恋愛・婚活サービスは10年でどう変わった?

恋愛・婚活サービスは10年でどう変わった?

2017年も恋愛・婚活関連サービス市場で、各企業・行政機関および地方自治体によるさまざまな活動があり、新しいサービスが展開されてきました。男女の恋愛は不変のものですが、男女が出会う方法や手段は、時代によって変化します。

恋愛サービスの種類は、大きく2つに分けられます。まずは、リアルの出会いを提供する恋愛サービス(以下、リアル系サービス)では、恋活・婚活パーティ、街コン、相席系居酒屋・ラウンジなどが挙げられます。

一方、インターネット上での出会いを提供するサービス(以下、ネット系サービス)では、出会い系サイト、婚活サイト、マッチングアプリなどが挙げられます。今回はまず、リアル系サービスに絞って、出会いの手段の変遷を振り返りました。


トレンドはどう変わった? リアル系サービスの注目度

まずは、リアルの出会いを提供するサービス各種(婚活パーティ/街コン/相席屋)の直近10年間(2008年7月30日~2017年7月30日)における各ワードの人気度動向です。
リアル系出会い方法の変遷

リアル系出会い方法の変遷


Googleトレンドは、キーワードやトピックの検索回数トレンドを確認するWebツールです。上記は、そのGoogleトレンドでの検索結果。期間は2008年7月30日~2017年8月30日、検索範囲は日本。つまり、この10年、日本でそれぞれの言葉がどれだけ検索され、どれだけ関心を持たれたかという変遷が分かるということです。

これらをベースに、それぞれの項目を、サービスを提供する企業の情報やガイドの経験値を交えて考察していきましょう。


■実は今も開催件数を増やす、趣味コンを含む「婚活パーティ」

前述の図表で「青」のグラフが示すのが、婚活パーティや恋活パーティです。今回の3つの中では一番歴史が古く数十年の歴史がありますが、出会いの場としては根強く、じわじわと上昇していて、近年も各社が開催件数を増やしています。

婚活パーティは今も増えている

婚活パーティは今も増えている


婚活パーティで9年連続総参加人数ナンバーワンである、株式会社エクシオジャパンが運営する婚活パーティブランド『エクシオ』は、2016年に46万2108人を動員。株式会社シャン・クレールが運営する、設立23年となる老舗の『シャンクレール』は2016年に42万2836人を動員し、前年比10万人以上増加しています。上場企業となった株式会社IBJも、上場前の2001年から、婚活パーティーサイト『PARTY☆PARTY』によるイベント事業を開始しており、2016年には50万人以上を動員しました。

まずサービス内容はというと、真剣に恋人やパートナー・結婚相手を求める男女が、ダイニングバーなどの会場に集まって、直接コミュニケーションし、交際相手を見つけるパーティです。10人から多くても数十人程度の規模が中心です。

基本的な形式は、参加者一人一人と順に話をするオーソドックスな「1対1形式」、合コン形式で開催される「合コン形式」がメインですが、今では参加者の興味関心を引き、マッチング率を上げるために、様々な趣向を凝らしたパーティ(趣味コン)が開催されるようになりました。たとえば、バスツアーやスポーツイベント、趣味の集まりなどイベント形式のものも増えており、各事業者はパーティのコンテンツで差別化を試みている状況です。

一方で、婚活パーティや恋活パーティ(趣味コン)の開催件数が増加するにつれて、参加者の人数確保や男女比の維持、開催数が増えることで会場や飲食物などを含めた「質の担保」が難しくなってきており、参加者の満足度が下がる傾向も見られています。

