一眼交換レンズを逆さに取り付けると拡大撮影ができる
レンズを逆さに取り付けるには、リバースアダプターが必要です。リバースアダプターとは、レンズの前面に取り付ける側とカメラのマウントの取り付ける側がついているレンズアダプターです。
リバースアダプターをレンズの前面につけたら、そのままカメラ本体のマウントに取り付けます。今回使用しているのは、ニコン製の「BR-2A」というリバースアダプター。このアダプターの口径は52mm。
違う口径のレンズを取り付けるときは、口径サイズを調整するステップアップ、またはステップダウンのアダプターを使用します。
また、レンズを逆さに取り付けるためレンズの後玉が前面にきます。後玉がむき出しになってしまい、傷や汚れが付く可能性もあります。それを防ぐために後玉に保護用フィルターを取り付けるためのアダプター、「BR-3リング」もニコンからは販売されています。
レンズの焦点距離が短いほど拡大して撮影できる
それでは、レンズを逆さに取り付て撮影していきます。ここではニコンの43-86mmのズームレンズと24mmの短焦点レンズを用意しました。
リバースアダプターを使用したときの注意点をいくつか挙げておきます。
電気接点はリバースアダプターでは接続できないので、ピント合わせや絞り値の設定などはすべて手動になります。また絞りリングがついているレンズは絞り値を設定できますが、キヤノンEOSレンズやニコンGタイプレンズでは変更することはできません。
絞りリングがないレンズでは最も絞り込んだF値で撮影することになります。また、レンズを絞るほどファインダー像は暗くなっていきます。ピント合わせは絞りの開放値で行うのがスムーズです。F値を絞って撮影するときは、シャッター速度が遅くなるので三脚を使うのがお勧めです。
レンズの焦点距離が短いほど、高倍率に拡大して撮影することができます。望遠レンズでは拡大撮影の効果がないので、広角レンズから標準ズームレンズなどが使いやすいでしょう。ズームレンズであれば広角側にするほど被写体との撮影距離が短くして撮影ができます。
撮影倍率はレンズにより異なり、一例ではニコンのBR-2Aの説明書によれば、Aiニッコール24mm/F2.8のレンズを付けた時の撮影倍率は2.5倍と明記されています。
ピント合わせは、被写体とのレンズの距離で合わせます。レンズを前後に動かしてピント合わせをするスタイルです。カメラの露出モードは、絞り優先モードまたはマニュアルモードで撮影して、画像を液晶画面で確認しながら微調整していきます。
では、これらの準備をしたうえで撮影した画像をご覧ください。
なおレンズによっては逆さに取り付けられない機種もあります。事前に各自でのご確認をお願いします。
マクロレンズを使わずにできる拡大撮影、使用しているカメラの機種に使えそうなレンズがあれば一度お試しください。