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街乗りにも最適な新型アドベンチャー・Vストローム250

2017年7月6日、スズキのアドベンチャーファミリー、Vストロームシリーズに新しい兄弟、Vストローム250(V-Strom250)が加わりました。GSX250Rと同じエンジンを搭載しつつも、セッティングを変えることで更なる軽快さを手に入れています。Vストローム兄弟の末弟の走行性能はどうか?街中を走ってインプレッションします

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

Vストローム兄弟の末弟 Vストローム250

Vストローム250undefinedフロントビュー

Vストローム250 フロントビュー


以前からスズキはアドベンチャーバイクとして、Vストローム650(V-Strom650)とVストローム1000(V-Strom1000)という二台のバイクを販売していました。この二台はスズキが販売するV型二気筒エンジンを採用した排気量の異なる兄弟車両でしたが、当初はキャラクターの異なるデザインを採用していました。
 
Vストローム650

Vストローム650

Vストローム1000

Vストローム1000



2017年モデルからバイクの顔ともいえるヘッドライトのデザインなど共通になり更に兄弟車両のイメージが強くなりました。このタイミングで投入されたのが新しい「弟」Vストローム250(V-Strom250)です。お兄さんがV型2気筒エンジンを採用しているのに対して、Vストローム250は並列2気筒エンジンを採用しています。Vストロームの「V」はV型エンジンのVじゃなかったのか?と思ったのは私だけではないはずですが、見た目は同じデザインコンセプトが採用されていることがハッキリとわかります。
 
こちらはGSX250R。Vストローム250のエンジンはGSX250Rと共通

こちらはGSX250R。Vストローム250のエンジンはGSX250Rと共通


エンジンはスポーツバイクGSX250Rと共通のエンジンを採用しており、ある意味でこちらも兄弟車両と言えるかもしれません。排気ガス規制の問題でスズキの250ccラインナップもかなりカタログ落ちしていますが、新しくラインナップに加わったVストローム250の走行性能はどうか?一週間都内の通勤で試乗してインプレッションします。
 

GSX250Rより値段はちょっと高くなったがVストローム250の装備は充実した

Vストローム250undefinedサイドビュー

Vストローム250 サイドビュー


Vストローム250のお値段は57万240円。GSX250Rが52万7040円なので若干高くなっている印象を受けますが、快適に走るための装備は色々追加されています。
 
Vストローム250のメーター左下にはDCソケットが装備されている

Vストローム250のメーター左下にはDCソケットが装備されている


まずDCソケット。今やロングツーリングにはスマホナビが必須。一般的にハンドルやミラー基部にスマホをマウントする為のホルダーを装着しますが、Vストローム250のDCソケットはメーター左下についているため充電がしやすそうです。
 
Vストローム250のアルミリアキャリア

Vストローム250のアルミリアキャリア


次にアルミのリアキャリア。Vストローム250はリアシートも広めなのでリアキャリアとリアシートを使って荷物を積めばかなりの量を積み込むことができそうです。ただVストローム250のリアキャリアには残念な点があります。一般的なリアボックスは穴位置が合わないので取り付けができないのです。オプションのリアボックスを装着しようとするとトップケースプレートが別途必要になり、2つのパーツを足すと3万3480円(税込)。かなり高くなってしまいます。
 
風防効果も高いVストローム250のナックルガード

風防効果も高いVストローム250のナックルガード


Vストローム250のハンドルにはナックルカバーが装備されています。元々はブッシュガードともいわれ、山の中を走る際に木の枝などで手を傷つけないようにする為のものでしたが、最近では防風効果を求めて装着することが多いようです。
 
ツーリング時の強い味方undefinedウインドスクリーンは標準装備

ツーリング時の強い味方 ウインドスクリーンは標準装備


ヘッドライト上にはウインドスクリーンが垂直に近い角度でマウントされており高い風防効果を発揮しています。試乗中に小雨に降られる事が何度かあったのですが小さいスクリーンながら雨を防ぐ効果もありました。センタースタンドも標準装備。メンテナンス性が向上しています。
 

Vストローム250の足つき性は?