現在、パーティ事業者にとって、パーティ自体の質の向上、参加者の確保が大きな課題になっています。


■開催されなくなった「街コン」

前述の図表で「赤」のグラフが示すのが、街コンです。短期間で急激に注目されますが、トレンドワードとしては横ばいとなっています。

街コン系の発祥は、2004年に栃木県宇都宮市で開催された「宮コン」とされています。「数百人~数千人の男女が、その“街”の複数の飲食店を自由に移動して飲み食いしながら出会う」というのが本来の街コンの特徴だったのです。そして、この「宮コン」を進化させる形で全国各都市にて開催されるようになり、2011年~2013年頃までは「街コンブーム」といえるほど数多く開催されていました。しかし、現在では数百人規模で複数の店を行き来する、本来の街コンはほとんど開催されていません。飲食店の店舗で開催される、いわゆる婚活パーティの一部も「街コン」と呼ばれるようになり、形骸化していますが「街コン」という名称自体は一般化され日常的に使われています。

大規模の街コンが壊滅してしまった理由は、複数点考えられます。

当初、運営者側は飲食店に対して、アイドルタイムの活用、およびリピーターの獲得などを誘い文句に協賛を依頼してきましたが、実際のところ、飲食店にとってはメリットが少なかったことが一つ。街コンに協力するより、飲食店自らが出会いの場を提供するほうが利益を生み出せることが判明し、後述の「相席系居酒屋」や「相席系ラウンジ」の登場につながっていきます。

もう一つは、街コン自体のクオリティの低下による参加者離れ。
事業の参入障壁が低いため、街コンの名を付けたイベントを開催する主催者が増えて、同日に同じような場所で開催する街コンの名を付けたパーティが急激に増え、参加者が分散しました。

また、粗製乱造された街コンの中には、食事や飲み物などの質が悪かったり、男性の参加者が圧倒的に多かったりなど、男女比がいびつなものが多く見られるようになり、その結果、参加者の満足度が低下し、街コン離れに拍車をかけることとなりました。


■新たなジャンルが登場「相席系居酒屋・ラウンジ」

前述の図表で「黄色」のグラフが示すのが、相席系居酒屋・ラウンジです。グラフ上でもつい最近盛り上がってきたジャンルであることがよくわかります。

女性無料の相席系居酒屋は新ジャンルとして店舗拡大中

女性無料の相席系居酒屋は新ジャンルとして店舗拡大中

もともとは、相席系ラウンジのほうが先に作られました。2011年にオープンした『JIS』、そして、『オリエンタルラウンジ』が老舗と言われています。サービスはいずれもラグジュアリーなラウンジで男女が相席し、会話を楽しみます。基本的なシステムは、女性は食事・飲み物は無料、男性はタイムチャージによる課金です。

その後、相席系居酒屋のブームを作ったのは、株式会社セクションエイトが運営する『相席屋』。2014年3月に赤羽に第1号店がオープンして以来、一気に店舗数が増加し、現在は全国各地に60店舗以上が展開されています。
相席系居酒屋・ラウンジも競争が激化しており、利用者の層やニーズに応えるために、イタリアンバルやバーのような形態の店が現れるなど、新たなジャンルや業態の店舗が次々と登場しております。今後も、利用者の関心を維持するための新しいコンセプトや店舗企画が出現するものと予想されます。


名称は変わっても、リアルでの出会いは弱肉強食であることは変わらない

恋活・婚活パーティ、街コン、相席系居酒屋・ラウンジなどのリアル系サービスの変遷については以上です。

共通点としては、まず第一印象でほぼ結果が決まってしまうので、対面のコミュニケーションが得意でない人には、あまり向いていません。恋活・婚活パーティと街コンには年齢制限があり、男女共に40歳を超えると参加できるものすら激減します。

今後も、サービス名称や仕組みは時代に合った内容に変わっていきますが、いつの時代でも見た目やコミュニケーション力が勝っている人が勝つ弱肉強食の世界なのは変わっていません。

そんな中、リアルなコミュニケーションを取らなくても簡単に気軽に出会えることで、一気に普及したのがインターネット系サービス(婚活サイト/マッチングアプリ)になります。

次回は、インターネット系サービス(出会い系サイト/婚活サイト/マッチングアプリ)について解説していきましょう。
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