言うことを聞いくれない、動いてくれない子どもたち

怒っても変わらないけど、ついつい。

怒っても変わらないけど、ついつい。

ワンオペ育児になりがちな現代のお母さんは、さまざまな育児ストレスを抱えています。中でも「子どもが言うことを聞いてくれない」「動いてくれない」「やめろといっても聞いてくれない」などにイライラしてしまうことは多いでしょう。

子どもは好奇心を止めらないのだな、時間の概念がないのだなと頭では分かっているつもりなのだけど……。そんなときについ感情にまかせて「早くー!」と怒鳴ってしまう方は多いでしょう。しかしご存知のようにそれでも子どもは動きません。それどころか「うわあ、いやだあぁ……」と液状化したり、心を閉ざしたりして、かえって時間がかってしまいますよね。

さてこの状態、実は広告を作る人と見る人の関係にとてもよく似ているのです。広告を作る人は、ある商品を知ってほしい、買ってほしいと願います。でも見る人が「自分とは関係ない」とか「欲しくない」と思えばそれまで。広告はただの景色やノイズになってしまいますし、広告に対して「いやだ、ひどい」と感じれば、炎上してしまうのです。

育児にも効果的な広告的問題解決の「アイディア」

どっちを買おうか迷っている消費者に選んでもらうために

どっちを買おうか迷っている消費者に選んでもらうために

仮にあなたが、広告を作る人だったとします。ある商品があって、それを消費者に認知させたり、買ってもらわなければいけません。

先に書いたように「自分と関係ないもの」と思われるとアウトなので、その商品を消費者に「自分ゴト化」してもらうため、そして「他の競合商品よりこれがいい!」と思ってもらうため、知恵を絞ります。

以下は例です。
  • 数ある食器洗剤のなかで、これを選んでもらうには? 
    →家事と気持ちを夫婦でシェアするという考え方にして、お母さんの共感を呼び、提案性のある動画をつくろう。
  • 数あるオムツのなかで、これを選んでもらうためには? 
    →赤ちゃんや子どもが好きなキャラクターをつけて、おむつ替えを楽しくスムーズにしてもらおう。
  • 数ある納豆のなかで、毎日選んでもらうには? 
    →流行りの調味料をタレにして、バラエティ豊かな納豆を味わってもらおう。
などなど、見たことがありますよね。ここでは広告表現であったり、商品開発に入り込んだりと範囲さまざまな例を出しましたが、一括して問題解決のためのアイディアといえます。

子どもに動いてもらうための「アイディア」

入るにも、出るにも時間がかかる風呂

入るにも、出るにも時間がかかる風呂

上記の思考を育児に応用できないものでしょうか。

私は心身ともに余裕のあるとき限定で、いくつか考え実行するのですが、成功した例を紹介します。

シーン1. 遊びに夢中で、お風呂に入らない子どもたち
ターゲット 我が子二人(5歳と2歳)
提案    お風呂で、長男がハマっていることで遊ぼう


我が家のお風呂の壁には、カタカナとひらがなの「五十音表」が貼ってあり、長男は最近、同音異義語(橋と箸、飴と雨など)に興味があるらしく、それを利用します。

ふつうに「お風呂に入ろう」といっても、らちが明かない場合は、私一人で先に湯ぶねにつかり、同音異義語を大きな声で挙げ、ネタが切れたら「あ」のつく言葉を言っていきます。アイス!あひる!あご!秋田!アルプス!アザラシ!明日葉!う~ん、アライグマ!などなど、大きな声で、真剣に行うのがポイントです。

すると、長男(5)が「なにやってるのー?」とやってくるので「アのつく言葉が思いつかないから手伝って」といって心をつかみ、つられてやってきた長女(2)も確保し、めでたくお風呂に入ることができました。


その他、風呂入れに成功した小さなアイディアを列挙しておきます。
  • アニメのキャラクターを真似した口調で話す(今現在、『シンカリオン』のシャショットやミッキー、ドナルドの話し方が興味をひいています)
  • 詳細を話す(汗が乾くと、臭いにおいにかわって、ベタベタして気持ち悪いし、次の日お友達にクサーって言われるよ……さっぱりしておいた方がよくない?等)
  • 競争(ママとどっちが早く頭を洗えるか競争、よーいドン!※きょうだい間だと喧嘩になること多々)
  • 保育園の先生がほめていたことを反芻して、話題転換(今日〇〇先生が〇〇のことを〇〇って言ってたよー、ママうれしかったわ~、さすがだと思ったわー、お風呂入ろう?)
  • シンプルに質問する(あのさ、次は何をするはずだったんだっけ?→お風呂だー!と思い出す)
最後の「質問する」は、いろいろな時に有効です。年長くらいになると、子どもの頭の片隅には、いちおう「次は〇〇する」というTO DOがインプットされているようです。しかし、目の前にそれを上回る楽しそうなことが出現するとそちらへ流れてしまう。とてもシンプルな構造のようです。
保育園がえりの夜道を想定してください。

保育園がえりの夜道を想定してください。

次に、お風呂とは違うシーンの体験です。

シーン2  雨の日の帰り道、道端に座り込む子どもたち
ターゲット 我が子二人(5歳と2歳)
提案    じゃんけんのグリコ遊びで帰ろう


とてもいやなシチュエーションです。両手に荷物と雨具、歩きたくないと駄々をこねる子どもたち、雨が降って日が暮れて、一刻も早く帰りたいとき。ここで「ホラ、歩いて!早く!」とドヤしても「いやだ~わーん」となってしまうことは想像にかたくありません(つい言ってしまいますが……)。

そこで、多少濡れるの覚悟、時間がかかるのを覚悟で、じゃんけん遊びを提案します。グーで勝ったら「グリコ」、チョキで勝ったら「チョコ―レート」、パーで勝ったら「パイナップル」。勝った名称の文字数ぶん、歩数を進められるという遊びです(例:グリコで勝ったら3歩進む)。子どもの頃やりませんでしたか?

かなり時間がかかりますが、途中から歩数を多めにとったり、「雨でよく見えない」という理由で勝っている人物に接近したりして、なるべく歩を進めます。

親がイライラすると空気が濁って、子どもたちに不機嫌が伝染しますが、親が開き直ったら子どもがワクワクしながらノッてくるから不思議です。気持ちよく帰れました。

脅しの前に、なるべくアイディア

こんな顔になりがちです。

こんな顔になりがちです。

毎日時間に追われ、ワンオペになりがちなお母さんたちは、アイディアをひねっている余裕はないでしょうが、「そのまま」要請をぶつけても、子どもは動きません。

「鬼を呼ぶ」や、「パパにいいつける」、「〇〇禁止」等の脅しをすると、親子ともストレスがたまりますし、じき効果がなくなっていきます。

育児はクリエイティブだ、という方もいるように、アイディアをしぼりだせるとよい関係性が育まれそう……と、書いていて私はすぐ怒鳴りがちなので、念頭に置いておこうと思います。

参考書籍


 



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。