3ナンバー、5ナンバーとは?車の「サイズ」と「排気量」の違いのこと
自動車系のWeb記事や本を見ると、「3ナンバー車」「5ナンバー車」といった単語をよく見かけます。「○ナンバー」とは、車のサイズと排気量を区別する分類番号のことです。クルマを買おうとしている人から「3ナンバー車は税金が高いから5ナンバーにしたい」「3ナンバーは大きすぎて運転できなさそう」という声を聞くことがあります。しかし、3ナンバーと5ナンバーはサイズと排気量の違いの区分なので、必ずしも税金が高くなる、運転しづらくなるとは限りません。
一般的な自家用車は「3ナンバー車」と「5ナンバー車」に分かれ、ナンバープレートの一番上にある登録の3桁の分類番号で見分けます。
多摩501 → 5ナンバー
練馬330 → 3ナンバー
数の大きい5ナンバーの方が「車体サイズも排気量も小さいクルマ」で、日本では「小型乗用車」に分類されます。5ナンバーの車両サイズは以下の数値以内と決められています。
全長4.7m(4700mm)
全幅1.7m(1700mm)
全高2.0m(2000mm)
排気量が2.0L(2000cc)
このサイズと排気量のうち、一つでもオーバーすれば3ナンバーになります(ディーゼル車には排気量の制限はありません)。クルマのカタログの後ろには「主要諸元表」がありますので、その中の「全長×全幅×全高」の項目を見れば車両サイズがわかります。
4275×1765×1550(mm)
こんな数値のクルマがあったとしたら、全長と全高は5ナンバーサイズ枠に収まりますが、全幅が1700mmを超えるので3ナンバー車になります。
小さくて運転しやすい=5ナンバー車=教習車?
多くの人が人生で初めて運転するのは教習車です。教習車も道交法で「全長4400mm以上、全幅1690mm以上で乗車定員が5名以上の普通自動車」と条件が定められています(ホイールベースおよびトレッドの条件を除く)。全高に制限はないので、背の高いワゴンタイプでも条件は満たします。しかし、多くの教習所は5ナンバーサイズのセダンタイプを採用していますので、教習車から違和感なく運転デビューをしたいのなら、サイズ的には5ナンバー車がオススメです。
5ナンバーが運転しやすいと言われる理由は、そんなところにあるのかもしれません。
ホンダ「GRACE」の教習車。きっちり5ナンバーに収まるサイズなので採用する教習所も多い。
また、立体駐車場や機械式駐車場では「3ナンバー車はお断り」と言われる場合があります。これは3ナンバーサイズに対応していないため、サイズオーバーのクルマは入庫できないという意味で、排気量は関係ありません。
このような機械式のタワーパーキングは全長、全幅が3ナンバーサイズだと入らないことも。全高は1550mm制限のところも多い。
3ナンバーだと税金が高くなる?
3ナンバーだと税金が高い? 昔はそう思われていたみたいですが……
自動車税は登録ナンバーではなく「排気量」で決まります。車両の大きさがいくら3ナンバーサイズでも、排気量が2000ccを超えなければ、2.0L以下の税額を納めれば良いのです。
2.0L以上2.5L以下:4万5000円
1.5L以上2.0L以下:3万9500円
1.0L以上1.5L以下:3万4500円
1.0L以下:2万9500円
というように、排気量が小さくなるほど税額が下がり、2.0Lを超えると税金が高くなるイメージから「3ナンバー=税金が高い」と思われるようになったのかもしれません。しかし、たとえ3ナンバーと5ナンバーの2台のクルマがあったとしても、その排気量が同じなら納める税金も同額です。
日本の狭い路地でも難なく取り回せるのが5ナンバーサイズの良さですが、全幅が3ナンバーでも、全長が短ければ思ったよりも運転が楽にできるクルマもあります。最近では、コンパクトに見えても車幅がほんの数センチオーバーするだけで3ナンバーになるクルマが多いので「このクルマが3ナンバー?」と驚くこともあります。
「3ナンバーだから税金が高い」「3ナンバーは運転しにくい」とは限りません。クルマを購入する時には3か5にはとらわれずに、普段から通る道路や、よく行く駐車場などでじっくりと試乗をしてみてから、自分の運転感覚にあった一台を見つけましょう。