……という印象でした。
紅葉の見頃は例年11月中旬~下旬。昨年は11月14日が五分、17日~28日が見頃で10月1日にはもう見頃は過ぎたかな……という印象でした。
御朱印の種類やお土産におすすめの「アフロ金平糖」
通常の御朱印(5種類・各300円)に加えて、秋の特別公開期間には限定の御朱印(300円)が御影堂で授与されます。またお土産には、アフロ金平糖という「五劫思惟阿弥陀仏」をモチーフとしたオリジナル金平糖を。螺髪の部分にカラフルな金平糖が透けて、乙女心をくすぐります!
金戒光明寺へのアクセス、拝観時間、拝観料など基本データ
- 住所:京都府京都市左京区黒谷町121
- TEL:秋の特別公開:075-213-1717(京都市観光協会)、夜間拝観:075-771-2204(金戒光明寺)
- 拝観時間:9:00~16:00(受付終了 ※秋の特別公開のセット券での拝観は15:30終了)
- 拝観料:御影堂・大方丈・庭園:大人600円、山門:大人800円、セット券大人1200円
- アクセス:JR京都駅から市バス100系統で約30分、岡崎道バス停下車、徒歩10分
- サイト:http://www.kurodani.jp/