ヨーロッパ

ユーレイルパスの上手な使い方と購入方法2019

【2019年、イギリスが加わるなどユーレイルパスのルールが大幅に改定されました】ヨーロッパの鉄道が乗り放題になるユーレイルパスという切符があります。幅広く使えて割引特典もあるなど上手く使えばメリットも大きいユーレイルパスの種類や賢い選び方、使い方と購入方法や値段などを解説します。また、ユーロスターやTGVは追加で座席予約が必要、など注意点もまとめました。

中原 健一郎

執筆者:中原 健一郎

海外旅行ガイド

ヨーロッパの旅は鉄道

アルプスの名峰をバックに、インスブルック駅(オーストリア)で出発を待つドイツ鉄道の客車。ヨーロッパの旅は鉄道がおすすめ。

アルプスの名峰をバックに、インスブルック駅(オーストリア)で出発を待つドイツ鉄道の客車。ヨーロッパの旅は鉄道がおすすめ!

ヨーロッパを旅するのに最良の交通機関は何かと聞かれたら、10人中10人が鉄道と答えるのではないでしょうか。ヨーロッパは鉄道網が非常に発達しており、普通の列車のみならず、数々の高速鉄道や観光列車が運行されています。飛行機も早くて便利ですが、ヨーロッパの風景を楽しみながら移動できる鉄道に勝る手段はないだろうと私も思います。

<目次>  

ユーレイルパスは31か国の鉄道に乗り放題!

イタリアの国境駅で憩うフランスの高速鉄道TGV。パリから放射状に隣国へ路線を延ばしている。

イタリアの国境駅で憩うフランスの高速鉄道TGV。パリから放射状に隣国へ路線を延ばしている。

ユーレイルパスとは、ヨーロッパ以外に在住している人だけが購入することができ、ヨーロッパ31か国(もしくはその一部)の鉄道が乗り放題となるお得で便利な切符です。日本にもJAPAN RAIL PASSという外国人専用の割引パスがありますが、そのヨーロッパ版です。利用客のニーズに応じていくつかのタイプがありますが、1等車用と2等車用があり、予算に応じて選ぶことができます。外国人向けの優待料金となっていますので、上手く使えばかなり費用を抑えながらヨーロッパの鉄道の旅を楽しむことができます!

利用範囲はほぼ全てのヨーロッパと言っても差し支えありませんので、逆にこのパスが使えない国を挙げておきましょう。

エストニア、ラトビア、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、モルドバ、アルバニア、コソボ、また鉄道がない国(アイスランド、マルタ、キプロス)です。
 
ロンドン・St Pancras駅で出発を待つユーロスター。海底トンネルを通ってパリまでわずか2時間半。ユーレイルパスで乗車できる(要座席予約)

ロンドン・St Pancras駅で出発を待つユーロスター。海底トンネルを通ってパリまでわずか2時間半。ユーレイルパスで乗車できる(要座席予約)

特筆すべき点として、2019年からイギリス(同時にリトアニアとマケドニアも)がユーレイルパスに加わりました! これまで数十年にわたってユーレイルとは一線を画してきたイギリスが、ブレグジットとは逆行してユーレイルに参加するというのは最初は耳を疑いましたが、もちろん旅行者にとっては非常に嬉しい話です。

イギリスは特に鉄道料金が高いですので、イギリスも含めて数か国周遊したいという場合にはユーレイルパスが非常に便利になりました。
スチーブンソンが製造したロコモーション1号。1825年9月27日、初の商用鉄道としてストックトン~ダーリントン間を走破した。その後百数十年での世界の鉄道の発達は驚異的なほどに目ざましい

スチーブンソンが製作したロコモーション1号。1825年9月27日、初の商用鉄道としてストックトン~ダーリントン間を走破した。その後の百数十年における世界の鉄道の進歩は目ざましい。

あと、意外なところでトルコがユーレイルパスを利用できます!
 

