ともに90万円台、最も安価な乗用車ミラ イース&アルト
乗用車で最も安価なモデルが、ダイハツのミラ イースとスズキ・アルトだ。エアコンなど必要な装備+自動ブレーキ付きの最安値は、ミラ イースが93万9600円で、アルトは91万5840円(両モデル共さらに安価なグレードもあるけれど事実上の営業車仕様なので省く)。買うならどちらか?ダイハツ・ミラ イース(左)とスズキ・アルト(右)
実用上の不満はなし、機能面も充実の「ミラ イース」
これらのモデル、安価ながら実用上何ら不満なし。例えばミラ イース。試乗してみたら、驚きの連続である。まず外観。安っぽさを感じさせる造作は見当たらず。デザインも妙にカッコ悪かった先代モデルと違い、クルマ好きの私から見たって「日常の足として使うなら好感持てますね」だ。日常の足として使うには満足が高いミラ イース。新モデルはデザインも◯
バンパーはボディと同じ色で塗装されており、ホイールキャップも付く。アンテナだって手抜き感無し。強いて言えばドアミラーが電動格納式でなく黒いことくらいか。ボディカラーは7色から選べて、赤っぽいボディや空色あたりなど存在感ある。皆さん実車を見たら驚くだろう。
インテリアだって機能的な自発光式のデジタル式メーターが質感を確保。リアシートのヘッドレストは付かないものの(必要なら108万円のグレードを)、ほとんど使わないというなら問題無し。パワーウインドウやパワードアロックはもちろん、UVカットガラスまで標準装備。
インテリアも充実のミラ イース
若いユーザーを意識、初めて買うクルマとして好印象な「アルト」
アルトは上質感のあるミラ イースと異なり、新社会人用の家具という方向性。明るい色の樹脂を使うなど、若いユーザー層など意識したのだろう。私のような年齢だと圧倒的にミラ イースを好むが、初めてクルマ買うという人ならアルトも好印象か。装備内容はほとんど同じだと思って良い。国内累計販売台数500万台達成を記念して発売された特別色も「コフレピンクパールメタリック」などポップな色合いのアルト
装備内容も揃っている
乗っても甲乙付けがたし。従来型ミラ イースはアルトより80kg程度重かったため、常時大柄な成人を一人乗せているようなものだった。当然ながら加速や燃費に悪い影響を与える。しかしフルモデルチェンジで80kg軽量化。アルトと横並びにしてきたから驚く。軽快になりましたね。
軽量化によって実用燃費も向上。従来型だとアルトより10%近く燃費悪く、新型になってもJC08モード燃費で若干アルトの方が良いということになっている。けれど試乗会で燃費チェックしてみたら、以前アルトで同じような走り方をした時と変わらず。これまた横並びと考えていい。
ミラ イース vs アルト――決め手となるのは“安全性”
以上、性能やスペック、装備など同等。じゃどちらを買ってもいいのか、と聞かれたら、瞬時に「いいえ!」と答えておく。自動ブレーキに代表される安全装備が圧倒的に違う。アルトの場合、カタログには「レーダーブレーキサポート」と書いてあるが、明らかに間違いな誇大表記。アルトなどに搭載されているレーザーレーダー
一方、ミラ イースはステレオカメラを使ったシステムで、車両に対して80km/h。歩行者も50km/hまで認知可能。自動停止車速は25km/h程度ながら、それ以上の速度でもブレーキを掛けながら衝突するため大幅な被害低減が期待出来る。何よりアルトだと認知できない歩行者も対象。
ミラ イースの安全機能、歩行者も対象
さらにバックギアでの飛び出しを防止するリアソナーも標準装備される。運転ミスに対するカバーが手厚い。ということで安全性を重視するなら圧倒的にミラ イースだと思う。というか私なら前述通り全く迷わない。事故を起こさないための装備は、自動車という危険な道具を使う人の義務だと思う。
ちなみにミラ イースやアルトに限らず軽自動車は側面衝突に対して弱い(全てのモデルは横滑りして26km/hで電柱に当たったら命を失う可能性あります)。自分の命が大切な人は側面衝突から身を守るサイドエアバッグ付きのグレードを選ぶこと。
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