株を売る時のルールを決めておく
株式投資初心者に限らず、株式投資を行う多くの人たちが抱える悩みの一つに「いつ売ればいいのか?」があります。保有株に利益が発生した場合、どうしても「まだ上がる」と期待してしまうのが普通です。しかし、株価はいずれ天井を打って下落します。株価が下落しているのに「また上がるよね」などと考えていたら、利益が損失に変わってしまうこともあるでしょう。
株式投資で利益を上げる基本は、「安い時に買って、高くなったら売る」です。感情に流されないようにするためにも、次のような株を売るルールを事前に決めておいた方がよいでしょう。
- 買ってからの値上がり率で売り時を決める
- チャートで売り時を判断する
買ってからの値上がり率で売り時を決める
具体的に「買った時から10%値上がりしたら売る」という風に、「買った値段から〇%上昇したら売る」と、あらかじめ売る時のルールを決めます。トヨタ自動車<7203>のチャートで考えてみましょう。上昇幅を10%としましたが、どの程度の設定がいいのかと思う人も多いでしょう。左の囲みを見てください。買った後に上昇しています。うまく売れたらいいですが、売れない場合もあるでしょう。右の囲みを見てください。左の囲みよりも株価は下がってます。つまり、売り時を逃すと、損失が発生してしまう場合もあり得るのです。
銀行の定期預金が0.01%である現状を踏まえると、10%程度の利益があれば優秀な成績だと考えられます。仮に毎月10%の利益を出すことができれば、1年間では100%を超えることになりますから、元本を倍に増やすことが可能になります。あまり欲張りすぎず、まずはしっかりと利益を確保しましょう。
チャートで売り時を判断する
様々なチャートがありますが、株を売る時を判断するためにはオシレーター系のテクニカル指標を利用したらよいでしょう。オシレーター系のテクニカル指標では、株価が買われすぎか、売られすぎか、過熱感を分析することができます。代表的なテクニカル指標としては、「MACD」や「RSI」「RCI」「ストキャスティクス」「移動平均乖離率」などがあります。たとえば、RSIであれば、RSIの数値が買い時であれば30%未満、売り時であれば70%以上とされています。ですから、RSIの数値が70%に近付けば売り時を考え始めなければなりません。30%と70%で赤い線を引きました。
またMACDは、MACD(短期)という線とシグナル(長期)という2本の線で表されていて、2本の線がクロスするタイミングで買い時、売り時を判断することができます。
MACDがシグナルを下から上に突き抜けると「ゴールデンクロス」で買いサイン(右の囲み)に、反対に、MACDがシグナルを上から下に突き抜けると「デッドクロス」で売りサイン(左の囲み)になります。このようにテクニカル指標を利用すると、簡単に売り時の判断を下すことができるようになります。
もちろん、株を売った後に株価がさらに上昇することはありますから、「早く売りすぎた」などと後悔することもあるでしょう。しかし、いつ天井を打つのかわからないのですから、よくあることと割り切りが必要でしょう。
それよりも、株価が下落しているのに「また上がるだろう」と楽観的に考えていれば、買った値段に戻り、さらには損失が発生することもあるでしょう。そうした事態に陥らないためにも、売るルールを守ることを心掛けたいですね。
※投資の判断につきましては、ご自身の責任でお願いします。
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