日本一売れている駅弁、崎陽軒のシウマイ弁当のひみつに迫る!

日本一売れている駅弁、崎陽軒の「シウマイ弁当」にまつわる“ひみつ”とは?(2017年7月12日撮影)

日本一売れている駅弁、崎陽軒の「シウマイ弁当」にまつわる“ひみつ”とは?(2017年7月12日撮影)

1日平均約2万3千個が作られ、日本一売れている駅弁、崎陽軒(きようけん)のシウマイ弁当。横浜ならではのシウマイ弁当誕生のエピソードや、どの向きで食べるのが正解なのか、崎陽軒のシウマイ弁当の11のひみつを暴露します!

ひみつ1:シウマイ弁当の誕生

1908(明治41)年に横浜駅構内の売店からスタートした崎陽軒。しかし当時は、横浜では駅弁の需要が少なかったそう。というのも、東京駅発の乗客はすでに駅弁を買っており、東京駅で降車する客は駅弁を食べる時間がなかったからです。特色のない弁当を売っていてもダメだと考えた初代社長・野並茂吉氏は、横浜駅の名物を作ろうと横浜中華街の突き出しとして出されていたシュウマイをヒントに「冷めてもおいしいシウマイ」を開発・製造し、1928(昭和3)年に販売を開始しました。
崎陽軒 横浜工場の見学ルートには、シウマイ娘のコスチュームで撮影できるフォトスポットも(2017年7月12日撮影)

崎陽軒 横浜工場の見学ルートには、シウマイ娘のコスチュームで撮影できるフォトスポットも(2017年7月12日撮影)


このシウマイ、販売当初はあまり売れなかったのですが、1950年に「シウマイ娘」という売り子を登場させると、小説や映画に取り上げられるほどの爆発的な人気を博しシウマイの知名度も一気に上がっていったといいます。もともと駅弁屋だったため、1954(昭和29)年、このシウマイにご飯とおかずを加えた「シウマイ弁当」を発売開始。シウマイが横浜名物として広まっていたため、シウマイ弁当の売れ行きも予想以上によく、シウマイと並ぶ崎陽軒の第二の大黒柱になるのに時間はあまりかからなかったそうです。

ひみつ2:掛け紙は現在4代目

シウマイ弁当に欠かせない掛け紙。定番のシウマイ弁当の掛け紙のデザインは現在4代目。このほか、横浜開港祭などのイベント時、横浜スタジアム等での販売時には特別デザインの掛け紙も登場します。
初代:1954年~港をゆく船が描かれており、横浜らしいデザイン(画像提供:崎陽軒)

初代:1954年~港をゆく船が描かれており、横浜らしいデザイン(画像提供:崎陽軒)


二代目:1960年~三溪園、キング&クイーンの塔、掃部山公園などが描かれている(画像提供:崎陽軒)

二代目:1960年~三溪園、キング&クイーンの塔、掃部山公園などが描かれている(画像提供:崎陽軒)


三代目:1964年~おなじみの龍と水晶玉のデザインに。水晶玉の中には横浜の街なみが(画像提供:崎陽軒)

三代目:1964年~おなじみの龍と水晶玉のデザインに。水晶玉の中には横浜の街なみが(画像提供:崎陽軒)


現在:1995年~横浜の街なみにみなとみらい21地区が加わった(画像提供:崎陽軒)

現在:1995年~横浜の街なみにみなとみらい21地区が加わった(画像提供:崎陽軒)


ひみつ3:シウマイ弁当のカロリーは約800キロ

1954(昭和29)年、“シウマイをメインとした横浜の幕の内風弁当”として、幕の内弁当の三種の神器とされていた「焼き魚・かまぼこ・玉子焼き」に加え、横浜名物のシウマイ、主悦(しゅえつ、福神漬けを発明した東京の老舗)の福神漬け、横浜蒲鉾の三名品が入ったお弁当として誕生。栄養を第一に考え、800キロカロリーを目指して開発されました。現在のシウマイ弁当のカロリーは732キロカロリーとなっています。

ひみつ4:発売当時、シウマイは4個だった!

