お金持ちほどお金を大事に使う生活を送っている
お金の相談を受けていると、一代で大きな資産を築かれた人にお目にかかることがあります。皆さん、そこに至る歴史はそれぞれですが、物事の考え方やおっしゃることには、いくつかの共通点があると思います。お金持ちの考え方、ぜひ真似してみたいですよね。資産を築くためには、収入が多いに越したことはないのですが、それだけでは十分ではありません。なぜなら、多くの人は、収入が上がればそれにともなって支出も増えてしまい、結局、資産は増やせないからです。ウラを返せば、収入が増えても生活水準を一定にキープすれば、自然と資産は積みあがります。
習慣1.支出のコントロールが上手
事実、お金持ちになる人の多くは、支出のコントロールが上手く、無駄遣いが少ないのが特徴です。「格安スマホに変えたらずいぶんお安くなりました」とおっしゃったのは、老人ホームを経営する80歳の女性です。一生で使い切れないほどの資産があっても、雑誌や本は買わずに図書館を利用されている人はいくらでもいますし、ふるさと納税などのようなおトクな制度は早くから積極的に取り入れている人も目立ちます。単純に節約志向が強いだけなのかというと、そういうわけではありません。女性からよくお聞きするのが、「気に入った洋服は高くても買って、長く愛用しています」とのお言葉です。世の中に「安物買いの銭失い」ということわざがありますが、その真逆で買い物を安いからという理由ではなく必要かどうかで判断しているわけですね。無駄な支出は抑え、本当に必要なものにお金を使う暮らしぶりに、お金を大事にするお金持ちの思考がうかがえます。
習慣2.取るべきリスクを取って、避けるべきリスクを避ける
大きな資産形成に欠かせないのが、投資で増やすという考え方でしょう。不動産投資や株式投資など、スタイルは人によって異なりますが、資産形成の核として若いころから続けてきた手法をお持ちです。「株式投資は、かれこれ50年のキャリアです」そう話してくれたのは、75歳になる男性のAさんです。株式投資に興味を持ったのは小学校のころ、お父様をはじめ周りの人が話しているのを聞いたのがきっかけだったそうです。実際に自分で始めたのは20歳を過ぎてからだそうですが、それでも投資暦は50年のベテランです。始めたばかりのころは失敗もよくあったそうですが、長年続けていくうちに、徐々に利益を出すことが増えてきたのだとか。
都内にマンションとアパートをあわせて6つ所有されていらっしゃるBさん(70歳 女性)もお母様の代から、不動産投資をされてきたそうです。ご自分なりの利回りの計算式があるので、「その条件に合わなければ見送るようにしています」とのことでした。
習慣3.経験の中でつかんだ成功セオリーを持っている
AさんやBさんに共通なのが、経験の中でつかんだ成功セオリーを持っていることです。こうした方々に金融商品をご紹介させていただくことがありますが、皆さんすばやく決断されるのには驚かされます。長年の投資経験を積まれてきたからこそ、自分なりの判断基準があって、考え方に合う、合わないがすぐに決められるのだと思います。「まだ早いとは思ったのですが、いずれ今の家では段差もあって住みづらくなるだろうから、高齢者用のマンションを買いました」「ご主人が病気になったのをきっかけに、万が一の相続で引っ越すことも考えて、自宅を売ったらどの程度の値段になるか調べました」というのは、いずれも資産家の方からお聞きした話です。
自分に将来どんなリスクがあるかを考え、回避するために先回りして行動が起こせるのも、お金持ちの人に共通の特徴です。とるべきリスクをとって避けるべきリスクは避ける、その繰り返しが、資産を守り育てるのだと感じます。
教えてくれたのは……
新屋 真摘さん