リースバックとは?自宅や不動産を売却し、その後に買主から賃借すること
リースバックとは、自宅や不動産を売却し、その後に買主から賃借することです。特徴としては、売却後もそのままその自宅や不動産を家賃を払うことにより利用することができます。また、契約によっては、買い戻すことも可能な場合もあります。取扱業者等により条件等が異なりますので確認が必要です。リバースモーゲージとはココが違う!
要するに、自宅不動産を担保にお金を借りるリバースモーゲージとは異なり、その時点で売却し、そのまま新たに借り受けることになります。つまり、先に売却するのか、それとも後から売却するのか、の違いということになります。不動産を現金化する方法としては、通常の売却(不動産業者などへ売却の依頼(媒介)をするケースなど)がありますが、その主な違いは、そのまま住み続けることができる点、と、通常の売買では、買主を探すのに時間を要するケースが多いですが、リースバックでは、審査が通れば、比較的早めに売却ができる点、と言えます。
リースバックは、どんな人に向いているのか?
イメージとしては、財産的価値のある自宅不動産(例:2,000万円))を リースバックで売却した場合(例:1,500万円)、月々の家賃は10万円程度のようです。このケースでは、売却代金の年8%(月家賃10万円×12カ月/売却代金1,500万円)に相当する賃料を負担する計算になります。つまり、年間の家賃が120万円となりますので、このケースでは12年6カ月を超えると、借りたお金よりも、支払う家賃の方が多くなることになります。
ですので、向いている人とは現金化を急いでいる・長期にわたり自宅不動産を借りる予定のない人です。以下の①~③のように、
① 想定相続人(相続人になるであろう人)がいないため、将来相続財産を遺す必要がない場合
② 想定相続人はいるが、将来相続財産を遺さなくてもよい場合
③ 事情により一時的に資金が必要であるが、短期間で買い戻し資金を用意できる場合
などが該当しそうです。
リースバックのデメリットは?
デメリットとしては、賃借期間が長期にわたると、支払う賃料が売却価格を超えてしまう点だと言えます。契約内容により、物価変動に伴う家賃の改定が、あるのか・ないのか、買い戻す場合の買い戻し金額や買い戻し期限などをしっかりと確認する必要があります。
税金等は?
契約時には、印紙税や登記費用等(所有権移転登記など)が発生しますが、重要なポイントとしては、やはり、譲渡所得ではないでしょうか。不動産を譲渡した場合には、原則として譲渡所得が発生しますが、自宅不動産の場合、居住用財産の譲渡所得・3000万円の特別控除の要件に該当する可能性がありますので確認して下さい。
また、取得価格等の明細の有無等により、税額が異なることもあるため、注意が必要です。ただし、契約の内容によっては、売却扱いではなく、借入金扱いとなる(譲渡所得にならない)ケースもあるようですので、取扱業者等によく確認して下さい。
相続税への影響は?
「リースバック」においては、相続する財産は、賃借権となりますので、一般的には大きな問題はないのではないかと思われます。ただし、契約の内容によっては、売却扱いではなく、借入金扱い(不動産と借入金を相続)となるケースもあるようですので、取扱業者等によく確認して下さい。
よく検討を!
リースバックは「売却」が前提となります。売却価格は、評価額の50%~90%程度となるようですので、売却を急がず、通常の売却をした方が、売却価格が高くなる可能性があります。従って少しでも早く資金が必要な場合などを除き、通常の売却を含めた検討をしても良いのではないでしょうか。逆に、通常の売却では、なかなか売却できない可能性もあり、その間に売却価格が減少してしまう場合もあるため、慎重に検討する必要があります。
また、現在の価値よりも将来の価値の方が増加している可能性が高い場合には、現時点で売却すると不利になったり、逆に将来の価値の方が減少する可能性が高い場合には現時点で売却した方が有利になったりするケースもありますので、慎重に判断して下さい。
リースバックは、取扱業者等によって、メリット・デメリットが異なりますので、契約内容をよく確認し、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った取扱業者等を選択するようにして下さい。
また、リースバックにより、現預金が増えて、豊かになったように感じる場合もありますが、くれぐれも、無駄遣いにならないよう、留意することが大切です。