シート高は800mm。アドベンチャーバイクとしては決して高くはありませんが、思っていたよりもサスペンションは固め。バイクに跨ってもそれほど沈みこまないので足つき性はバツグンに良いわけではありません。車重も250ccクラスとしては重めの188kgなので小柄な女性だと少し不安を感じるかもしれません。ただスプリングの初期沈み込み量を調整するプリロードが変更できるので多少は改善できそうです。
 

Vストローム250はGSX250Rと比べて軽快に走る

Vストローム250undefinedリアビュー

Vストローム250 リアビュー


Vストローム250とGSX250RにはJ517という型式の4サイクル二気筒エンジンが搭載されていますが二台を比較するとVストローム250の方が10キロほど重くなっています。GSX250Rの試乗の際に極低速時のトルクの無さを感じていたので不安に思っていましたが、走り出してみるとVストローム250の方が軽快に加速しました。

この2台全く同じエンジンが搭載されているわけですが、Vストローム250の方が加速重視のギアセッティングになっているのです。ツーリングや街乗りがメインになることが想定されるアドベンチャーバイクなので走り出しが軽快なのは好印象。GSX250Rよりも街中では扱いやすく感じるでしょう。

ハンドルはアップポジション。シートポジションとの兼ね合いもあり身長が低いライダーでも余裕がありそうです。サスペンションは前後とも若干硬めでストローク量も決して大きくありません。ダンパーも少し効かせて欲しかったところです。
 
Vストローム250のシートを外すとサスペンションの頭が見える。この部分でプリロードの調整が可能です

Vストローム250のシートを外すとサスペンションの頭が見える。この部分でプリロードの調整が可能です


何度か試乗した後にリアサスペンションにプリロードがかかっていたので、セッティングを変えたところかなり乗りやすくなりました。Vストローム250のサスペンションに硬さを感じる方はプリロードのセッティングを変えることをオススメします。
 

Vストローム250は街乗り・ツーリングには最適な1台

Vストローム250のタンク容量は17L。250ccクラスとしては大き目のタンクが採用されており、スペックだけ見れば満タンにすれば500kmは無給油で走れる計算となります。正確な燃費を測ることはできませんでしたが、かなり燃費は良い印象でした。

そのため、長距離を走るには頼りになる相棒となりそうです。絶対的なパワーを追求していないので燃費に優れており、車重が重いこともあり直進時の走行安定性も高いです。オプションのリアボックスやパニアケースをつければ無敵の積載能力を誇り、キャンプ道具を入れてキャンプに行くのも楽しそうです。

エンジンは非常に扱いやすく、ポジションも楽なので街中の走行にも適しています。250ccクラスはスポーツバイクが流行りということもありピークパワーが求められる傾向がありますが、Vストローム250はそういった車両とは異なるコンセプトのバイクといえます。

スペックだけ見比べるとパワー的に見劣りしてしまいますが、裏を返せば前述したように燃費がよく扱いやすいということ。スポーツ走行に重きを置くのではなくのんびりとツーリングをしたり街中を走ったりすることを重視するのであれば他のバイクに比べても優れているといってよいでしょう。
 

Vストローム250をちょっとカスタムするなら


Vストローム250にリアボックスを装着しようとすると穴位置が合わずに装着する事ができないので別途ステーが必要になります。いくつか製品が販売されていますがコスパに優れた製品はこちら。シンプルな構成ながらしっかりとリアボックスを装着する事ができます。
 
Vストローム250のスクリーンを高い位置にオフセットしつつ、スマートフォンをメーターの上側の見やすい位置に装着する為のブラケットがデイトナからリリースされています。スマホナビを使う方やツーリングに行くことが多い人にはお勧めの製品です。
 

Vストローム250関連リンク

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