家計簿・家計管理/家計管理の注意点、落とし穴

貯金の天敵は「詐欺」?1件あたりの被害額は?

30年かけて貯めても、詐欺被害にあったら一瞬で全てを失うかもしれません。被害にあわないよう日頃から注意するとともに、詐欺被害の現状も確認しておきましょう。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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30年かけて貯めた1千万も詐欺被害にあえば1日でなくなる

お金を貯めるには、「収入を増やす」「支出を減らす」「運用して増やす」等の方法があり、適切な方法で実践していれば、いつかはまとまった額のお金が貯まっているはずです。しかし、せっかく貯めたお金も、詐欺被害にあえば一瞬で全てを失ってしまう可能性もあります。若い人なら失ったものを挽回するチャンスは、時間的にはまだありますが、高齢者はそうもいきません。如何に被害にあわないようにするかは、お金を貯めるための最も大事なポイントと言えるかもしれません。

特殊詐欺(振り込め詐欺等)の被害総額は実に408億円!

警察庁の「特殊詐欺認知・検挙状況等(平成28年・確定値)」から、振り込め詐欺等の特殊詐欺の被害額を調べてみました。
特殊詐欺の被害総額の推移

特殊詐欺の被害総額の推移

資料:警察庁特殊詐欺認知・検挙状況等(平成28年・確定値)

特殊詐欺とは、「面識のない不特定者に対し、電話等の通信手段を使って預貯金口座への振込み等により、現金等をだまし取る詐欺」の総称で、細かくは下記の8つに分けられます。
  1. オレオレ詐欺
  2. 架空請求詐欺
  3. 融資保証金詐欺
  4. 還付金等詐欺
  5. 金融商品等取引名目の詐欺
  6. ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺
  7. 異性との交際あっせん名目の詐欺
  8. その他の詐欺
このうち1~4をまとめて振り込め詐欺と言います。

平成28年の1年間で振り込め詐欺等による実質的な被害総額は408億円にもなっています。平成26年の566億円からは2年連続で減っていますが、5~6年前と比べると、まだまだ高水準と言えます。

平成28年の被害額で手口別に大きいのは、オレオレ詐欺(167億円)、架空請求詐欺(158億円)の順で、この2つで特殊詐欺全体の8割を占めています。

オレオレ詐欺は、親族や警察官、弁護士等になりすまして電話をかけ、会社の損失補てん等を名目に、現金を預金口座から指定先へ振り込ませてだまし取るような詐欺のことです。対策を講じてはいるものの、被害額は10年前と大して変わっていません。

架空請求詐欺は、メールや郵便で架空の料金を請求する文書を送って、現金を指定先へ振り込ませてだまし取るような詐欺のことです。平成26年に被害額が100億円を超え、平成27年まで2年連続で被害額が最も多かった詐欺です。

1件当たりの被害額は308万円

平成28年の特殊詐欺全体の認知件数は14,154件(未遂を含む)で、平成22年(6,888件)から6年連続で増えています。1件当たりの被害額は308万円(未遂を含まず)で、前年からは70万円(18.5%)減っています。被害総額や1件当たりの被害額は減っているけれど、認知件数は増えているので、以前と比べたら手口が小口化しているようです。


一生懸命頑張って貯めた300万円が、詐欺被害にあって一瞬で無くなってしまったら、ショックで何もする気がなくなってしまいそうです。被害にあわないためにできる限りの対策をしておきましょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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