基本プランは「5分通話定額」を軸に選択を
携帯電話大手3キャリアの料金プランはかつてのように横並びではなく、それぞれに独自性を打ち出すようになってきています。ですが携帯電話の料金プランは複雑で分かりにくく、見直すのが面倒と思っている人も多いのではないでしょうか。そこでここでは、大手3キャリアの料金プランをお得に利用するためのプラン・サービス選びについて、簡単に説明していきたいと思います。最初にチェックすべきは、3キャリアに共通する基本料金プランの部分です。基本料には大きく分けて、「完全通話定額」ができるもの、「5分間通話定額」ができるもの、そして家族間だけ通話定額になる「従量制」のものの3つが存在します。
各キャリアの現在の基本料金プランでは、従量時の通話料は30秒当たり20円に設定されていることから、計算上では毎月5分を超える通話を25分間以上するようであれば完全定額制、5分以内の通話を4回以上するなら5分間定額制のプランを選ぶ、ということになるかと思います。ですが正直なところ、通話量は毎月大きく変わる傾向にあるため、一概に判断するのは難しいところです。
では自分に合ったプランをどうやって選べばよいかというと、まずは5分間通話定額のプランで様子を見るのがいいでしょう。5分間定額制のサービスを何か月か使ってみて、通話料と基本料を合わせて2700円を毎月必ずオーバーするようであれば完全定額制、1700円を超えず、また自分から通話した記憶があまりないというのであれば従量制のプランに変えることをお勧めします。
ただ従量制のプランに関しては、NTTドコモはデータ定額サービスの組み合わせによって選べない場合がある、ソフトバンクにはプラン自体が存在しないというように、キャリアによって違いがある点に注意が必要です。
NTTドコモは家族契約でシェアパックがベスト
次にチェックすべきはデータ定額サービスの部分。ここは各キャリアともに力を入れているポイントでもあるため、見直すことで料金をよりお得にできる可能性が高まる部分でもあります。まずはNTTドコモの場合ですが、データ定額を安価にする上で重要なポイントは「家族で契約する」こと。その理由はデータ定額サービス「パケットパック」の違いにあります。
NTTドコモのデータ定額サービスは、1人で利用する場合は他の2キャリアと同様、使用したい容量に応じたパケットパックを選ぶ仕組みです。しかしながら家族で契約している場合は、親回線のデータ通信量を、家族の子回線と共有する「シェアパック」が利用できるのです。
シェアパックを選べば家族内で通信量をシェアできるため無駄が発生しにくくなるのに加え、どのシェアパックを選んでも余った通信量を翌月に繰り越せる、従量制の基本料金プラン「シンプルプラン」(月額980円)が利用できる、長期契約割引の「ずっとドコモ割」の値引き率が高いなど、多くのメリットが生まれます。またシェアパックを選んだ場合、子回線のデータ通信料は月額500円の「シェアオプション月額定額料」だけになるのもメリットといえるでしょう。
選択するパケットパックによってお得さが変わってくる点も、見逃せないポイントです。特に大きな変わり目となるのは、単身者向けの「データパック」で2GB、家族向けの「シェアパック」で10GBの容量を超える場合です。その場合、本来、データパックであれば通信量が5GBの「データMパック」(月額5000円)、シェアパックであれば通信量が15GBの「シェアパック15」(月額12500円)を選ぶべきなのですが、実はこれらのプランは1つ上のプランとの料金差が1000円しかないので、1000円をプラスしてより大容量のプランを契約した方がお得、という見方ができる訳です。
そうしたことから、データパックでは通信量が20GBの「ウルトラデータLパック」(月額6000円)、シェアパックでは通信量が月額30GBの「ウルトラシェアパック30」(月額13500円)を選んだ方が、コストパフォーマンスが高いといえるでしょう。さらに料金引き下げを考えているなら、指定の端末に買い替える代わりに、毎月月額1500円の値引きが受けられる「docomo with」を検討するのが吉です。
auは3GBを超えるなら大容量プランを
続いてauの場合ですが、こちらは現在主流のプランが、通信量に応じて通信料が変化する「auピタットプラン」と、大容量の「auフラットプラン」の2つに限られていることから、選択はもっと簡単です。具体的には、毎月の通信量が3GBを超えるか否かで、どちらを選べばよいかが決まります。auピタットプランで3GBを超え、5GBまで通信した場合の月額料金は4700円ですが、20GBの通信量が利用できる「auフラットプラン20」の場合は月額4720円と、その差は20円しかありません。
一見すると段階制のauピタットプランの方がお得なように見えますが、それはあくまで毎月の通信量が3GB前後のケースに限られます。毎月の通信量をチェックして、必ず3GBを超えているのであれば、auフラットプランにした方がお得だということは覚えておくべきでしょう。
ソフトバンクは大容量通信重視で
ソフトバンクの場合、基本プランによって契約できるデータ定額サービスが変化し、通話定額の「スマ放題」の場合は5種類、5分間定額の「スマ放題ライト」の場合は、「データ定額ミニ 2GB」(月額3500円)を除く4種類の中から選ぶ形となります。ソフトバンクもNTTドコモやauと同様、「データ定額ミニ 2GB」、もしくは通信量が1GBの「データ定額ミニ 1GB」(月額2900円)の通信量を超える場合は、その上の「データ定額 5GB」(月額5000円)を選ぶよりも、「ギガモンスター データ定額 20GB」(月額6000円)を選んだ方がお得感が高い傾向にあります。
そしてソフトバンクの場合、他社が30GBまでのプランしか用意していないのに対し、50GBの「ウルトラギガモンスター データ定額 50GB」(月額7000円)が用意されているのがポイントとなっており、毎月20GBを超えるデータ通信をしている、あるいは自宅に固定ブロードバンドを引いていない人などの場合は、もう1000円プラスしてこちらを契約した方が安心感が高いといえます。
またウルトラギガモンスター データ定額 50GBを家族で契約すると、「みんな家族割」が適用され、よりお得になります。これは、家族内に同プランを契約している人が2人いれば1回線当たり月額1500円、3人いれば1800円、4人以上いれば2000円が割り引かれるもの。最も安いケースで50GBを月額5000円で利用できることから、4人家族で全員の通信量が毎月2GBを超えるようであれば、こちらを選んだ方がお得といえます。
こうして見ると分かる通り、いずれのキャリアもたくさんデータ通信をする人向けのプランを手厚くし、あまりデータ通信をしない人向けのプランは充実度に乏しい傾向にあります。「毎月の通信量が少ないのでもっと料金を安くしたい」という人は、「ワイモバイル」などのサブブランドやMVNOへの乗り換えを検討することをお勧めします。
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