シウマイ弁当が発売開始となった当時は、シウマイは4個でした。このほかのおかずは、エビフライ、ブリの照り焼、玉子焼き、蒲鉾、福神漬け、昆布佃煮、筍煮。ごはんは現在と同じ俵型。「蒸気炊飯方式」により、おこわのようなモチモチとした食感になり、また経木の弁当箱に入れることで“おひつ”のようにほどよく水分が保たれ、べちゃべちゃすることがありません。昔から「ごはんもおいしい」シウマイ弁当として愛されています。
経木の弁当箱の幅に合わせてシウマイ4個だったが、5個になったことで1つはみ出す形となった(画像提供:崎陽軒)

経木の弁当箱の幅に合わせてシウマイ4個だったが、5個になったことで1つはみ出す形となった(画像提供:崎陽軒)


シウマイが4個から5個になったのは、1974(昭和49)年。時代のニーズに合わせたとのことで、1個はみ出すような姿になりました。サイズはシウマイが発売された1928(昭和3)年から変わっていません。

主な価格と内容の変遷は以下の通り。

1954年:100円 エビフライ、鮪ではなくブリが入っていた
1974年:400円 シウマイ4個から5個へ
1983年:600円 あんずがサクランボに変わったが5年ほどであんずに戻る
2003年:710円 レンコンの炒め煮に変わり玉子焼きが復活、リニューアルにあたり記者会見を開く
2003年以降、おかずの変更はなし。2017年7月現在は830円(税込)

ひみつ5:「筍煮」だけ食べられる場所がある

筍煮はシウマイ弁当のおかずの中でも人気が高い。シンプルな調味料で大量に煮込むことがおいしさの秘密(画像提供:崎陽軒)

筍煮はシウマイ弁当のおかずの中でも人気が高い。シンプルな調味料で大量に煮込むことがおいしさの秘密(画像提供:崎陽軒)

シウマイ弁当の名脇役として不動の人気を誇る「筍煮」。レシピは明かされていませんが、とてもシンプルな調味料で大量に煮ることで、しっかりと味がしみ込んだおいしい筍煮に仕上がるのだそう。

東京駅内にある「横濱 崎陽軒(シウマイBAR<バル>)」では、おつまみメニューとして「筍煮」が存在する!(画像提供:崎陽軒)

東京駅内にある「横濱 崎陽軒(シウマイBAR<バル>)」では、おつまみメニューとして「筍煮」が存在する!(画像提供:崎陽軒)


この「筍煮」、東京駅内に2016年11月にオープンした「横濱 崎陽軒(シウマイBAR<バル>)」の店内メニューで提供されているのをご存知でしょうか。蒸し立てアツアツの崎陽軒のシウマイが全種類食べられるほか、この「シウマイ弁当の筍煮(300円)」や「シウマイ弁当のマグロのネギ和え(300円)」などがおつまみメニューとして提供されています。筍煮を好きなだけ食べられるのは、ここだけ!
URL:横濱 崎陽軒(シウマイBAR<バル>)
いくらでもお代わりできそう!?「シウマイ弁当の筍煮(300円)」(画像提供:崎陽軒)

いくらでもお代わりできそう!?「シウマイ弁当の筍煮(300円)」(画像提供:崎陽軒)



ひみつ6:あんずはいつから登場した?

「最後に食べる」派が多いあんずですが、1968(昭和43)年におかずとして仲間入りしました。崎陽軒の広報担当者によると、採用された理由は記録されていませんが、保存性や口直しとしての存在を考慮して、甘みと酸味を兼ね備えたあんずが採用されたのではないでしょうか、とのお話でした。

ひみつ7:どの向きで食べるのが正解?

「ごはんは左、お箸は右」というセオリーで置くと、おかずが手前を向いていないことが判明!(2017年7月12日撮影)

「ごはんは左、お箸は右」というセオリーで置くと、おかずが手前を向いていないことが判明!(2017年7月12日撮影)

ごはんを右に置いて撮影すると、おかずが正面を向いている!(2017年7月12日撮影)

ごはんを右に置いて撮影すると、おかずが正面を向いている!(2017年7月12日撮影)


ネット上で幾度となく議論されてきた、「シウマイ弁当をどの向きで食べるか」。これが結構、バラバラなようで、「ごはんを左」「ごはんを右」「ごはんを下」という3つのパターンに分かれるようです。

横浜ガイドがシウマイ弁当を横にして撮影していた時のこと、ごはんを左に置くと、おかずが正面を向いていません。ごはんを右に置くと、おかずが正面を向いているではありませんか! 「ごはんは左、おはしは右」と言われて育った世代には、ごはんが右というのはどうも違和感が……? なぜごはんが右側の時、おかずが正面を向いているのか。そのひみつは工場見学で明らかになりました。
工場では、スタッフが左手に弁当箱を持ち、右側のスペースにごはんを詰めていた(2017年7月12日撮影)

