ビットメイン社がIPOを予定
ビットコインのマイニング機材ASICの独占的販売を行っているビットメイン(BITMAIN)がIPO(株を投資家に売り出して証券取引所に上場し誰でも株取引ができるようにすること)を予定しています。それに先立ち、自社の透明性を高める以下のようなポリシーを公表しました。
- ASICの出荷の時期や、台数を明らかにする。顧客によらず公平に出荷する。
- 自社保有のハッシュレート(マイニングの速度)を公表する
- シークレット・マイニング(顧客に機材を出荷せず自社だけでマイニングを行うこと。倫理上大きな問題となる行為)を行わない
- エンプティ・ブロック(空のブロック)を掘らない
ビットメイン社はビットコイン・キャッシュ支持の立場を取っており、対抗勢力に機材を売らなかったり出荷遅延を起こしているとの噂があったり、最新ASICの販売ではビットコイン・キャッシュ以外の通貨での販売を行わないなど、その企業力を利用した政治的なふるまいが問題視されていました。
マイニングの中心企業は中国企業がほとんどであり、一部の巨大化した中国企業の仮想通貨への影響力が高まることは、不公正を生む(生んでいる)として、仮想通貨市場の成長を阻害するものとして眉をひそめられてきた現状があります。
公平で中立な企業運営へ
投資リサーチ企業であるバーンスタインの2018年2月の報告書によると、ビットメイン社は昨年約3200~4300億円の営業利益を上げています。また、現在の企業価値は150億ドル(約1兆6千万円)に到達、IPO前の資金調達ではソフトバンクやテンセントなど世界的企業が投資を行いました。同社は、今後5億ドルをかけてアメリカのテキサス州にブロックチェーンのデータセンターとマイニング施設を建設予定で、シリコンバレーに新オフィスをオープン、イスラエルの開発センターで従業員を3倍に増やすなど、より世界的規模での運営へと進んでいます。
マイニングハードウェア市場の70~80%を占めるといわれるビットメイン社は、仮想通貨世界のインフラ企業ともいえます。その会社が強大な力を閉じたまま行使するのではなく、透明性を高め中立性・公共性・公平性を持った運営を行っていくことは重要であり、仮想通貨市場のさらなる成長と発展の後押しになることが期待されます。ビットコインとビットコイン・キャッシュによる覇権争いがどうなっていくのかが要注目となります。