教育費、いくらをどのように貯めていけば良い?
子どもの教育方針を尋ねると、多くの親御さんが、「できるなら大学まで進学させたい」と大学進学を希望されます。現実的にも、大学までいかなくても短大や専門学校を含めたら高校卒業後にどこかに進学する生徒が8割と言われます。従って、子どもを授かった時から、「教育費がかかる」事を想定しお金を貯めていくのも親の務めですね。それでは、いくら位のお金をどのように貯めていけば良いでしょう。
子どもひとりにつき最低300万円は貯めよう!
現在、0歳~中学卒業までは児童手当が支給されており、それらを全額貯めていけば200万円にはなります。これにお祝い金やお年玉等を足していけば300万円というお金は決して無理な金額ではありません。また、学資保険等で満期金300万円で設定すると約14,000円前後です。もし子どもが2人いたら学資保険料だけで3万円近くになります。一般の家計から毎月払える保険料となればこの位が限界とも言えます。頑張って500万円貯めようと思えば毎月23,000円程で2人いれば46,000円。貯めるべきお金は教育費だけではありませんので、教育費だけで考えれば300万円が無理のない設定金額ではないでしょうか。
教育費を貯めよう
「学資保険」という商品が品薄?魅力薄?
少し前までは学資保険で貯める方が一般的でしたが、今はマイナス金利の影響で「学資保険」という商品自体、販売停止又は返戻率の低下(保険料値上げ)になっている保険会社を多数ある状況なので、学資保険で貯めるのも難しい状況です。返戻率が高いことで有名なソニー生命の学資保険も11月2日に内容変更が決まり、他社同様に販売停止・返戻率の大幅低下が想定されます。最近は米ドル建て商品が流行ってる?
円建ての商品が品薄&魅力薄という事で流行ってきたのが、「米ドル建て」の商品です。例えばソニー生命の「米ドル建養老保険」やメットライフの「ドル建て終身」を子どもの大学進学時に満期に合せ、教育費を貯めていくという方法です。金利の低い「円」ではなく、円よりは金利の高い「米ドル」で貯めていきましょうということですね。外貨建て保険商品は資産運用のひとつとして利用するのが鉄則
米ドル建てや豪ドル建てといった外貨建て商品の最大のリスクは「為替リスク」です。ドルが円安になれば毎月の保険料は高くなり、満期金も想定していた金額を下回る可能性があります。反対に円高になれば、毎月の保険料は下がり、満期金も想定より増える可能性があります。資産運用の知識と経験が豊富で、家計に余裕があるなら、ドル建て商品は利用価値が高いでしょう。しかし、資産運用の知識も経験もない、家計に余裕もないならばオススメできません。
なぜならば、想定していた満期金より大幅に少なかった場合、困るのは子どもです。そもそも教育費は、このように経済状況の変化に右往左往されるべきものではありませんね。保険といえども外貨建ての商品は資産運用のひとつとして利用するべきで、そもそも資産運用はなくなっても困らないお金で始めるのが鉄則だという事を忘れてはいけません。
資産運用を始める前に知っておきたい5つの心得
■リスクを取るなら老後資金で
外貨建ての保険商品に興味があるなら、教育費ではなく、老後資金の貯めるつもりで始めてみましょう。教育費は18歳までと期間が限定されますが、老後資金なら期間も長くとれ、満期の時期に円高になったとしても、また円安になるまで据え置くことができるなど出口戦略があります。
現金で貯めている人は個人向け国債を活用しよう
学資保険が品薄&魅力薄ということで現金で貯めるケースも最近は増えてきたように思えます。しかし、現金で貯める事にも実はリスクが伴います。それは「使いやすい」ということです。子育て世代は消費意欲も高く、子どもの成長に伴い支出がどんどん増える時期です。現金で貯めていると、いくら貯まったのか分かり、使おうと思えばすぐに使えるので、ついつい、マイホームの頭金や車代の頭金といった事に使ってしまう事になりやすいのが最大のリスクです。【関連記事をチェック!】
将来後悔しない住宅ローンと教育費のバランス
従って、50万円、100万円とある程度貯まってきたら個人向け国債に替えるようにしましょう。個人向け国債の良い点は、元本割れの心配がなく、安全性が高いことです。お金を使いやすい所に置いておかないのも家計を守るひとつのテクニックで、その為にも個人向国債は使いやすい商品と言えます。
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FPであり母親である私が思慮した結果
私自身、小学生2人を持つ母親ですが、学資保険と個人向け国債を利用し教育費を貯めています。個人的には資産運用は大好きでなので、外貨建て保険商品を始め、投資信託、外貨建て債券、ジュニアNISAと色々と思慮しましたが、「教育費は確実に貯めたい」という思いが勝り、結果的に学資保険と個人向け国債に落ち着きました。教育費においては積極的に増やす努力より、こつこつと貯めたものを減らさないようにする事のほうが大切な事なのではと思っています。【関連記事をチェック】
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