彼の過去とどう向き合うべき?

やっと大好きな人に巡り会えた。前の恋が終わったのも、この彼に会うためだったのだ……そんなふうに思えるほど情熱的な恋をしたときに聞こえてくる「彼の過去」。

彼の過去が気になって、あと一歩、関係を深めたり、結婚を決めたりできない。そんな女性は少なくないかもしれない。


彼の過去の女癖の悪さを聞いてしまい……

飲み会で知り合った彼。周囲に内緒で付き合い始めたが……

飲み会で知り合った彼。周囲に内緒で付き合い始めたが……


「友だちが主催した飲み会で出会った2歳年下の彼とつきあい始めたんです。私は恋愛で自分を見失うようなことなかったのに、生まれて初めて、彼のためなら何でもできると思えるくらい好きになった。つきあっていることは飲み会のときのメンバーには内緒にしていました。なんとなく言いそびれたのと、あまりにも好きだからほかの人に取られるのが怖くて言い出せなかった。そうしたら、半年ほどつきあったところで、そのときの友人に『あのときの彼、覚えてる? けっこう女癖悪いらしいよ』と聞かされて……」


マリエさん(30歳)は、真剣な顔でそう言った。彼が二股をかけていて女同士が大げんかになったとか、人妻とつきあっていて夫に脅されたことがあるとか。そんな話をいくつか聞かされたのだという。

「彼のことが大好きだから、そんなことあるわけないと思う一方で、今もほかの女性と二股をかけられているのではないか、私のことなど都合のいい女だとせせら笑っているのではないかと疑惑がどんどん大きくなっていきました」


彼の過去について、友達に相談してしまい後悔

ここで彼を問い詰めても、真実を知ることはできないかもしれない。そう思ったマリエさんは、飲み会のときのツテを頼って、彼の男友だちと接触した。彼には内緒にしてほしいと頼んで、人となりを聞き出そうとしたのだ。

「でもその人が、なんだか予防線を張っているようで。たいしたことを教えてくれないんです。『どうして自分で聞かないの?』『あいつの本当の姿を知ったら嫌いになるわけ?』と逆に質問攻めにあって。私は彼のことが好きだから知りたいのに、そんな気持ちを手玉にとられているような不快な気分になりました」

結局、役に立つ情報は得られなかった。そしてそのことはすぐに友人から彼に伝わっていたらしい。しかも、ひどく歪んだ形で……。

「翌日、彼から、『オレの友だちを呼び出して何がしたいの? ヤツのことが好きなの?』とメッセージが来たんです。彼の友だちがどう伝えたのか知らないけど、ひどいでしょ?」

それでも彼女は、彼の女遊びについての疑惑をぶつけることができなかった。彼のことが好きだから……。だが、その気持ちが彼との関係をやっかいなものにしていく。

「自分が疑惑を抱いたのがいけないんだ、彼を信じられない気持ちをもつこと自体がいけなかったんだと、どんどん卑屈になってしまったんです。それからは彼の言いなりになっていきました」

実際、彼は彼女の疑惑通り、ほかの女性ともつきあっていた。そして結果的に、ほかの女性に子どもができてしまう。その彼女は、マリエさんが自分と彼の仲を裂こうとしていると誤解し、マリエさんの会社にまで乗り込んできた。社内で噂になり、マリエさんは同僚や先輩後輩にまで冷たい目を向けられた。

「そもそも私の男を見る目がなかったんです。でも疑惑が生じた段階できちんと彼にぶつけて話せば、この男は信用できないとわかったかもしれない。好きだから知りたくない、と逃げていたんでしょうね」

痛い目にあった彼女、次に恋愛するとしたら、もっとちゃんと相手とぶつかろうと考えているそうだ。


いざ結婚というときに、子どもがいると知らされ……

自分の子どもかもしれない、元カノが勝手に生んだと言われて……

自分の子どもかもしれない、元カノが勝手に生んだと言われて……

婚約したところで、彼に衝撃的な告白をされた女性もいる。ナミコさん(33歳)だ。3年つきあった4歳年上の彼と、現在は結婚式を延期している状態。

「結婚式の日取りを決めようとしたとき、彼が『話しておいたほうがいいことがある』と。何かと思ったら、彼には子どもがいるかもしれないというんです。前につきあっていた女性が『勝手に生んだ』と。認知もせず養育費も送っていない。『そもそも、オレの子かどうかわからない』とも。ショックでした。最初は子どもがいるという事実に、心の整理がつかないような気がしたんですが、冷静に考えたら、私が衝撃を受けたのは“彼の言動”でした。自分の子かもしれないのに、認知も養育費も拒否しているって、冷たいですよね。自分の子かどうかわからないならDNA鑑定をすることもできるんだし、はっきりさせずに日々を過ごしていることが私には信じられなかった」

自分の子だとしたら、あなたはひどいことをしていると思う。そう言いたかった。だが言えなかった。やはり彼を失うのが怖かったのだ。それに、その言葉にどういう返事が来るか読めないことにも怯えた。

「でも、このまま彼と結婚したら私は一生、後悔することになる。そう思ったので、子どもの件をはっきりさせない限り、結婚できないと彼に伝えました。それが2ヶ月ほど前のこと。彼がどうするか、あと1ヶ月で答えを出してくれなければ私は別れるつもりです」

そこに至るまで、彼女はひとりで悩み苦しんだという。好きだから、すべてなかったふりをして結婚してしまいたい気持ちもあった。その半面、彼のことは好きだけれど、どうしても真実を知ったほうがいいとも考えた。そのふたつの間で彼女は揺れ動き、悩み抜いた。


誰にも相談せず、本人に率直に尋ねて答えを待った

「誰かに相談したら、そんな男はやめろと言われるのはわかっていたから、誰にも相談していません。彼がどういう答えを出すのか、そして答えを出すまでにどのように悩んだり苦しんだりしたのか。それを含めて聞いて、彼とやっていけるかどうか。今度は私が判断する番なのだと思っています」

彼の判断をただ待つ時間は長い。だが彼女は、この件は彼の人生にとっても重要なことだから、きちんと考えてほしいと思っている。そんな彼女の気持ちは彼に伝わるだろうか。

過去よりも今を大切にすべきだとか、過去と比較してもしかたない、うまくつきあっていきたいなら根ほり葉ほり聞いてはいけない、という考え方もあるかもしれない。ただ、過去と今はつながっている。そして未来へも。それが大きなことであれ小さなことであれ、彼のことが好きだからこそ気になってしかたないし、この先のつきあいかたを考えなければいけないともいえるだろう。

彼の過去を受け入れたいと思うかもしれないし、どうしても許せないと感じるかもしれない。それはおそらく“許容量が広い狭い”とか、“彼への愛情が濃い薄い”という問題ではない。真実を見ること、知ることができるかどうかが重要なのだ。

あなたなら彼に率直に尋ねることができるだろうか。
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