たかがお金、されどお金で悩ましい
お金ってなに?
帯に、「ホンネをぶつけ合うことで導き出された仕事と恋に聞く『人生とお金の20の真実』」とありますように、この本は、経済評論家の山崎元さんと共著です。
実際に、筆者が、お受けした相談について、ご本人のご承諾を得て、仮名でご紹介し、回答を導き出したものです。
本の生まれた経緯については、また拙著をお読みいただくことにして、この本で、著者がお伝えしたかったことをお話しましょう。
みなさんにとって「お金」とは何ですか?
十分すぎるほどは求めないけれど、困らないだけはあればいいし、あったら安心という感覚でしょうか。
また、お金があれば必ず幸せになれるというわけではないけれど、お金がないと、子どもに十分な教育を受けさせることも、暖かな住処を手に入れることもできないので、お金は人生に大切なもの、でしょうか。
筆者は、日頃、様々な「お金」のご相談をお受けしていますが、否応なく、「お金」に振り回される人生がいかに多いことか!と感じています。みなさんも痛感されていると思いますが、「お金」の問題は、人生と切り離すことはできません。
「たかがお金、されどお金」です。
人の悩みは尽きないけれど
例えば、拙著の中には、おつき合いをしている男性と結婚を考えているのだけれど、お金への考え方にズレを感じ、決断ができかねているというご相談や、子ども教育について夫婦の考え方の違いをどうするか、そもそも教育費の支出はいくらくらいまでを目安にすればよいのかといったものから、転職、退職について、将来の不安から、すすめられた不動産投資や金融商品を買ってもよいかなど、様々なご相談があります。それらについて、著者同士は、かんかんがくがくと意見を戦わせて、はっきりと解決策を提示しています。
人の悩みは千差万別だし、人生の中で何に価値を求めるかは様々なのに、そんなことができるの?とお感じになりましたか?
確かに、悩みは多種多様ですが、一つ明確なのは、「お金は、あくまで手段だ」ということです。
お金とはなにか
更に考えてみましょう。「手段であるお金」とはなんなのでしょう。言い換えれば、お金は、目的ではなく、自由を拡大することができる手段です。
お金があれば、欲しいものが買えますし、行きたいところに行くことができます。
世の中の多くのサービスはお金で買うことができますので、家事の代行や、保育を利用することで、仕事の時間を確保したり、生産性を上げることもできます。
トラブルにあったとき、弁護士を立てたり、子どもを塾に通わせたりすることで成績を上げたりと、お金で解決できる問題も多いでしょう。
つまり、これが手段であるお金の本質であり、この「手段であるお金」の問題は、「合理的に解く方法」が必ずあるのです。しかも、かなりシンプルに答えを出すことができます。
次回から、そのシンプルな方法をご案内します。これさえ抑えておけば、あなたは、今後20年、30年、お金のことで悩むことも、振り回されることもないでしょう。
アドラー心理学では、「すべての悩みは人間関係の悩みである」とされていますが、お金の悩みも根っこは同じです。お金の使い方は、人間関係そのものであり、お金の管理の仕方は、人の生き方そのものです。
私はよく、「あなたはあなたが使ったお金でできている」ということを言いますが、人生の中で、「お金」をどう管理し、扱えばよいかということは、そもそもどう人生を生きていくのかということに他ならないのです。
ぜひ、一緒に人生の中での「お金」の考え方を勉強しましょう。