2019年からパスの種類が大幅に改定されました。

イギリスが加わって便利になった反面、2018年まで販売されていたセレクトパスやセーバーパスの販売がなくなり、選択肢が少なくなってしまいました。但し、すでにこれらのパスを購入済みの場合は、有効期限が到来するまで使用することはできます。

今後は、複数の国にまたがって乗車する場合は(それがヨーロッパ鉄道旅行の醍醐味ですが)、必然的にグローバルパスを購入することになります。
 

ユーレイルパスの種類1:グローバルパス

 
ユーレイルグローバルパスはヨーロッパ31か国の鉄道が乗り放題!

ユーレイルグローバルパスはヨーロッパ31か国の鉄道が乗り放題!


最も基本となるタイプで、有効期間中全ての国で乗り放題となるパスです。15日間用、22日間用、1・2・3か月間用があります。
参考価格 5万5000円前後(2等15日間)、11万3000円前後(2等3か月間)
 

ユーレイルパスの種類2:フレキシーパス

フレキシーパスはパスを利用する日にちを選べるタイプ

フレキシーパスはパスを利用する日にちを選べるタイプ

例えば上記のグローバルパス15日間を使って旅行をした場合、途中のパリで1日市内観光をするなど、列車に乗らない日があることの方が普通だと思います。この場合、グローバルパスですと1日ムダになってしまいますね。

フレキシーパスはパスを利用する日を自分で決めることができる便利なパスです。例えば5日間有効のパスなら、1/1、1/2、1/6、1/9、1/12といった具合に、列車を使わない日は避けて無駄なく使用することができます。ただし、その分お値段はちょっと高めで日数も少な目。3・5・7・10・15日間用があります(3・5・7日間用は1か月間以内、10・15日間用は2か月以内に使用を終える必要があります)。

パスを使う日を予め決める必要はなく、当日乗車前にパスの券面上に自分で使用日の日付を記入します。例えば5日間用であればマス目が5つありますので、その中に使用日を記入していきます。未記入の状態で乗車したり、鉛筆で記入したりすると、怖~い罰金が待っています!

参考価格 3万5000円前後(2等5日間)、6万2000円前後(2等15日間)
 

ユーレイルパスの種類3:1か国パス、地域パス

 
様々な国がその国で乗り放題となる1か国パスを販売している

様々な国がその国で乗り放題となる1か国パスを販売している

1つの国に限定して利用できるタイプで、多くの国が様々な独自のパスを発行しています。一般的に、グローバルパスよりも利用できる私鉄の数が多かったり、施設割引などの特典が充実していることが多いようです。

またベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)に関しては地域パスとなっており、言わば1か国の扱いでこれらの国を自由に行き来することができます。

さらに北欧についてはデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの4か国を自由に回れるスカンジナビアパスも販売されています。

ほとんどのパスがフレキシータイプでの販売です。
 

ユーレイルパスの種類4:セレクトパス

※2019年以降、販売終了しています。

はっきり言って、1回の旅行でヨーロッパ31か国全てを周る人なんてまずいません。セレクトパスは利用できる「国」を選べるタイプです。2か国用、3か国用、4か国用があり、選択する国は隣接していることが条件で、フレキシータイプのパスとなります。

料金は三段階あり、利用国の組み合わせによって料金が変わります。最も高い料金帯に属する国は、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オーストリアの5ヵ国です。また、「ベネルクス3国(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)」、「スロベニアとクロアチア」、「セルビアとモンテネグロ」はそれぞれ1か国としてカウントできるのでお得です。

参考価格 3万8000円前後(ドイツとフランス2等5日間)、5万5000円前後(ドイツとフランス2等10日間)
 

ユーレイルパスの種類5:セーバーパス

※2019年以降販売終了していますが、一部の1か国パス(ジャーマンレイルパス、ブリットレイルパス等)には存続しています。

これは複数名が同一行動する場合に適用される、約15%割引のパスです。グローバルセーバー、フレキシーセーバー、セレクトセーバーなど上記のパスが割引になります。

欠点としては、例えば同行者の1人が「今日は調子悪いからホテルで休んでる~」なんて場合、同行者がパスを利用すれば、パス自体は1枚を複数名で共有しますので、(フレキシータイプの場合は)乗車していない人の分も含めて1日分カウントされてしまうことです。
 

