株主優待/戸松信博オススメの株主優待レポート

冬のボーナスで買いたい!利回り6%超えの割安銘柄

タマホーム<1419>は注文住宅を核に、分譲事業やホテル運営など周辺事業を展開するハウスメーカーです。現金配当と株主優待を合わせた利回りは6%超となります。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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冬のボーナスで!7万円台で購入可能な利回り6%超の割安銘柄

タマホームは高利回り銘柄として注目ですが、業績も回復基調となっていることから考えると、利益成長に対する割安性も魅力的だと思います。

タマホームは高利回り銘柄として注目ですが、業績も回復基調となっていることから考えると、利益成長に対する割安性も魅力的だと思います。冬のボーナスで検討してみてはいかがでしょうか?


タマホーム<1419>は、注文住宅を核に、分譲事業やホテル運営など周辺事業を展開するハウスメーカーです。現金配当と株主優待を合わせた利回りは6%超となります。

「低価格高品質住宅」という新たな価値を住宅市場に投入することで、市場でのポジションを構築し、大体的な宣伝によって認知度を上げ、また郊外型展示場の全国展開によって、営業エリアを広げながら成長を遂げました。1998年に福岡で創業してから20年もたたないうちに業界6位の座についた成長企業です。

急成長を実現した競争力は低価格を実現していること。その背景には徹底した業務効率化、仕様標準化による大量仕入れ、直接施工管理などによるコスト削減などの企業努力があり、創業以来ウリとしてきた低価格高品質住宅を実現しています。最近では、同じような低価格商品を打ち出す業者も増えてきたため、同社は高価格商品や地域限定商品などの新商品を開発しています。

事業環境は良好で、雇用環境や所得環境の改善、個人消費の持ち直しの動きがつづく経済状況の中で、住宅ローンの低金利水準の継続や政府による各種住宅取得支援策が後押し。マイホームへの関心を持ちやすくなっている環境の中、持ち家の着工は底堅く推移しています。

このような中、足元の業績は好調で、17/5期には地域限定商品や低価格商品が好調に推移したことで黒字に復帰。18/5期も引き続き堅調に推移しています。通期も、豊富な受注残を背景とした引き渡し件数の増加や分譲の都心強化による増収を要因とした売上増が見込まれます。積極的採用による人件費増や、建設業界の技術者不足を要因とした外注費の増加などが予想されますが、増益は維持できると見られます。

高利回り銘柄として注目ですが、業績も回復基調となっていることから考えると、利益成長に対する割安性も魅力的だと思います。7万円台で購入可能ですし、冬のボーナスで購入を検討してみても良いかもしれません。

【銘柄名】タマホーム
【市場:コード】東証1部<1419>
【予想配当+予想優待額面利回り】:6.6%
【2017年12月8日株価】723円
【株主優待獲得最低投資額】 100株=7万2300円
【今期予想現金配当(1株あたり)】28円
【株主優待権利確定月】 5月末、11月末
【優待内容】クオカードや優待券等から選択

※詳しくは同社のHPをご覧ください。
※今回は100株を購入して3年以上保有し、年間で2000円分のクオカードを獲得したケースを想定しています。株主優待は2000円で評価し、利回り計算を行っています。

徹底的な効率化で低価格高品質を実現するハウスメーカー

タマホームは、独立型店舗・ショールームの全国展開や、テレビCMなどの大々的な広告宣伝による認知度向上など、積極的な集客戦略を続けてきました(2017年5月末:238店舗)。その結果、創業15年で東証一部へ上場を果たし、売上高1000億円企業、戸建住宅第6位に位置するまでに成りました。

積水ハウスや大和ハウスなどと比べて新しく小型のハウスメーカーが、ここまで成長できた競争力の源泉は何なのかというと、それは注文住宅として革新的な低価格を実現したことにあります。

同社の基本的な注文住宅の平均価格は1,750万円。坪単価でいうと、30~50万円です。これは、同業大手の6割程度に過ぎず、注文住宅では革新的な価格設定でした。「注文住宅は高くて手が出ない」という考え方を覆したのです。

同社は、創業当時から「良いものをより安く」をもモットーに、戸建て住宅市場に「低価格高品質住宅」という新しい価値を生み出した市場開拓者として、存在感を高めることに成功した企業と言えます。

問い合わせがあった時点から引渡しまでの徹底的な効率化

では、どうやって同業他社よりかなり低い価格を実現しているのでしょう。低価格化実現の背景には次のような企業努力があります。

  • 徹底された効率営業と効率施工によるコストダウン
  • 直接仕入れによる中間マージンのカット
  • 大量仕入れ(標準仕様を設定することで共通部材を大量発注)によるコストダウン
  • 工期短縮による人件費(大工の工賃など外注費)の削減
  • 郊外ロードサイド型展示場による経費節減

効率化と標準化を徹底化したビジネスモデルが低価格を実現しているのです。また、営業マンの育成にも力が入っています。同社では、一人の営業マンが多くの案件を担当することで、人件費削減や業務効率改善につなげているのですが、このために、営業マニュアルを作りこんで見積ルールを簡素化しています。

