銀行とどう付き合うべき?
銀行は「預金先」という存在だけではなく、「借入先」であったり、投資信託や保険商品の販売窓口など、預金以外にも様々な分野でお付き合いすることになります。一般的に「給与振込口座」がメインバンクになることが多く、そこから家賃や水道光熱費等の引き落とし、定期預金や定期積立、車や住宅、教育ローンといった借入先になることが多いのではないでしょうか。
さらに、ローンを組む時にも、今までの銀行との付き合い方が、借入れの可否や金利に影響することがあります。そこで、どのような付き合い方をしていけばよいのかお伝えしましょう。
信用を築くことを意識して、銀行と付き合おう
利用している銀行でも、車や住宅・教育ローンといった借入先として銀行を利用する時、私たちは銀行に「お金を貸しても毎月滞納することなく、返済してくれる人物だろうか?」と信用状況を審査されます。多くの人は、審査される時になって初めて、「審査に通るだろうか?」「そもそも、これまで自分のお金の使い方は、間違っていなかっただろうか?」と若干の不安を感じるものです。特に数千万円の借入れになる住宅ローンの審査では、ローンの審査が通るのか?と心配する人が多くなるのではないでしょうか。
預金をする時は、そのような不安を抱えることはないのに、借りるとなると話は別で、改めて銀行との付き合い方を考えるようになります。
会社員の場合、車や住宅・教育ローンといったライフプランに関わる借入れがメインになりますが、会社経営者はさらに事業資金を借入れする機会が増えますので、銀行と上手に付き合い「信用」を築いていく必要があります。
現在、会社員の場合でも今後「起業」を考えている方は、「信用を築くこと」を意識して銀行と付き合っていきましょう。
信用度は「属性×実績」で判定
一般的にどのように「信用」をはかるのかというと、 年収、勤務先、勤続年数、借入状況、返済状況、自己資金、資産、担保評価、納税といった属性を審査されるわけです。 属性が高ければ高いほど、お金を借りやすく金利が低くなります。そして、銀行とこれまでどのように付き合ってきたか?といった「取引実績」も加味されます。新規の場合は「属性」でしか判断できませんが、これまでずっと利用していた銀行ならば多少の「取引実績」があるので、それらも考慮して判断されます。良い実績があればプラスに作用しますが、悪い実績があればマイナスに作用されます。「属性×実績=信用度」という公式です。
■「属性」とはどういうもの?
- 年収
- 勤務先(上場企業や公務員だと有利)
- 勤続年数
- 借入状況(滞納の有無)
- 自己資金、資産……貯蓄や資産は多ければ多いほど有利
- 担保評価(担保価値が高いほど有利)
- 納税(税金の滞納の有無)
- 普通預金、定期、積立等の預金額
- これまでの借入状況
- 毎月滞りなく返済しているという事実
- 投信や保険の契約等
従って、過去に借入れした実績があり、それを毎月滞りなく返済してきたという事実や、毎月コツコツと積立預金をしていた実績は重要になります。
反対に属性が高くても、過去に「他行に借換えをした」という実績があれば、銀行にとってはお金を貸してもすぐに裏切る人と思われ、審査に通らないということが起こり得ます。
一時期、金利が下がり住宅ローンの借換えが流行ったことがありましたが、「借換え」には今後融資を受けられないリスクが潜んでいることを忘れてはいけません。
目的や種類に応じて、取引銀行を分散させる
銀行にも都市銀行、地方銀行、信用金庫、労働金庫、ゆうちょ、JA、ネット銀行といくつかの種類が存在し、役割も貸出し金利も変わってきます。一般的な銀行には、以下のような特徴があります。
- 都市銀行や地方大手銀行は審査が厳しいが、金利は低い。
- 信用金庫は地域密着型で親切丁寧。審査が少し緩くなるため、個人事業主や中小企業の経営者にとっては利用しやすいが、その分金利が少し高くなる。
- 勤務先に労働組合があれば「ろうきん」も便利。
- ネット銀行は店舗や人件費の負担が少ない分、預金利息が高く、貸出し金利は低くなる。
実際には、勤務先の給与口座や住む場所などにより、その地域の銀行やゆうちょ銀行など、3行以上の複数の銀行口座を持つようになりがちです。しかし、普段利用するのは2~3行程度にしておくと、管理もしやすくなります。預金額が1000万円以上と増えてきたら、銀行を替えてペイオフ対策を取りましょう。
銀行相手でも気持ち良くスムーズに、かつ「対等」に取引ができるよう、自分自身の信用度をコツコツと高めていき、自分と銀行と社会に対して「三方よし」となるような、良いお金の使い方をしていくことです。このことを忘れなければ、銀行と良いお付き合いができるようになるのではないでしょうか。
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