資産運用/資産運用の注意点とリスク

レバレッジ効果とは?その意味や計算式をわかりやすく解説!

FXや先物取引、信用取引などに興味を持って調べていると、必ず目に入ってくるのが「レバレッジ」という言葉。ここでは、レバレッジ効果やレバレッジ比率と言われてもよく分からない!という人向けに、レバレッジの意味や仕組み、メリットやリスクについて計算式を交えてわかりやすく説明していきます。

執筆者:All About 編集部

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<INDEX>
・レバレッジの意味とは?よく聞くレバレッジ10倍って?
・レバレッジ取引の仕組みとメリット/レバレッジ効果とは
・レバレッジ比率とは?
・レバレッジのリスクや注意すべき点
・投資初心者はレバレッジ比率をどう設定すればいいか

 

レバレッジの意味とは?よく聞くレバレッジ10倍って?

そもそもレバレッジとは「テコ」を意味し、少しの力で大きな作用が生み出せるテコの原理のように、少額の証拠金(取引を行う際にあらかじめ担保として金融機関に納めるお金)に対してより大きな額の運用ができることを指したものです。レバレッジを効かせて運用すると、少額の元手で大きな利益を生み出すことが狙えるのが特徴です。
レバレッジとは少しの力で大きな作用が生み出せるテコの原理のように、少額の証拠金に対してより大きな額の運用ができることを指します

レバレッジとは少しの力で大きな作用が生み出せるテコの原理のように、少額の証拠金に対してより大きな額の運用ができることを指します


また、「レバレッジ〇倍」という表現がありますが、これは証拠金に対して何倍の取引ができるのかということを指します。例えば、「レバレッジ10倍」と書かれていれば、証拠金の10倍の額の取引ができるという意味に。なお、証拠金以外のお金は取引をする金融機関から借り入れをする形になります。

これを計算式で表すと、

取引できる金額=証拠金の額×レバレッジ比率(〇倍)

となります。例えば証拠金が10万円、レバレッジ比率が10倍の場合、10万円×10倍 = 100万円分の取引ができるという計算になります。この例のように、元手が10万円でも100万円分の取引ができることから、レバレッジを効かせることで、より効率の良い投資が可能になるというわけです。
 

レバレッジ取引の仕組みとメリット/レバレッジ効果とは

■レバレッジ効果
前項で説明した通り、レバレッジ取引(レバレッジを効かせた取引)とは、少額の資金でも大きな額の取引ができる仕組みです。さらに、この仕組みを利用することで大きなリターンが期待できることを、「レバレッジ効果」といいます。レバレッジ取引ができる投資の種類は、FXや先物取引、信用取引といった証拠金を利用して取引を行うものに限られます。

■リスク分散のメリット
レバレッジ取引は一見、手持ちの資金が少ない人だけにメリットがあるように思えますが、実際は資金を豊富に持っている人にもメリットがあります。例えば、1億円の自己資金を持っており、1000万円だけを証拠金として先物取引に投資したとします。そして、その1000万円に10倍のレバレッジ比率をかければ、1億円の取引ができることに。そこで仮に1000万円の損が出たとしても、残りの9000万円で他の取引を行えば、そこで利益が出て、損をカバーできる可能性があります。つまり、資金が豊富な場合は、レバレッジを掛けながら色々な投資先に分散投資をできるので、リスクを分散しながら利益を狙えるというメリットもあるのです。
 

レバレッジ比率とは?計算式を解説

「取引できる金額」の計算式でも出てきましたが、「レバレッジ比率」とは自己資金(証拠金)に対して何倍の借り入れをしているかを表す比率です。この比率が何倍かによって、レバレッジ取引で得られる利益が大きく変わってくるので、大切な指標といえます。

レバレッジ比率は、

借り入れ額÷証拠金(自己資金)=レバレッジ比率(倍)

という計算式で算出します。例えば、自己資金10万円で、100万円を借り入れたとすると、100万円÷10万円=10倍となります。

では、レバレッジ比率の違いによってどういった影響があるのかを見ていきましょう。下図は、レバレッジを5倍に設定した場合と、100倍に設定した場合に、相場が一定額動いた時の利益と損失を表したものです。
 
レバレッジ比率による利益と損失例

レバレッジ比率による利益と損失例


図からわかるように、レバレッジを100倍に設定した場合は、5倍に比べて得られる利益が増える一方、抱える損失も増えていることが分かります。このように、レバレッジを高く設定すると得られる利益が大きくなる反面、抱える損失も同様に大きくなるのです。この損失のリスクについては、次の項目でも説明をしていきます。
 

レバレッジのリスクや注意すべき点

■ロスカットの存在
レバレッジについては、リスクや注意すべき点も知っておかなければなりません。まず、売買が確定していないタイミングでの損失(含み損)が大きすぎると、「ロスカット」と呼ばれる強制決済をされてしまうので注意が必要です。ロスカットとは、証拠金が一定の割合まで減少すると、口座のすべての保有ポジション(自分自身が今持っている注文)が強制的に決済されてしまう仕組みのこと。損失後も取引を継続したい場合は、不足した証拠金を追加しなければならないので注意しましょう。ロスカットの基準は取引をしている金融機関により違うので、チェックが必要です。

■レバレッジによる損失の拡大
また、レバレッジ比率を高く設定することのリスクについても考える必要があります。前項で説明した通り、レバレッジを高く設定すれば得られる利益がその分増えますが、損失もその分大きくなります。とくに、先物取引の場合は取引できる期限が決まっているので、レバレッジを高く設定しすぎて損失を期日までに取り戻せないと、甚大な損失を抱えることになる恐れも。得られる利益だけではなく、背負う可能性のある損失にもしっかり目を向け、自分に合ったレバレッジ比率を設定することが大切です。
 
レバレッジのリスク リスクの内容
ロスカット 証拠金の減少による強制決済
損失比率 レバレッジによる甚大な損失
 

投資初心者はレバレッジ比率をどう設定すればいいか

レバレッジは、FXや先物取引、信用取引など証拠金を使った取引をする上で知っておくべき大切なキーワードです。レバレッジを効かせることで、資金が少なくても大きな投資ができるのは大きなメリットですが、レバレッジ比率を高くし過ぎてしまうと、損失を抱えるリスクがあることを理解しましょう。投資ビギナーの場合は、最初はレバレッジ比率を2、3倍などの低めに設定して、自分の投資スタイルが固まってきたらレバレッジ比率を再設定するなど、リスクヘッジをしっかりとしながらレバレッジを決めることをおすすめします。

(監修:酒井富士子/経済ジャーナリスト・オールアバウトマネーガイド)

※投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願いします。

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