株主優待/9月権利確定のおすすめ株主優待銘柄

株価上昇!マクドナルドの株主優待は本当にお得?

マクドナルドと言えば株主優待の人気銘柄です。ただ、株価は大きく上昇しており、株主優待の利回りは下がってきています。そこで、マクドナルドの株主優待は本当にお得なのか、改めて検証してみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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株価上昇!マクドナルドの株主優待は本当にお得?

株価上昇!マクドナルドの株主優待は本当にお得?

株価上昇!マクドナルドの株主優待は本当にお得?

日本マクドナルドホールディングス(東証ジャスダック:コード2702)は言わずと知れた国内最大のハンバーガーチェーン「マクドナルド」を運営する飲食業大手です。マクドナルドと言えば株主優待の人気銘柄です。実際のところ株価も絶好調で上場来高値に迫る勢いです。ここまで株価が上昇したマクドナルド、株主優待が本当にお得なのかを検証してみたいと思います。まずは同社のデータです。

【銘柄名】日本マクドナルドホールディングス
【市場:コード】東証ジャスダック<2702>
【予想配当+予想優待額面利回り】:2.9%
【2017年9月2日株価】 4910円
【株主優待獲得最低投資額】 100株=49万1000円
【今期予想現金配当(1株あたり)】 30円
【株主優待権利確定月】 6月末、12月末
【優待内容】優待食事券
1冊にバーガー類、サイドメニュー、飲物、3種類の商品の無料引換券が1冊になったシート6枚
100株・200株1冊
300株・400株 3冊
500株以上 5冊
※詳しくは同社のHPをご覧下さい。

※今回は100株を購入し、年間で優待食事券を2冊貰ったケースを想定しています。1冊を4080円として評価し、利回り計算を行っています。

2期連続の大赤字に陥いるもその後、完全回復

マクドナルドは1971年に、藤田田氏が米マクドナルドよりフランチャイズ権を獲得したことで創業。日本にハンバーガー文化を根づかせた企業として広く知られ、ハンバーガーの国内シェアは60%に及ぶと言われます。

2000年頃までは破竹の勢いで規模を拡大してきたものの、2000年代に入ると牛海綿状脳症を原因に消費者はハンバーガーを避けるようになったなどの逆風で客が離れ、2014年、2015年には中国食肉加工工場の消費期限切れ鶏肉使用の発覚、異物混入問題と、相次いで不祥事が発生したことで客足は更に遠のき、2期連続の大赤字に陥りました。

しかし、不採算店舗の閉鎖をはじめ、ブランド強化や販促キャンペーン、新商品の連続した投入、アプリの活用などの取組が奏功。足元の業績に表れており、客足は20ヶ月連続で伸び増収を継続し、今期の見通しは2度も上方修正されています。経営は完全に回復したと言えると思います。

月次動向も好調を継続。ユニークな販促で注目集める

月次動向を見ると、2015年12月からプラスに転じ、移行、2017年7月まで20カ月連続で増収となっています。ちなみに7月は売上高が前年同月比10.5%増(既存店だけでも10.9%の伸び)、客数が13.8%増(客単価は2.6%マイナス)でした。

7月の好調はハワイ観光局から得てロコモコバーガーを提供したことやKDDIと提携してauの三太郎キャンペーンでチーズバーガー無料キャンペーンも客足を集めた模様です。既存店売上高、客数がプラス推移しているところを見ると、業績が好調であることがわかります。この調子で、8月もマックシェイク「モモ&モモ」やマックフルーリー「ブラックサンダー」、ハンバーガーの東西対決などが奏功しそうな感じがします。

同社の販促を見ているとお客を飽きさせない商品展開や、参加型イベントなど、ユニークな工夫が目に留まります。例えば2016年のポケモンGO日本上陸に合わせた取り組みもそうですが、直近ではハンバーガー総選挙やこの8月に開催される「“マック”か“マクド”」の東西呼称対決など、常に話題を提供していることが分かります。

こうした取り組みが奏功し、足元の業績は好調。17年12月期は、過去最高益となる見通しとなっています。完全回復の様そうですが、カサノバ社長は「税負担の減少や特別利益の計上の効果もあるため完全回復ではない」とし、つまり、伸びしろが残されていることを強調しています。

業績は完全に回復と見られ、財務基盤の改善も伴っている

販促キャンペーンや味の改良、お客を飽きさせない新商品の入れ替えなどが奏功し、客足が戻ってきました。一時はどうなることかと思う時期もありましたが、2015年12月から20カ月連続の増収となり、経営危機から完全に回復したと見てもいいと思います。

収益性については、16年12月期の粗利益率は同業他社中央値の58.3%に比べ、13.8%と低い水準ですが、前年の1.0%に比べると大幅によくなっています。同様にROEも5.9%と低水準(同業中央値は14%)ですが、前年からプラスに浮上し、収益性が改善していることは一目瞭然です。

17年3月末時点の財務状況は、自己資本比率65.1%、有利子負債218億7500万円、現金等226億円でカバーし実質無借金です。営業キャッシュフローはプラスで増加しており、投資、配当、借入金の返済をカバーしています。新たな借り入れもなく、財務状況は改善していると言えます。

株価は上昇していますが、同社の株主優待は魅力的と考えることも

このような業績回復を評価し株価は上昇が続いています。現金配当と株主優待を合わせた予想利回りは2.9%と、やや物足らない利回りとなっています。しかしながら、同業他社と比べると収益性には改善の余地があることから、その分株価にも上昇余地が存在すると思います。

株価に上昇余地があるのだとすれば、株主優待の利回り自体は低いのですが、マクドナルドをよく利用する人にとっては魅力的と考えることもできるのではないでしょうか?

参考:日本株通信

※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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