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レブル500に20万円分の差額の価値はあるか?
先日、レブル250に試乗してインプレッションを掲載しました。ほぼ同時期に登場したCBR250RRの影に隠れてしまいがちですが、非常に乗り心地が良く、しかも走行性能にも優れた次世代のクルーザーという印象でした。
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レブル250には500ccエンジンを搭載したレブル500という兄弟モデルがあり、フレームやタイヤサイズなど全て共通となっていて、500ccのパワーに耐えられる性能のパーツが贅沢に使われたレブル250は安定性に優れていました。
しかし、逆に言えばレブル500はエンジン以外のパーツはほとんどレブル250と同じということです。2台の価格を見比べてみると、ABS付のレブル250は58万8600円[税込]、ABSが標準装備のレブル500は78万5160円[税込]となっており、価格差は約20万円となります。
2019年現在の実勢価格で見てみれば、レブル250が45万円前後に対してレブル500は78万円前後で、定価だけではなく実勢価格で見れば更に差が開き約23万円の差が発生しています。エンジン以外のほとんどのパーツが共通なのに20万円高いと考えると割高なイメージがありますが、実際の走りはどうか?今回も都内の通勤で試乗してインプレッションします。
レブル500の足つき性は?
レブル500は前後16インチタイヤを装備しシート高は690mmと非常に低いので身長165cmの私でも両足がべったりの稀有なバイクです。シート自体も前の方が絞り込まれててサイドカバーも外に張り出していないので余計に足つきはよく感じます。しかし、意外とステップが上の位置に装着されているのでコーナリングでも簡単にすることがありません。車高の低いクルーザーでありながら、この軽快さがレブルのセールスポイントのひとつですが、レブル500に試乗した際には前後のサスペンションが若干硬いような印象を受けました。
レブル500のサスペンションのセッティングは変更されている
手元の資料には言及されていなかったのでホンダの広報に確認したところ、フロントフォークは中のバネが硬さの異なる物が入っており、リアサスペンションはプリロードのセッティングが異なっているとのことでした。
排気量の異なるエンジンが搭載されることで、レブル500と250の車両重量の差は20kg程度あります。そのため、サスペンションは前後共にセッティングを変えたのでしょう。ですが個人的には街中を走るのには若干硬い印象を受けたのでリアはプリロードのセッティングを緩めてみたところ挙動がレブル250に近くなりました。装備面ではサスペンションのセッティング以外には変更されている点が見受けられないレブル500ですが実際に街中で試乗してみました。
レブル500のエンジンの価値とは?
2013年にホンダは同じフレームとエンジンを採用した3台の兄弟バイクをリリースしました。ネイキッドのCB400F、スポーツコンセプトのCBR400R、クロスオーバーコンセプトの400Xです。これらの車両は海外では500ccで販売されており、レブル500はこのエンジンがベースとなったものが搭載されています。
前述した3台に搭載された400cc並列2気筒エンジンは癖がなくフラットに高回転まで回る扱いやすいエンジンです。しかし逆に言えば抑揚がなく、気が付いたらスピードが出ているような印象でした。
それに対して、排気量が上乗せされたレブル500のエンジンは走り出しのトルクが増大しています。そのため、走りに抑揚があり艶のある走りとなっています。本来レブル500のようなクルーザータイプのバイクに搭載されるエンジンはトルクが重視されあまり高回転域でパワーが出力されるものが採用されることはありませんが高回転まで気持ちよく回ります。
レブル500の車両重量はレブル250と比べて20kgアップしたもののブレーキ性能もまったく問題なくABSも標準装備となっています。レブル250でも高速巡航は全く問題ありませんでしたが、排気量が大きいためレブル500の方が100km/h巡航時にエンジンの回転数が低いので余裕があり音も静かです。
いちユーザーとしては、20万円の価格差はやはり高いと思ってしまいますが、エンジン自体はその価値があると言っても過言ではありません。
レブル500は更に10万円安かったら大ヒット車両となったかも!?
レブル250は好調な売上げとなっているようですが、レブル500の方は250ほどのセールスには届いていないようです。2台乗り比べればレブル500の方が当然パワーがありますし、クルーザーとは思えないスポーティーな走りをすることができます。ですが、やはりユーザーの感覚で言えば価格差が開きすぎているような気がするのです。ただ400ccの3兄弟の中で400Xは、私のように通勤メインでたまにツーリングに出かけるという用途では断トツに使い勝手の良いバイクでした。
バイクが趣味性の高いものとはいえ、乗り物である以上はマルチに使えたほうが良いのは間違いありません。そういう意味ではレブル500は400Xに並ぶマルチ性能を持ち合わせています。ただガソリンタンク容量が11Lしかないのは残念! 燃費がよいエンジンなので、うまく走れば300km以上は連続巡航できると思いますが、タンクだけでももう少し容量が欲しかったところです。
レブル500をちょっとカスタムするなら
クルーザータイプの積載量を増やすなら、やっぱりサドルバッグがよいでしょう。バッグと車体が干渉しないようにバッグサポートは必須アイテムです。
レブル500にアクセサリーソケットを追加するキットが純正でありました。クルーザーなので、ツーリングの際などにスマホでナビを見ることもあるはず。電源の確保は大事です。
レブル500はETC車載機を収納する場所がありません。リアフェンダーレール部分に装着する為のステーがキジマからリリースされています。高速道路を使ったツーリングに出かけるならETCは必須装備。ステーを追加して装着すると良いでしょう。