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休眠預金を社会のために活用する法律が施行

何年もほったらかしで引き出されない休眠預金。これを公益活動を促進するための資金にしようという「休眠預金等活用法」が施行されました。2019年1月以降に発生した休眠預金が対象です。休眠預金はどうなるのでしょう?もう戻ってこないのでしょうか?

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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休眠預金が毎年1000億円も発生?!

休眠預金とは、預金者が引き出しもせず、自分の預金だと名乗りも上げないまま10年以上放置された預金のことです。その多くは、1口座あたり1万円以下の少額と言われています。昔作った銀行口座を使わなくなり、残高もそれほど多くないため、すっかり忘れてそのままになっている‥…。あなたにも心当たりはありませんか?
 
休眠預金を活用

休眠預金を活用



中には、本人が亡くなり、遺族が気づかないまま放置されてしまう預金もあるようです。こういった預金が集まって、毎年1000億円程度の休眠預金が発生しているとか。その後、気がついた人が払い戻しを請求し、この額は毎年400億~500億円程度になるそうです。

休眠口座があるかもしれない、残高を払い戻したいという方は、こちらの記事を参照してください。
「銀行の休眠(睡眠)口座とは?解約方法のポイント」
 

広く国民一般に還元するために休眠預金を活用

多額のお金を中途半端な状態でおいておくよりも、税金や社会保障だけではカバーできない分野にお金を回そう、そんな発想で、海外の事例なども参考に作られたのが「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(=休眠預金等活用法)です。2016年12月9日に交付、2018年1月に施行されました。1年後の2019年1月以降に発生した休眠預金が対象となります。一体、どうなるのでしょうか?

審議会を開催し、基本方針を策定した上で、次の3つの分野で活用される予定です。
  • 子どもおよび若者の支援に係る活動
  • 日常生活または社会生活を営む上で困難を有する者の支援に係る活動
  • 地域社会における活力の低下その他の社会的な困難な状況に直面している地域の支援に係る活動
このような活動を行うNPO法人などが選定され、助成や貸付が行われます。実際に活用が開始されるのは2019年秋頃になる見通しとか。
 

今後も休眠預金の払い戻しは可能

これに伴い、これまで各金融機関が持っていた休眠預金は、今後、預金保険機構に納付されることになります。ただし、預金者が金融機関を通して請求した場合は、これまで通り、払い戻しができます。なあんだ、引き出せるんだなどと安心して、ほったらかしにしないように。自分の預金口座はしっかり管理しましょう。

有意義な活動に使ってほしいですね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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