ユーレイルパスの種類6:ユースパス

パスの使用開始時点で27才までの場合、ユースパスが利用でき、概ね23%割引となります。

※パスの種類によって販売条件が異なる場合があります。
 

ユーレイルパスの種類7:シニアパス

パスの使用開始時点で60才以上の場合、シニアパスが利用でき、概ね10%割引となります。

※パスの種類によって販売条件が異なる場合があります。
 

ユーレイルパスの買い方、使い方

パスの現地購入は割高となる上、パスの種類によっては購入できないものもあるので、日本の旅行代理店、もしくはオンラインでの事前購入がおすすめです。料金はどこで買っても概ね同じですが、多少の違いはあります。後述しますが、座席予約も一緒にできる代理店での購入が便利です。また、パスの送料が掛かる所もありますので、留意してください。
パスを利用する前にバリデーション手続きを忘れずに。エディンバラ、ウェーバリー駅の切符販売窓口。2019年、日本の技術で生まれた高速列車、「あづま(AZUMA)」が英国で走り出す!

パスを利用する前にバリデーション手続きを忘れずに。写真はエディンバラ、ウェーバリー駅の切符販売窓口。2019年、日本の技術で生まれた高速列車、「あずま(AZUMA)」が英国で走り出す!


現地に着いたら、使用開始前に「バリデーション」と呼ばれる使用開始手続きを窓口で行ってください。パスポートとパスを提示すると、券面上にスタンプが押され、使用可能な状態になります。この手続きをしないで乗車すると罰金となる他、バリデーション手続き後は、払い戻しはできません。
 

船も乗れます

ヘルシンキ港で出航を待つストックホルム行きの豪華フェリー。ユーレイルパスで割引がある。

ヘルシンキ港で出航を待つストックホルム行きの豪華フェリー。ユーレイルパスで割引がある。

ユーレイルパスは国際航路を含む加盟国の多くの船にも有効です(割引も含む)。特にイタリア・ギリシャ間、北欧各国間などは利用価値が高いはずです。個人的なオススメはフィンランドのヘルシンキからスウェーデンのストックホルム間。陸路で行こうとするとボスニア湾をぐるっと迂回しなければたどり着けませんので、夕方出て翌午前に着く航路が便利で快適です。まさに豪華客船と呼べるような大型船でクルーズを楽しめます。

対象航路についてはこちら
 

私鉄は基本的には乗れません

JAPAN RAIL PASSがJRしか使えないように、ユーレイルパスも各国の私鉄には基本的には乗車できません。ですが、実際には利用できる私鉄も少なからずあったりしますので一概には何とも言いづらいところです。また、各都市の地下鉄なども基本的に利用できません。
悪名高いパリの地下鉄。世界で一番スリの多い場所

悪名高いパリの地下鉄。世界で一番スリの多い場所。ユーレイルパスは使用不可。

例えばスイスの有名な「氷河特急」や「ベルニナエクスプレス」に乗車できる(ただし座席予約が必要)一方で、イタリアの私鉄高速鉄道「イタロ」などには乗車できません。利用可能な路線については同様に下記を参照してください。

ユーレイルパスで利用可能な私鉄はこちら
“世界一遅い特急列車”との愛称を持つ「氷河特急」。スイスアルプスの山の中を横断する絶景の旅。ユーレイルパスで乗車できる。

“世界一遅い特急列車”との愛称を持つ「氷河特急」。スイスアルプスの山の中を横断する絶景の旅。ユーレイルパスで乗車できる。

 

全席指定列車の場合、予約が必要です

TGVの1等座席。TGVは全席指定制のため、ユーレイルパス所持者でも座席予約が必要。

TGVの1等座席。TGVは全席指定制のため、ユーレイルパス所持者でも座席予約が必要。

ヨーロッパの列車は基本的に空いていて、どこでも座り放題で座席予約など全く必要ないという状態のことが多いのですが、それでも一部には全席指定の列車というのも存在します。具体的にはユーロスター、フランスのTGV、タリス、イタリアのフレッチャ(ロッサ・ルジェント・ビアンカ)などの高速列車、多くの夜行列車(寝台は当然全て予約制です)、人気の高い観光列車などが該当します。
あるいは

