相続税を安くすることができる「小規模宅地等の特例」。その効果は大きく、可能な限り適用を受けたいもの。ですが要件の解釈が難しく、この特例が受けられるのか否かが分かり辛い一面もあります。また、平成30年4月1日以降の相続発生より一部厳しく改正されたこともあり、今回は平成30年最新版として、かつ分かりやすく解説します。

小規模宅地等の特例とは

相続税を安くするには小規模宅地等の特例が効果大。

相続税を安くするには小規模宅地等の特例が効果大。

相続税を支払うために自宅を売らなければならない、事業を辞めなければならず生活費が入らない。こういった事態にならないよう宅地(建物または構築物の敷地)の一定の面積まで評価額を大幅に下げることができる特例が「小規模宅地等の特例」です。ここで最初の疑問が出てきます。よく聞かれるのが「小規模な宅地でないので特例が受けられない?限度面積より大きい宅地には適用できない?」といった疑問です。「小規模」という名前が悪いですね。中・大規模でも、限度面積以上の宅地でも、その一部に限度面積まで適用ができます。

特例の種類

小規模宅地等の特例は利用状況などにより「居住用」「事業用」の宅地に分類され、限度面積は200平米から400平米まで、減額割合は50%減から80%減まであります。なお複数の特例を適用する場合の限度面積は複雑な計算があるため最後に説明します。
  • 特定居住用宅地等(限度面積330平米まで80%減)
  • 特定事業用宅地等(限度面積400平米まで80%減)
  • 特定同族会社事業用宅地等(限度面積400平米まで80%減)
  • 貸付事業用宅地等(限度面積200平米まで50%減)

適用要件(共通事項)

どの特例も共通する要件があり、この要件を満たさないと特例が受けられません。
  • 個人(親族のみ)が相続または遺贈により取得した宅地であること。
  • 相続税の申告期限(10ヶ月)までに取得者が確定していること。
  • 相続税の申告期限(10ヶ月)までに相続税の申告をすること。
  • 小規模宅地等の特例を受けることができる人全員の同意があること。

取得者が決まらない場合の対応は?

申告期限までに取得者が決まらない場合は小規模宅地等の特例は受けられませんが、申告期限までに「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して相続税の申告書を提出し、いったんは特例を受けずに申告・納税をします。そうすれば将来に取得者が決まった際に小規模宅地等の特例を受けることができます。多く払っていた相続税を戻してもらう手続を「更正の請求」といい、取得者が確定した日から4ヶ月以内に行う必要があります。

ケース別の要件は次のページで確認してみましょう。