これを行うことにより、来場から成約までの期間を短縮しており、6割以上が2カ月で成約に至っています。担当者の少人数化と合わせ、原価を低く抑えていることも、低価格を実現できるポイントの一つです。

18年5月期は注文住宅の伸びや戸建て分譲の強化で増収増益の見通し

主力の住宅事業では、地域特性を生かした商品の販売エリアを拡大したほか、低価格帯ベーシックラインが好調に推移しました。低価格商品の好調で、一棟当たりの平均単価は下落しましたが、引渡棟数の増加がカバーし増収となりました。また、同社商品を購入して10年以上たった顧客へのリフォーム提案も効き、リフォーム事業も堅調に推移しました。

不動産事業では、戸建分譲の引渡棟数が減少しました。この背景には、職人不足を背景とした着工期間長期化の影響に対する懸念があります。一方、マンション販売は増収増益となりました。

金融事業は大幅増収大幅増益となりました。住宅火災保険の付保率上昇、住宅ローン手数料収入の堅調推移が寄与しています。エネルギー事業は、好天候が続いたことにより、メガソーラー発電施設の商業運転が好調に推移しました。

なお、主力の住宅事業の売上高が第4四半期(2-4月)に偏る傾向があることから、第1四半期の売上高は低くなります(一方、第一四半期末の受注残高は前期末よりも増加する傾向があります)。

注文住宅事業における豊富な受注残高をベースとした注文住宅の伸びに加え、戸建分譲の販売を都市部で強化することで不動産事業の拡大が見込まれます。一方、積極採用による人件費の増加が予想されますが、増収効果でカバーし、引き続き増益が続く見通しです。

営業利益率が前期比0.1ポイント低下しましたが、これは注文住宅事業における販売単価下落(低価格住宅の販売構成比増)や新卒採用数増(2017年4月は前年比200名増の300名を採用)に伴う人件費の増加と上昇、また外注費の増加を見込んでいるためです。

タマステップ2018~商品ラインナップ拡充による顧客層の拡大~

中期経営計画において取り組んでいる戦略が、「顧客層の拡大」です。平均価格1,750万円という低価格をウリにしてきた同社ですが、ここ数年でさらに安い価格を打ち出すハウスメーカーが増えてきたこともあり、競争に勝てる差別化した新たな商品を考え出しています。

具体的には、地域限定商品(16/7月-17/7月:地域でのシェアを拡大する狙い)や、3500-4000万円の高価格帯商品(17年5月~:顧客層の拡大を狙う)の販売があります。

また、顧客層の拡大を狙ったものでは、逆にベーシックラインという1,000万円という低価格商品も開発しています(2015年~)。これが好調で受注を伸ばしており、成長ドライバーとなってきています。

低価格帯のベーシックラインの伸びをけん引役に、引渡し棟数で戸建て分譲含め住宅販売8,359棟を計画しています。戸建住宅の年間着工戸数はここ数年、40万戸程度で推移しており、同社のシェアは2%となります。2%といっても、戸建て住宅市場は工務店などが乱立しており、大手10社を合計しても8万戸程度に過ぎません。十分シェアを取っていく余地があります。

実際、地域限定商品や低価格帯商品が好調であることから、順調に進捗していると思われます。中でも、地域限定商品は、注文住宅販売棟数の3割弱を占めるほどの進捗を見せました。住宅事業は注文住宅事業における引渡棟数の増加を通じて、そして不動産事業は戸建分譲住宅の取組み強化を通じて増収増益を目指すとしています。

また、低価格良質住宅を中心として注文住宅事業を強化するとともに、不動産事業の拡大、リフォームなどの周辺事業の強化を進めています。足元ではリフォーム事業が順調に伸びているほか、前期にオープンした「タマディアホテル羽田」が好調な滑り出しとなっており、将来的にはビル再開発によるホテル運営やホテル運営の受託事業も計画が進められています。

低価格だけをウリにしない差別化戦略、高利回りな株主還元策を評価

これまで、低価格をウリに成長してきた同社ですが、17/5期は、低価格だけを戦力としない差別化戦略が奏功したと見られます。地域シェアの拡大を狙った地域限定商品などの好調が寄与しました。18/5期も引き続き、豊富な受注残を背景とした引き渡し件数増による増収増益の見通しとなっています。また顧客層の拡大をねらった高価格商品の販売も開始したほか、ホテル事業の拡大などの成長寄与も期待できるところです。

2018年8月末時点の財務内容は、自己資本比率13.6%、有利子負債が321億2300万円と、自己資本の2.8倍になりますが、キャッシュが厚く現金等に210億7500万円あります。これを差し引いたネットDEレシオは0.94倍となり、経営面に問題はなさそう。業績の改善とともに経営指標は改善しており、営業利益率は1.3%から2.5%に、ROEは16/5期の-3.3%から17/5期には6.6%まで急改善しています。

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。

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