工場では、スタッフが左手に弁当箱を持ち、右側のスペースにごはんを詰めていた(2017年7月12日撮影)


工場では、スタッフが左手に経木の弁当箱を持ち、右側にごはんを詰めています。そのまま横にスライドしておかずを詰めていくため、ごはんが右側の時、おかずが正面を向く、ということになります。

では、どの向きで食べるのが正解なのか、広報担当者に伺うと、「お客さまのお好みの向きで召し上がっていただければ、と思います。崎陽軒といたしましては、駅弁として列車の中で食べた際、膝の上で食べられるよう縦に持ったであろうことから、ごはんを下側にして紹介しております」とのこと。それで、ホームページなど、縦向きになっている画像が多い、というわけでした。

ひみつ8:詰めるのが一番難しいおかずとは

崎陽軒 横浜工場では、シウマイの製造ラインに加え、2017年8月からシウマイ弁当等の製造ラインも見学できるようになりました。詰めるのが難しく、ベテランスタッフを配置するおかずは「ショウガ&コンブ」。両手を使い、かつ、端のスペースに美しく入れるのが難しいそうです。

ひみつ9:横浜で作られた証!シウマイ弁当の紐

十字にかけられた紐は横浜の工場で作られた証(画像提供:崎陽軒)

十字にかけられた紐は横浜の工場で作られた証(画像提供:崎陽軒)

東京の工場で作られたシウマイ弁当は効率化を考え、かぶせ蓋となっている(画像提供:崎陽軒)

東京の工場で作られたシウマイ弁当は効率化を考え、かぶせ蓋となっている(画像提供:崎陽軒)


シウマイ弁当は、横浜にあるふたつの工場で製造されたものと、東京都内の工場で製造されたものとは違いがあります。それは「紐」。横浜の工場で作られたものは十字に紐がかけてあり、東京の工場はかぶせ蓋になっています。
手間とコストがかかっても「やめることはない」という、横浜工場の紐かけ(2017年7月12日撮影)

手間とコストがかかっても「やめることはない」という、横浜工場の紐かけ(2017年7月12日撮影)

この紐、人の手で結んでいるのですが、1時間で約120~150個ほど結べるそう。年末年始や連休などの帰省シーズンは、最大約3万9千個もシウマイ弁当を製造したことがあり、社員総出で紐かけをしたとか(崎陽軒の社員は皆さん、紐かけができるんですって!)。リニューアルした横浜工場では、秘密兵器「紐かけ機」が登場。本格稼働すれば、1時間に720個結ぶことが可能になります。「紐」にかけるアツい思いがうかがえます。
横浜工場では「紐かけ機」が新導入!undefined人の手の約5倍、1時間に720個の紐がかけられるように(画像提供:崎陽軒)

横浜工場では「紐かけ機」が新導入! 人の手の約5倍、1時間に720個の紐がかけられるように(画像提供:崎陽軒)


ひみつ10:崎陽軒の社員は「シ弁」と呼ぶ

崎陽軒ではいろいろな社内用語があります。例えば、シウマイ弁当は「シ弁」、「横濱チャーハン」は「横チャ」、「昔ながらのシウマイ 15個入」は「昔15」など。取材していて驚いたのが、弁当の数を「本」ということ! 取材時に広報担当者が「シウマイ弁当は1日平均23000本、つくっています」と言い、記者から「本というのは個に置き換えてもよいのですか」と質問が出ました(笑)。なぜ「本」というようになったのかは不明とのことです。

ひみつ11:シウマイ弁当に合うお茶がある

すっきりとした味わいの「崎陽軒のお茶(120円税込)」はシウマイ弁当とともにどうぞ(2017年7月12日撮影)

すっきりとした味わいの「崎陽軒のお茶(120円税込)」はシウマイ弁当とともにどうぞ(2017年7月12日撮影)

2015年8月に発売開始された「崎陽軒のお茶」をご存知でしょうか。「シウマイ、お弁当によく合うお茶」をコンセプトに、オリジナルのお茶を開発。佐賀県産釜炒り茶と、宮崎県産一番茶をブレンドした緑茶は風味豊かで、食べた後の口の中がすっきりする感じ。1本120円(税込)なので、シウマイ弁当と一緒にお試しあれ。

シウマイ弁当にまつわるひみつを思い浮かべながら、シウマイ弁当を食べてみてはいかがでしょう。その際は、お好きな順番、お好きな向きでどうぞ!

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