一人旅

ハートの窓で話題!京都・正寿院で日本の美と出会う

京都・宇治田原町に、ハート型の窓が話題になっているお寺があると聞き、行ってきました。するとハート窓だけでなく、天井を埋め尽くす色彩豊かな天井画やたくさんの風鈴と、フォトジェニックな風景が広がっていました。ハート型のお守りもぜひ持ち帰りたいもの。アクセスが複雑なので事前に調べて出かけましょう。

塩田 典子

執筆者:塩田 典子

一人旅ガイド

SNSで話題のフォトジェニックスポット! 京都・正寿院

京都の楽しみのひとつがお寺めぐり。京都市内にもたくさんのお寺があるのですが、京都市の南の宇治市からさらに南へバスを乗り継いだところに、SNSでの投稿をきっかけに口コミで広がり、今やフォトジェニックスポットとして女子の間で人気上昇中のお寺があるのです。その名も「正寿院(しょうじゅいん)」。宇治の中心部からはだいぶ離れた場所にあるものの、訪れる価値大。特にカメラ女子にはおすすめです!

約800年前に創建。秘仏十一面観音と不動明王坐像を安置

ここ正寿院は宇治市の隣、宇治田原町にあり、公共交通機関を利用すると、京阪宇治駅・JR宇治駅・近鉄新田辺駅などから2つのバスを乗り継いで向かうとあって、決してアクセスが良いとはいえないのですが、それでも一度は訪れていただきたいお寺です。

外観

正寿院の外観

こちらは、高野山真言宗に属し、創建は約800年前と伝わります。御本尊は秘仏十一面観音で、50年に一度のご開帳。また国の重要文化財に指定される木造不動明王坐像は、快慶の作品。睨みをきかせた力強い表情が特徴で、穏やかな表情の如来像に代表される快慶の作品の中にあって、非常に珍しいそうです。

蓮の花

美しく花開く蓮の花

拝観の受付をすると、散華というお寺の法要などでまかれる花びらをかたどった紙と、叶紐が授与されました(8・18・28日のご縁日のみの授与)。
 

散華の形のチケット

散華(さんげ)と叶紐(かのうひも)。猪目窓から望む冬の景色入り

叶紐は表の結び目が示す「口」と裏の結び目が示す「十」で「叶」になることから、古来、縁起の良い結びとされています。散華とともにお守り代わりに携帯するか、境内の地蔵堂に結んで帰るのがよいそうです。
 

地蔵堂

地蔵堂に結びつけられた叶紐

受付が済んだら本堂で参拝しましょう。こちらのお寺は参拝の仕方も独特です。参拝する場所の真上から垂れ下がる「結いの紐」を両手ではさみ手を合わせます。この紐の先には、御本尊の十一面観音の指と結ばれていて、ご縁を結ぶことができると言われています。

本堂の内観

本堂の内観

本堂内陣の天井には、江戸時代に描かれた種字曼荼羅が描かれています。


本堂の天井画

本堂内陣の天井に歴史ある天井画が

このあと客殿へと参ります。正寿院がフォトジェニックスポットと呼ばれるようになった所以が、ここにありました。


かわいいハートの窓から望む、涼感漂う庭園の緑

客殿(則天の間)に入ると、庭園に面した障子の一部にハート型の窓を見つけることができます。
 

猪目窓

客殿のハートの窓からは新緑の庭園が

訪れた初夏は、窓の奥に石燈籠と青々とした木々が映え、涼しげな風景が広がっていました。ハート型に切り取られた風景は、春は桜、秋は紅葉、冬は雪景色と季節ごとに移ろい、違った表情を見せてくれます。季節によりライトアップする期間もあり、幻想的な風景で人々を魅了します。

猪目窓

 アングルによっては青空も見えました

ハート型と書きましたが、正式には「猪目窓(いのめまど)」と呼ばれ、古来、寺社建築の装飾として使用される伝統文様。建物を守る、災いを除き、福を招くという意味が込められているのだそうです。

水引猪目のお守り

水引猪目(ハート型)のお守り

売店では、ハート型の水引猪目のお守りを受けることも。簡単には解けない結び目であることから、健康、仕事、恋愛といった良縁が長持ちする印とされているそうです。

天井を埋め尽くす160枚の天井画は圧巻の美しさ!

