男性が育児休業を取得するメリット
少しずつですが、相談の現場でも夫側が育休を取る方が増えてきました。そうはいっても、2016年度の厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率は、3.16%と低水準で、会社でも初めてというケースばかりで、夫婦共に色んな不安を抱えながらの取得となっています。あらためて育児休業制度についてお伝えしていきましょう。育児休業制度とは?
育児休業制度とは、男女の「仕事と育児の両立」を支援するための制度です。従って男女ともに取得する事は可能です。いつまで取れるの?
■子が1歳に達するまで(一定の場合は、最長で2歳)■父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間<パパ・ママ育休プラス>
また、産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても申出により再度の育児休業取得が可能<パパ休暇>になります。
育休の間、お給料はどうなる?
育児休業期間中、賃金が支払われないなど一定の要件を満たす場合には、「育児休業給付金」が支給され、休業開始時賃金の67%(休業開始から6ヶ月経過後は50%)が支給されます。育児休業給付金は非課税のため、所得税はかかりません(翌年度の住民税算定額にも含まれません)。また、育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除されます。給与所得が無ければ、雇用保険料も生じません。その結果、手取り賃金で比べると休業前の最大約8割となります。
参考:厚生労働省「育メンプロジェクト」
お給料が減っても家計は大丈夫?
男性が育休を取得する場合のひとつの不安要素に「収入減」があります。特に夫の収入で家計を賄っている場合、この不安は大きくなるでしょう。育休を取ることで、家計にどの位影響が出るのかは、金額でしっかり把握しておくことも大切です。出産後、赤ちゃんを抱えての生活は無理ができませんので、ある程度、貯蓄にゆとりが必要になります。生活が厳しくなる、貯蓄がほとんど無い状態なら、夫は育休はとらずに仕事優先と考えることも安定した生活を送るには大切な選択です。収入が減る分、貯蓄はいくらまで取り崩すことが可能なのか?といった具体的な金額で夫婦で共通認識しておくことがとても重要です。
育休の間に家計管理力を身に付けておきたい
育休の間は赤ちゃんのお世話に加えて兄弟姉妹のお世話と家事に追われ、クタクタになるでしょう。しかし、比較的自宅にいる時間も長いので、我が家の家計がどうなっているのか?と家計に関心を持ち、夫婦で家計管理力をアップさせて欲しい期間になります。この時期に、料理の腕を上げ節約レシピのバリエーションが増えればそれ以後の食費を大幅に減らすことが可能になります。そのように、節約力や家計管理力をアップさせながら、赤ちゃんの未来の教育費や家族のライフプランを考える良い機会にしてほしいです。育休をとったからこそ、得れる経験を仕事に生かす
キャリアアップという面から見ると一見、後退すると思われがちですが、育休をとったからこそ得れる経験を仕事に生かすことができれば、その後の飛躍もあるのではないでしょうか?数ヵ月も赤ちゃんのお世話をする経験というのは男性にとっては稀です。だからこそ女性や赤ちゃんの気持ちに寄り添うことができるようになれば、コミュニケーション能力のアップや、新しいアイデアが生まれたりと、仕事にも直結します。医療や保育に関わる仕事では具体的に実務に役に立つでしょう。また、会社初の育休をとったパパとしての経験を会社へフィードバックすることで、育休に関して悩んでいる社員と会社との潤滑油の役目を果たすこともできるでしょう。
赤ちゃんと過ごす時期は親としても本当に最高に幸せな期間です。そのような経験ができる男性はまだまだ稀です。だからこそ、復職後はこの貴重な経験を世の中の役に立つように生かすことができれば、男性本人も家族も、もっと幸せに豊かになるのではと思っています。