単身世帯は1年で50万円近く貯蓄が増えた

一人暮らし世帯の平均貯金額は

一人暮らし世帯の平均貯金額は

金融広報中央委員会が毎年公表する2016年の「家計の金融行動に関する世論調査」。2人以上世帯の平均金融資産保有額は100万円超の減少となりましたが、単身世帯では50万円近い増加と間逆の動きとなっています。その一方、金融資産を保有していない世帯も過去最高を更新というように二極化の動きとなっています。単身世帯の金融資産保有の状況を見て行くことにしましょう。

単身世帯の金融資産の保有額の平均は822万円と2015年と比較して49万円の増加となりました。中央値は20万円と前年と比較して変わっていません。金融資産を保有している世帯だけに限ると、平均値は1590万円と2015年と比較して104万円と大幅増、中央値も600万円と前年と比較して20万円の増加となっています。

2人以上世帯は全体で131万円、金融世帯を保有している世帯だけでも104万円金融資産を減少させているのですから、単身世帯、中でも金融資産を保有している世帯の増加額は突出していると言えます。その要因は後ほど述べますが、株式や投資信託の値上がりよりも収入が増えたことがその背景となっているようです。

一人暮らし世帯で貯金なしは48.1%と過去最高

ただ、喜んでばかりもいられません。単身世帯で金融資産を保有していない世帯は2015年と比較して0.5ポイント増加して48.1%と過去最高を更新しています。2人以上世帯の金融資産を保有していない世帯は30.9%ですから、単身世帯の方が持っている人と、持ってない人という2極化が進んでいることがうかがえます。また、20代の金融資産を保有していない世帯は減少していますがそれ以外はほぼ軒並み上昇。40代が初めて50%台に乗せてきたことが気になるところです。

単身世帯は収入が増えたことがその要因

ここらから金融資産を保有している世帯だけを見て行くことにします。金融資産保有世帯において、現在の金融資産残高が1年前と比較して「増えた」世帯は35.6%と前年と比較して11.2ポイント減少しています。反対に「減った」世帯は30.4%と前年と比較して10.5ポイント上昇しています。

金融資産残高が増加した世帯の理由は、「定期的な収入が増加したから」は45.2%と2015年と比較して15.2ポイントの増加、「定期的な収入から貯蓄する割合を引き上げたから」は32.9%と前年と比較して8.6ポイント増えています。また、「株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから」は12.6%と前年と比較して23.6ポイント減少、「配当や金利収入があったから」も14.1%と前年と比較して7.1ポイント減少しています。

一方、金融資産残高が減少した世帯の理由は、「株式、債券の低下により、これらの評価額が減少したから」が47.1%と2015年と比較して29.4ポイントと大幅に増加しました。また、「定期的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」は39.5%と前年より9.7ポイントの減少、「旅行、レジャー費用の支出があったから」は11.9%と前年より3.1ポイントの減少、「耐久消費財(自動車、家具、家電等)購入費用の支出があったから」は8.6%と7.9ポイント減少しています。

単身世帯が金融資産保有額を増やした背景は、やはり収入の増加にありそうです。

金融資産の保有目的及び選択理由

金融資産の保有目的では、「老後の生活資金」が最も高く49.9%ですが、2015年と比較して3.3ポイント減少して50%を割ってしまいました。2人以上世帯は約70%が老後の生活資金を保有の目的にあげているのと比較すると随分低くなっています。2番目は「病気や不時の災害への備え」が44.1%ですが、前年と比較して2.7ポイント減少しています。ここまでは2人以上世帯と変わることがありませんが、単身世帯では3番目に「とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心」が入っています。

金融商品の選択の際に最も重視していることは、「元本が保証されているから」が26.6%と最も高く、「利回りが良いから」は18.3%、「将来の値上がりが期待できるから」は14.6%となっています。

今後保有を希望する金融商品は、預貯金が最も高い44.7%で2015年と比較すると2.8ポイント減少、いずれかの有価証券の保有を希望している世帯は23.7%と前年と比較して3.3ポイント減少しています。有価証券の中では、株式が16.5%と前年と比較して1.9ポイント減少、株式投資信託が7.3%と前年と比較して1.2ポイント低下しています。

調査をしたのが2016年6月17日~7月26日と、英国のEU離脱があって相場が乱高下した局面ですから、安全性を希望するのは致し方ないのかもしれませんね。

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