定期預金には金利の下げ余地が残る
高金利預金をチェック
また、20年、30年などの超長期金利は0.3~0.5%前後まで上昇し、7月ごろまでの長期金利・超長期金利の底抜け感は後退した感があります。
長期金利に限れば、日本銀行の政策金利の誘導目標(短期金利)が-0.10%であるにもかかわらず、7月8日には-0.30%まで低下したのです。さらなる金利の低下があれば、預金金利が本当にマイナスになりかねない雰囲気さえあったのです。マイナスになることはないのでしょうが、メガバンクの定期預金金利は0.01%、普通預金金利は0.001%ですから、定期預金金利にはまだ下げ余地があると言えるのです。
定期預金金利が仮に普通預金金利並みに0.001%になったとしたら、100万円を1年預けてもその利息額は10円、税引き後は9円になります。あえて税引き後の利息額を表示したのは、利息に対する税金は所得税15.315%、住民税5%で計算されますが、税金は1円未満は切り捨てられるため、住民前は実質非課税になるのです。話がそれましたが、実際には金利0.001%に下げる前に0.005%などと段階を踏む、言い換えれば普通預金と定期預金の差別化を計ると思われます。
金利年0.3%を提示する銀行がまた1つ減ることに
定期預金では好金利を得ることが重要です。かつて好金利4兄弟、あるいは5兄弟とガイドが呼んでいた地方銀行のインターネット支店に注目してみましょう。荘内銀行わたしの支店、香川銀行セルフうどん支店、愛媛銀行四国八十八カ所支店、トマト銀行ももたろう支店、高知銀行よさこいおきゃく支店は、日本銀行の度重なる金融緩和により好金利の看板を次つぎにおろしてしまいました。余談ですが、鳥取銀行とっとり砂丘大山支店にも前記5兄弟と同等の好金利預金を取り扱っていたのですが、最低預入金額500万円と高額のため兄弟に入れていません。
2月のマイナス金利導入後、1年定期で年0.30%を提示していたのはわずか2行のみ。愛媛銀行の四国八十八カ所支店「だんだん定期預金」、高知銀行よさこいおきゃく支店「よさこいおきゃく定期」だけでしたが、10月4日よりよさこいおきゃく定期が金利を年0.25%に引き下げてしまったのです。
金利年0.25%すら風前の灯かも?
だんだん定期だけが年0.30%の金利を提示していますが、預入金額は1口=100万円だけ。それ以上は金利年0.25%となってしまう、言い換えれば既に好金利の主流は金利年0.25%または同0.20%へ低下し始めていると言っても過言ではないのです。日本銀行がマイナス金利の深堀りを行わなくても、既に銀行の体力を蝕み始めているのです。マイナス金利が長期化が続くほど、好金利を提示する銀行の数が減り、また好金利の水準自体も低下して行く可能性が高まりつつあるのです。
とすれば、だんだん定期の金利が金利年0.25%に引き下げられるのも時間の問題と言えるかもしれません。しかも、金利年0.25%の定期預金は1年物、かつ預入金額は1人100万円までに限られるのです。100万円を超えた場合、100万円超は金利年0.20%になってしまうということになります。