auピタットプランとは? 通信量に応じて料金が変わる段階制
auは2017年7月に、従来とは異なる料金プランの提供を開始しました。それは「auピタットプラン」と「auフラットプラン」の2つです。この2つの料金プランの違いは、主にデータ定額サービスの部分です。中でも特徴的なのがauピタットプランです。通常のデータ定額サービスは、5GB 、20GBといったように、その月使用するであろう通信量をあらかじめ選んで契約する形がとられていますが、毎月使い切れなかった場合は翌月に繰り越され、それでも使いきれなかった分の通信量は無駄になってしまいます。
ですがauピタットプランは、その月に使用した通信量に応じて、料金が変化する段階制の料金プランとなっています。基本プランに5分間通話定額の「スーパーカケホ」を選び、なおかつ2年間の契約をする代わりに月額料金を割り引く「誰でも割」を適用した場合を例に説明しますと、基本料やインターネット接続料などを含め、その月の通信量が1GBまでの場合は月額3480円と、かなり安く抑えることができます。
それ以降はデータ通信量が増える毎に月額料金が高くなり、2GBまでで4480円、3GBまでで5480円、5GBまでで6480円、20GBまでで7480円となります。ちなみに20GBを超えた場合は速度制限がかかり、再び高速通信をするには追加でデータチャージ(0.5GB当たり550円から)する必要があります。
そうした仕組みであることから、auピタットプランは毎月の通信量があまり多くない人、あるいは月当たりの通信量の変動が大きい人向けのプランといえます。ちなみにauは、auピタットプラン、auフラットプランの導入に合わせて、家族間以外の通話が従量制となる基本プラン「シンプル」(月額980円)を用意しており、シンプルとauピタットプランの組み合わせでは、通信量が1GB以下の場合、月額料金を2980円にまで抑えることが可能です。
ただ注意が必要なのは、固定ブロードバンド回線とのセット割引「auスマートバリュー」です。auピタットプランでauスマートバリューを適用した場合、通常は月額1000円の割引が受けられるのですが、データ通信量が2GBまでの場合は割引額が500円に下がるほか、シンプルで1GBしか利用していない場合、割引自体が適用されません。
auフラットプランとは? 大容量通信をする人向けのプラン
一方のauフラットプランは、毎月動画を積極的に視聴するなど、大容量通信をする人向けのプランです。20GBと30GBの2つのプランが用意されており、誰でも割を適用し、スーパーカケホを契約した場合、20GBで月額6500円、30GBで月額8500円となります。そしてauフラットプランは、他社の大容量プランと比べても料金が安いのが特徴です。例えばNTTドコモの回線を1人で利用した場合、先と同じ条件で20GBの通信量を実現するには、「カケホーダイライトプラン」(月額1700円)「spモード」(月額300円)「ウルトラデータLパック(20GB)」(月額6000円)の組み合わせで、合計8000円となりますし、ソフトバンクでは「スマ放題ライト」(月額2000円)と「ギガモンスター20GB」(月額6000円)の組み合わせで、やはり合計8000円となります。いかにauフラットプランが安いかが理解できるのではないでしょうか。
さらにauフラットプランは、auピタットプランと違ってauスマートバリューの割引額が減額されることもなく、対象者であれば毎月1000円の割引が適用されます。それゆえシンプルとauスマートバリューを組み合わせれば、月額5000円(6000-1000円)で20GBの通信が利用が可能です。
2つのプランの選択基準は「3GB」
では、一体auピタットプランとauフラットプラン、どちらを選んだらよいのかというと、その目安は「月額3GB」になります。というのも、スーパーカケホでauピタットプランを利用し、3GBを超えて5GBまで通信をした場合の料金は6480円と、auフラットプランの20GBのプランと差がたった20円しかなくなってしまうのです。20円しか違わないのであれば、毎月我慢して3GB未満に抑えるよりも、auフラットプランに変更してゆとりを持った通信をした方がストレスが貯まらず、快適に利用できるはずです。毎月の通信量を確認し、コンスタントに3GBを超えているようであればauフラットプランを、3GB未満であればauピタットプランを選ぶのがよいでしょう。
両プランを適用してスマートフォンを安く買うには?
一見他社の料金プランと比べ非常にお得に見えるauピタットプラン・auフラットプランですが、実は弱点もあります。それは通信料が安くなる代わりに、スマートフォン購入時の値引きが受けられないということです。NTTドコモの「docomo with」と同様、端末代の値引きを通信料の値引きに充てることで、料金を引き下げている訳です。それゆえauでiPhoneのような高額・ハイエンドのスマートフォンを購入するには、基本的に値引きなしの価格で購入しなければならず、非常に買いづらくなります。ですがそれではさすがに、ハイエンドスマートフォンを利用したい人達から敬遠されてしまいますので、auもそうした人達に向けた策をしっかり打っています。
それは「アップグレードプログラムEX」です。これはスマートフォンを48回払いで購入し、月額390円を支払う代わりに、2年間経過後に新しいスマートフォンに買い替えた後、分割払いの残債を支払わなくていいというものです。プログラムの継続的な契約が必要で、なおかつ買い替え時に古いスマートフォンがauに回収され、手元に残らないなどのデメリットはありますが、auで高額なスマートフォンを安く買いたい場合は契約必須のプログラムといえるでしょう。
ちなみにiPhone購入者専用のプログラムとして、端末を24回払いで購入し、12ヶ月経過後の買い替え時に残債支払いが不要になる「アップグレードプログラムEX(a)」(月額390円)も用意されています。毎年iPhoneの最新機種を利用したいという人は、こちらを利用するのがいいでしょう。
両プランでスマートフォンを安く買うのに必要となる「アップグレードプログラムEX」。月額390円支払い続けることで、48回払いのスマートフォンを24回払った時点で機種変更すると、残債の支払いが不要になる仕組みだ
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