ニューヨークダウはあっという間に2万6000ドルに到達!
米国株は3週続伸と堅調に推移しました。年初に2万5千ドルへ到達したばかりのダウは、瞬く間に2万6千ドルも突破し、S&P500も初めて2800台に到達しました。半導体株が好調だったナスダックは日足ベースでも最高値で週を終え、3指数とも年初から3週続伸です。早くも大幅減税を含む税制改革の効果が出て来ており、今の株高の正当性を支えます。時価総額100兆円のアップルが発表した税制改革への反応は、一国の経済に影響するほと巨大なものです。同社はこれまで法人税を逃れて海外に溜め込んでいた27兆円を超える利益を米国に還流する計画です。これに対する一度限りの税として4兆円以上が国庫に入る一方、本来の税率からすればアップルはそれ以上の金額をセーブできます。そのセーブしたお金のうち4兆円近くを新たに米国内で事業投資し(データセンター・巨大社屋の建設、買収等)、新たに2万人を雇用すると発表しました。
ダウ構成銘柄のユナイテッドヘルス社(UNH)も決算発表で、節税によって投資拡大するとした上で、純利益も増えることから今期の予想利益ガイダンスを予想を超える大幅増益になるものとし、株価も力強く高値更新しました。その他、減税によって臨時ボーナスの支給や最低賃金の引き上げを行う企業も多く出てきています。
アップルはこれまで溜め込んできた利益を戻すことで、米国内での大規模なお金の使い道を示しましたが、今後毎年生まれる数兆円の利益に対しても、恒久的に減税効果が生まれます。もうアイルランドやオランダの子会社を使う複雑な税スキームによって海外に利益を溜め込む必要も薄れるでしょう。こうして毎年新たにセーブできるお金は、上の4兆円以上のさらなる使い道を見つけ難いと見られ、増配や兆円単位の自社株買いとなって株価を押し上げる可能性あります。
今後アップルやユナイテッドヘルスに続く企業が、決算発表の進むごとに出てくるでしょう。歴史的な税制改革は、経済成長や株式市場、雇用や賃金上昇に大きな好影響を及ぼすと思います。
経済成長率、企業収益拡大、雇用、景況感、物価、どれをとってもパーフェクトな数値のオンパレード
今は長期的な物価上昇期待が高まっています。減税効果によって直接的な賃金上昇が見られ、実質完全雇用の状態で大規模な雇用を採用すれば、さらに賃上げ圧力が高まります。資源価格、株価も上昇し、資産効果も出てきます。
結局、債券の反応は時期によって異なるもので、長短いずれも引っ張り合いながら、全体としては上向きの正常なカーブを保っており、反応タイミングの問題に過ぎなかったことが分かります。今は長期的な物価上昇期待が高まっています。減税効果によって直接的な賃金上昇が見られ、実質完全雇用の状態で大規模な雇用を採用すれば、さらに賃上げ圧力が高まります。資源価格、株価も上昇し、資産効果も出てきます。
通常国債と物価連動債利回りの差で計算したブレークイーブンレートは一段と上昇してきています。こちらも昨年3月水準並みの高さですが、10年債においては当時を大きく超えてきており、物価上昇期待が高まってきている事を示します。といっても2%少しの物価上昇期待ですから、FRBがターゲットとする適温です。
経済成長率、企業収益拡大、雇用、景況感、物価、どれをとってもパーフェクトな数値のオンパレードであり、株価上昇は当然の帰結に過ぎません。ただ短期に過熱感はあり、ダウ2万6千までの上昇ペースは想定以上のスピード、また昨年秋から殆どの週足で最高値更新を続けてきたことから、一旦(何ら本質的な理由もなく)自然に調整するとしてもごく普通の事です。調整したところは決して下落の始まりではなく、今年初めて訪れる押し目買い好機になると思います。
参考:米国株通信
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