合わないオーラルケアグッズは、歯・口のトラブルを招く?

歯磨き

口角部分の歯磨き粉はしっかり落とすことが新常識!


オーラルケアグッズを選択する時にどんな基準で選んでいますか? 実は自分に合わない歯ブラシや歯磨き粉を使うことで、原因不明のトラブルが起こることがあります。

今回は良く起こりがちな、自分に合わないオーラルケアグッズで起こる2つの症状について解説します。

歯磨き粉が原因で口角炎になるケース

歯磨き粉のパッケージの説明に、歯周病やホワイトニングに良い効果が期待できると記載されていると、同じ商品を使い続けることがあります。しかし歯磨き粉の中には、唇の両サイドである「口角」に成分が残留すると、口角炎を起こしてしまうものがあることは、あまり知られていません。

実は私自身も、歯磨き粉を変更したタイミングで口角炎になってしまったことがあります。この時はすぐに原因がわからず、ビタミン不足や疲労、睡眠不足などを疑いましたが、歯磨き粉を元に戻したところ、すぐに改善しました。実際の臨床の場でも、歯磨き粉を変えたり洗い方を変更したことで、薬などを使わずに口角炎が改善したケースがあります。

私の場合は自分でたまたま口角炎になりやすい歯磨き粉を見つけたため、条件を変えて実験をしてみました。すると口角部分に付着している時間が長ければ長いほど炎症が起こりやすく、歯磨き粉が残った状態で寝ると朝起きると少しカサついた感じが起こり、数日で口角部分が赤く炎症を起こすことがわかりました。これは口角炎の症状です。

歯磨き後に十分に時間をかけて、口角部分をこすり洗いすれば、炎症は現れません。しかし夏はいいのですが、冬は水が冷たいため、口をゆすぐ時間やこすり洗いの時間がついつい短くなってしまい、歯磨き粉をしっかりと落とせていないことがあるのか、しばしば再発しました。一方、口角炎が起きない歯磨き粉の方は、普通に磨いて普通にゆすぐだけで、何も起こりません。そのため歯磨き粉が残留したからといって必ず口角炎が発症するわけではなく、自分に合わない歯磨き粉を使った場合は、ほんの少量でも歯磨き粉が口角に残留すると、口角炎が起こると感じました。

最近は、歯を磨いた後に、歯磨き粉の薬効成分が歯の表面に付着している時間を長くするために、あえて口をゆすがずに歯磨きを終わりにする……という、新しい方法の歯磨きのススメもありますが、いずれにしても口角部分はしっかりとこすり洗いをした方が良いでしょう。

歯ブラシが原因で知覚過敏が悪化することも

皆さんは知覚過敏を起こしやすい歯ブラシというと真っ先に毛先が硬い歯ブラシを思い浮かべるのではないでしょうか? 普通やソフトを使っているから関係ないなんて思ったりしていませんか?しかし実はソフトの歯ブラシでも知覚過敏が起こったケースがあります。

こちらも実際に体験できましたが、硬い歯ブラシでゴシゴシ擦ったわけではなく、標準形態の歯ブラシから、毛先が細いタイプの歯ブラシに変更した時に起こりました。もちろんブラッシングの方法はそれ以前と同じ方法で細かく振動させるように動かすなど過度な力が加わっていないと思います。

知覚過敏が徐々に発生したため、この時も歯ブラシ以外のいろいろな原因を疑いました。しかし最終的には、細すぎる毛先が歯ぐき周辺の歯の根元周囲にある脆いセメント質や象牙質に傷をつけているような状態だと判断しました。歯ブラシの毛先は細ければ細いほど歯周ポケット内のプラークを取り除くには有利ですが、それが歯の表面で擦れると、細い針先で歯の表面を擦るためか、普通の歯ブラシのよりも力が先端部分に集中します。すると知覚過敏の一歩手前になっているような状態のセメント質や象牙質などにダメージを与えると考えられます。

この時も歯ブラシを標準タイプに戻すことで、すぐに知覚過敏がなくなったので自分でも少し驚きました。もちろん硬い歯ブラシでゴシゴシ擦れば、知覚過敏を引き起こしやすいのは、間違いありません。しかしソフトでも毛先の太さや密集度、長さ、毛先の摩耗による先端の変化、ストローク、歯の形態などによって知覚過敏が起こりやすくなる可能性があります。

歯磨き粉・歯ブラシの上手な選び方……自分に合う製品探し

商品購入時は、パッケージに書かれている効果や理論が唯一の選択基準になるでしょう。気になる宣伝文句が書かれていたら、同じ商品を使い続けるきっかけになるかもしれません。しかしもしも口角炎がなかなか治らなかったり、慢性化した知覚過敏の症状に悩んでいるような場合は、日常的に使っている歯磨き用品が原因ではないかと疑うことも必要です。

幸いオーラルケアグッズは、値段も手頃なものが多く、色々と試しやすいのも魅力です。気になる問題がなければ、気に入った商品を使い続けても良いでしょうし、上述したような不快症状がある場合は、別の商品を試してみるのも良いかもしれません。

毎日使うものですので、自分にあった商品を見つけて、歯と口の健康を守っていきましょう。

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