2つ目のフォトジェニックポイントが、客殿の天井を埋め尽くす160枚の天井画です。こちらは6年前から今年3月にかけて製作された作品で、花と日本の風景をテーマに、芸術大学の学生から著名な日本画家や書家まで、年齢もさまざまな方々が描いたという作品群。

天井画

約50cm角の格天井の一マスに円形の作品がそれぞれ描かれています

季節の花木から風神・雷神、書などが色鮮やかに描かれていて、その美しさと迫力に圧倒されます。中には春夏秋冬の舞妓さんの姿が4枚隠れているので、ぜひ探してみてください。本堂内陣の天井画と見比べてみるのもいいでしょう。

天井画

寝転んでみると、こんな風に見えます

ご住職いわく、この天井画は「畳に寝転んで眺めて欲しい」とのこと。なぜなら「川のせせらぎ、茶畑の匂い、そよぐ風など、五感で自然を感じることができるから」だそうです。

風鈴まつりでは絵付け体験に挑戦!

毎年7月1日~9月18日には境内で、初夏の風物詩「風鈴まつり」が行われています。

風鈴

本堂に向かって整然と並ぶ風鈴たち

頭上一面に等間隔に吊るされた風鈴は、風に揺れ、チリンチリン……と、涼やかな音色を響かせていました。

風鈴

簾の下、可愛く絵付けされた風鈴

京都市内と比べてこの辺りの気温は5℃ほど低いそうですが、風鈴の音色と相まって、スーッと汗が引いていきました。

風鈴

風にそよぐ風鈴たち

風鈴には厄除け・魔除けの意味もあるそうで、この音色が響く範囲は聖域とされ、災いを防ぐと考えられているそう。

白濱萌音さんと風鈴

2017ミス日本酒京都代表 白濱萌音さんと風鈴

イベント期間中は絵付け体験をすることもできます(1回1000円)。好きな絵の具を溶き、約30分かけて自分の好きな絵を描いて完成。すぐ乾くのでそのまま持ち帰ることができます。意外と簡単なので、不器用な私も早速挑戦! ブルーとイエローのシンプルな水玉模様にしてみました。なかなか楽しかったですよ。

自作の風鈴

自作の風鈴をパチリ。クラゲみたい?

また、風鈴まつりの期間中は夜間ライトアップも行われます。日程と時間は以下をチェックしてください。

正寿院
・住所:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
・TEL:0774-88-3601
・拝観時間:8:30~16:30(11~3月は~16:00)
・拝観料:400円(お茶、お菓子付き)
・定休日:無休
・交通アクセス:京阪宇治・JR宇治・近鉄新田辺駅から京阪宇治バス180・182・184系統で約25~30分、維中前バス停下車、コミュニティバスに乗り換えて約17分、奥山田バス停下車、徒歩10分

※「風鈴祭り」のライトアップ
・日程:8/19、20、26、27、9/2、3、9、10、16、17
・時間:18:00~21:00

今夏から秋にかけて宇治を訪れるなら、以下のサイトも参考にしてみてください。宇治への旅に最適な旅行プランが用意されています。プラン限定の特典も魅力ですよ。


京都 お茶の宇治・お酒の伏見 満喫の旅
往復新幹線(普通車指定席 ※列車限定)+宿泊or日帰り+「お茶の宇治・お酒の伏見」満喫セット<宇治・伏見1dayvチケット(特別版)に、京都タワー展望室入場券、福寿園宇治茶工房 お抹茶一服券、3箇所から選んで使えるセレクト券付き>がセットになった、期間限定の旅行プランが発売中(~11月17日)。

お茶の宇治・お酒の伏見 満喫セット

お茶の宇治・お酒の伏見 満喫セット

宇治・伏見・八幡エリアの観光施設・店舗などでさまざまな優待を受けることができ、特典満載です。

いかがでしたか? 知る人ぞ知る、京都・宇治田原のフォトジェニックなお寺・正寿院。ヨガやオリジナルの腕輪・数珠作りなど、女子力が上がる体験メニューも用意されているので(いずれも5日前までに要予約)、参加するのも良さそうですね。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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