人影もまばらな夜のアッシジ駅(イタリア)。ヨーロッパの列車は基本的に空いている。

これらの全席指定列車にユーレイルパスで乗車する場合には、駅の窓口で座席や寝台の指定予約が必要となります。料金は安ければ3ユーロくらい、高ければ数十(寝台ならそれ以上)ユーロが別途必要になります。ヨーロッパの高速鉄道料金はJRのように乗車券、特急券、指定券というような明確な区分はなく、「全部でいくら」という包括運賃と呼ばれる設定になっていますので、ユーレイルパスでこれらの列車を利用する場合は、座席指定料金が別途必要というよりは、パス所持者向けの割引料金があると考えた方が分かりやすいでしょう。
イタリアの高速鉄道フレッチャ・ロッサ(赤の矢)。フレッチャ・ルジェント(銀の矢)、フレッチャ・ビアンカ(白の矢)と共にイタリア各都市を縦横に結ぶ。

イタリアの高速鉄道フレッチャ・ロッサ(赤の矢)。フレッチャ・ルジェント(銀の矢)、フレッチャ・ビアンカ(白の矢)と共にイタリア各都市を縦横に結ぶ。

 

日本出発前に予約したい場合

そこで困るのが、行程上どうしても乗らなくてはならない全席指定列車がある場合です。現地に着いてから駅で予約したのでは満席になってしまうかもしれません。そんな時は日本から予約をすることも可能です。
座席予約も行うことのできる旅行代理店でパスを買うと便利

座席予約も行うことのできる旅行代理店でパスを買うと便利

ユーレイルパスを販売している旅行代理店の中には、座席予約もサービスとして行っているところがありますので、どうしても早めに予約したい列車がある場合には、座席指定もしてくれる代理店でパスを購入すると、いろいろ便宜を図ってくれるでしょう。ただし、座席指定料金の他に、代理店の予約手数料が掛かるのが通常です。
 

様々な特典や割引があります

ユーレイルパスにはレストランやホテルの割引も

ユーレイルパスにはレストランやホテルの割引も

ユーレイルパスには列車や船だけでなく、観光施設やレストラン、ホテル、現地ツアーなどの様々な割引特典が付いています。概ね10%~20%程度の割引が多いですが、もし自身のプランと合致すればさらにパスをお得に使うことができます。

割引の対象となる施設についてはこちら
 

どのくらい乗れば元が取れるのか

ヨーロッパで最も人気と言っても良い観光路線、ユングフラウ鉄道。ユーレイルパスで割引あり。写真はクライネシャイデック付近、名峰アイガーとメンヒをバックに。

ヨーロッパで最も人気と言っても良い観光路線、スイスのユングフラウ鉄道。ユーレイルパスで割引あり。写真はクライネシャイデック付近、名峰アイガーとメンヒをバックに。

パスを買って果たして元が取れるのかどうか? 気になりますよね。その答えは普通の区間乗車券を買った場合と比べてみるしかありませんので、明らかに元が取れそう(取れなそう)な場合以外は割と地道な作業が必要になります。

実はヨーロッパの特急(に相当する)列車(通称ICと表記されるインターシティー、あるいは同等、もしくは格上の高速鉄道等)はインターネット等で早期に購入することによって、大幅な割引が受けられることが多々あります。残席数によって価格が変動するので、飛行機のLCCに近い感覚と言えるでしょう。3割4割は当たり前、半額以下のチケットだって決して珍しくありません(ただし、変更や払い戻しができないなどの制約が付くことがほとんどです)。JRと比べると割引のスケールが非常に大きいです。

一例として、パリからリヨン(約430キロ、所要2時間。おおよそ東京から米原間に相当)までのTGVを執筆時点の一か月後で検索してみました。2等のフレキシブル(払戻しや変更が自由)のチケットが最高値105ユーロに対して、制約付きの最安値の列車はなんと39ユーロ、しかも1等でも43ユーロという列車があります。それ以外の多くの列車でも2等が50ユーロ前後といったところでしょうか。
早朝のリヨン・パールデュ駅で出発を待つ始発のTGV。一般的に、利便性の低い時間の列車ほど、割引率が高い

