スマホ時代の繋がり易さNo.1へ
ソフトバンクモバイルから、2013年夏モデルが3キャリアのトップを切って発表されました。今回の夏モデル発表会では、長年の通信品質の改善状況、フルセグなど映像機能が向上した新モデル6機種とルーターなどを含む計9機種、ヘルスケアなどの新サービスが公開されました。通信品質については、ソフトバンク4Gにおけるイー・モバイルの1.7GHz回線の連携だけでなく、技術的な取り組みや改善施策を紹介。比較方法に多少の疑問もなくはありませんが、実際にソフトバンクモバイルのモバイルワークの通信品質は改善していますので、今回、改善にいたった理由が詳しく説明されたことは評価できると思います。
新モデルでは、大量の機種による機能差や性能差を提供する方向から、機種を絞ってソフトバンク4G、フルセグ、小型・軽量、デザイン、サービスといったユーザー利用面での向上を強く打ち出しているのが特徴となっています。
また、最近話題のクラウドとスマートガジェットを利用したヘルスケアサービスの提供も発表されています。先にサービスインしたSmartTVサービスとあわせて、スマートフォンを利用したサービス展開が着々と拡張されています。
ダブルLTEや小セル化で繋がりやすさを改善
スマートフォンの普及により、モバイルトラフィック量は2008年から現在にいたる5年で約60倍にまで急速な増加をしており、パケット詰まりによる通信トラブルも増加しています。長年通信品質が課題と言われ続けてきたソフトバンクモバイルは、スマートフォンやLTEなどの高速なモバイル通信が主流となった時代背景を踏まえて、3つの取り組みで通信品質の改善を進めてきたとしています。
1. Wi-Fi環境の改善
スマートフォンの自動接続からSIM認証方式の導入によって、これまで10~20秒ほどアクセスポイントの認証にかかっていた時間を2~4秒ほどに短縮が可能としています。また、Wi-Fiアクセスポイントの増設のデメリットとして弱電地域でWi-Fi接続が優先されることでLTEや3G接続ができない問題に対処するため、弱電域ではWi-Fi接続を切ってLTEや3Gに切り替える接続方式も採用するとしています。同社では、こうした接続方式の複合的な活用に関して特許も出願しています。
2. 小セルとクラウド化
小セル化は都市部に集中するトラフィックを分散する目的で設置が進められていますが、東京銀座などのきわめてデータ量が多い地域では、小セル化した結果、混信が発生することで接続品質に影響がでてくることから、それぞれの小セルをまとめることで最適なデータ流通を計るクラウド化を採用して改善しています。
クラウド化は、1つの基地局にBBU(無線制御装置)を設置する方式から、センター基地局にBBUを設置する方式にすることで、SFN(Single Frequency Network)となり、小セル化した基地局を1つの基地局のように利用することができます。こうした技術を大規模エリアで実用化したのはソフトバンクモバイルが世界初となるそうです。また、小セルのクラウド化を実用化するにあたり、ビックデータによる通信ログ分析と調査を利用しているとも、説明されています。
3. ダブルLTE
ソフトバンク4Gは、ソフトバンクモバイルの2.1GHz帯に加え、イー・モバイルの1.7GHz帯を加えることで接続エリア、繋がりやすさの改善を図ることができます。
こうした取り組みにより回線に余裕が生まれ、第三機関などの調査での通信速度での好結果に繋がっていると説明しています。
クラウドサービス拡張へ 第1弾は健康管理をスマホで実現する「SoftBank HealthCare」
ソフトバンクモバイルが新たに開始するのがクラウドを利用した健康管理サービス「SoftBank HealthCare(ソフトバンクヘルスケア)」です。
このサービスは、世界で1番使われているワイヤレスリストバンド型スマートガジェット「fitbit」とスマートフォンアプリ、24時間365日利用できる電話での健康相談を組み合わせたサービスとなります。
「fitbit」で日々の運動や睡眠を自動記録してスマホでチェック、生活改善がかんたんにできます。またアプリでは、記録されたデータを元に20年後の自分をシミュレーションする機能「タイムマシン」も利用することができます。
それでは次のページから、今回の新製品を紹介しましょう。