早朝のリヨン・パールデュ駅で出発を待つ始発のTGV。一般的に、利便性の低い時間の列車ほど、割引率が高い。

これをユーレイルパスで乗車すると、どの列車でも1等2等共に10ユーロの追加料金で乗車することができます。パスのコストを仮に1日あたり50ユーロとすれば、元を取るのはそれほど難しい話ではないような気がします。

ただし、西ヨーロッパの中でも特に鉄道運賃が安いイタリアや、さらに東欧の方へ行けばもっと運賃が安いですので、元が取れるかどうかはまさにケースバイケースです。東京と新大阪を新幹線で往復しただけで1週間パス(29110円)の元が取れてしまいそうなJAPAN RAIL PASSほどのお得感は、正直なところユーレイルパスにはありません。これはJAPAN RAIL PASSがお得というよりは、JRの運賃が諸外国に比べてそもそも高すぎるという見方もできなくはありませんが。
芸術の国イタリアでは列車はアーティスト?達から見れば走るキャンバス。技術の粋を集めた高速鉄道が哀れな姿に……

芸術の国イタリアでは、列車はアーティスト?達から見れば走るキャンバス。技術の粋を集めた高速鉄道が哀れな姿に……

私の本当にざっくりの目安ですが、1日の列車の乗車時間が3~4時間を超えるようなら、ユーレイルパスの購入を検討してみた方が良いのではないでしょうか。あとはネット上での予約に不安がある人や、風の吹くまま気の向くままに旅行をしたい人にはうってつけの手段だと思います。
 

夜行列車を活用しよう!

白のボディーに赤のライン、ドイツの高速鉄道ICE。実は夜行のICEも運行されている。

白のボディーに赤のライン、ドイツの高速鉄道ICE。実は夜行のICEも運行されている。

日本ではほとんど滅亡してしまった夜行列車が、ヨーロッパではたくさん運行されています。もしユーレイルパスを有効に活用しようと思ったら、この夜行列車を存分に利用することをオススメします!

実はユーレイルパスには夜行列車向けの特別ルールがあり、これまでは19時以降に出発する夜行列車に乗った場合、パスの利用日としては翌日の到着日のみカウントすれば良いことになっていました。

例えばフレキシータイプのパスでパリ発ミュンヘン行きの夜行列車に乗った場合、パスに記入する日付はミュンヘンに到着する出発翌日の日付だけでした。

※重要なルール変更

何十年も親しまれてきたこの19時ルールですが、2019年よりグローバルパス(フレキシー)に関しては到着日ではなく出発日をカウントすることになりました。但し、1か国パスについては従来通りの国もあり、注意が必要です。

また私の率直な危惧として、現地の車掌や係員にこのルール変更がすでに周知徹底されているとは思えませんので、何か言われる可能性があることは想定しておいた方が良いかもしれません。

夜行に乗って、目的地でその日はゆっくり観光したいという場合には今回の改定はプラスに作用しますが、目的地からさらに次の目的地へその日のうちに移動したいなどという場合には、パスがもう一日分必要になってしまいます。いずれにしても1日分の料金で2日にまたがって乗車できる夜行列車には、ユーレイルパスならではのメリットがあります。
寝ている間に目的地に着ける夜行列車。移動効率が良いだけでなく、旅情も深い優れた交通手段。

寝ている間に目的地に着ける夜行列車。移動効率が良いだけでなく、旅情も深い優れた交通手段。

寝台等を利用すれば当然別途料金が掛かりますが、夜行列車は長距離を走りますのであっという間に元が取れてしまいます(しかもホテル代も浮きます)。翌朝到着してそのまますぐ観光に出発できますし、移動の効率が極めて良いことは改めて言うまでもないでしょう。

いろいろ工夫することでユーレイルパスはさらにおトクになりますので、上手にプランを立てて有効利用してください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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