グランプリシリーズ2016が開幕!

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10月21日(日本時間22日)のスケートアメリカ開幕によって、今シーズンのフィギュアスケートのグランプリシリーズがスタートします。

グランプリシリーズとは、週末ごとに、アメリカ、カナダ、ロシア、フランス、中国、日本(NHK杯)の6か国で開催される、世界トップレベルの選手たちが出場する大会の総称です。1~2つの大会にエントリーした選手たちのうち、その順位をポイント化した上位6名(組)が、12月8日からフランス・マルセイユで開催されるグランプリ・ファイナルに進出できます。

怪我などでグランプリシリーズに出られない選手も出てきますが、グランプリ・ファイナルに進出するというのは、そのシーズンの前半で世界上位6人(組)に入ったともいえることであり、選手たちにとっては大変な名誉です。さらに、シーズン後半への後押しにもなります。

昨シーズンのグランプリ・ファイナル男子シングルでは、羽生結弦が優勝、宇野昌磨が3位に、女子シングルでは宮原知子が2位になっています。

ちなみに、ジュニアにもグランプリシリーズはあります。こちらは、8月下旬から10月上旬に世界7か国で開催され、すでにジュニアグランプリファイナル(シニアのグランプリ・ファイナルと同時期に同会場で開催)進出者は決まっています。
日本からは、紀平梨花、坂本花織、本田真凜の3名が出場します。
男子シングル女子シングルペアアイスダンス
ジュニアグランプリシリーズの動画


今シーズンのグランプリシリーズの見どころ ~滑走順が抽選に~

ジャッジの匿名性が廃止されたり、重複して跳んだジャンプの減点が少し緩和されたり、今シーズン、大きなルール変更が導入されました。(ルール変更に関しては、記事「ルール改正など……6月のフィギュア界雑感」も参照ください)

上記記事のあとさらに決まったこともあります。昨シーズンまでの10年ほどの間、グランプリシリーズの滑走順は、ショートプログラム(ショートダンス)は世界ランクの下位から上位に、フリーではショートの順位の下位から上位に、という順番で自動的に決められていました。

その滑走順ですが、今シーズンからは抽選になることが決まりました。ショートでは全員で抽選、フリーではショートの順位によって上位と下位グループに分け、そのグループ内での抽選となります。

10年ほど前までは、どの大会もこうした方式の抽選で滑走順を決めていました。個人的な感覚ですが、さまざまなレベルの選手がランダムに登場するこの滑走順では、トップ選手の凄さをいつも以上に感じられたり、またそうでない選手たちもトップ選手たちに触発された演技を見せてくれたりと、エキサイティングだったように感じていました。出場選手が最大12人、しかも世界トップレベルの選手ばかりのグランプリシリーズでは、この抽選方法に戻ることで、スケート観戦がさらに楽しくなりそうです。


今シーズンのグランプリシリーズの見どころ ~シニアデビューの選手たち~

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今シーズンからシニアに上がった若い選手たちの活躍も期待されます。昨シーズンを振り返ると、シニアデビューしたばかりのボーヤン・ジン宇野昌磨エフゲーニャ・メドベージェワが、グランプリ・ファイナルや世界選手権で優勝したりメダリストになったりしたこともあり、今シーズンのシニアデビューの選手たちにも期待が寄せられます。

男子シングルでは、ネイサン・チェン(フランス大会、NHK杯)、山本草太(フランス大会、NHK杯)、デニス・ヴァシリエフス(ロシア大会、NHK杯。世界選手権などには出ているが、グランプリシリーズではシニアデビュー)、女子シングルでは、樋口新葉(フランス大会、NHK杯)、マリア・ソツコワ(フランス大会、NHK杯)、三原舞依(アメリカ大会、中国大会)、キム・ナヒョン(カナダ大会)、松田悠良(ロシア大会、NHK杯)らの活躍が注目されています。

偶然にも、NHK杯に出場するシニアデビュー選手が多くいます。プレシーズンにスケート界へどんな新風が流れ込むのか、日本で見られるのも楽しみです。


今シーズンのグランプリシリーズの見どころ ~演技内容~

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男子シングルでは、新4回転時代がどこまで進んでいくのか、が大きな見どころのひとつになります。

昨シーズン、ボーヤン・ジンが、3種類(ルッツ、フリップ、トウループ)持つ4回転のうち、ショートで2つ、フリーで4つ、合計6つを成功させて世界中を驚かせたのですが、今年になってから4月に宇野昌磨が4回転フリップを、9月に羽生結弦が4回転ループを、それぞれ史上初めて公式戦で決め、新4回転時代を一気に加速させました。

その後、ネイサン・チェンが10月上旬のフィンランディア杯で、ルッツ、フリップ、サルコウ、トウループの4種類のうち、ショートで2つ、フリーで5つ、合計7つの4回転を入れたプログラムを滑ったことで、男子シングルの新4回転時代がどこまで行ってしまうのか、いまや先が見えないところ来ています。

どの選手がどの種類の4回転をいくつ入れるのか、そしてそれをいかに美しく決めることができるか……男子シングルの最上位では、そんな戦いが繰り広げられそうです。

ただし、4回転ジャンプは、他のジャンプ以上に、身体に負担のかかるジャンプです。成功したときに着氷の足にかかる力も大きいですし、失敗したときには身体のさまざまな部分を氷に打ちつけることになります。試合で4回転を見ることはとてもわくわくすることですが、選手たちのスケート人生を考えると、彼らの身体が心配です。試合の戦略とスケート人生と、その2つのバランスがほどよく取れるといいのですが……。

女子シングルでは、次々に出てくるロシア選手たちの強さが今シーズンも光りそうです。エフゲーニャ・メドベージェワアンナ・ポゴリラヤエレーナ・ラジオノワエリザベータ・トゥクタミシェワユリア・リプニツカヤなど、どの大会でも優勝候補として登場します。

と同時に、やはり日本選手たちの強さも光ります。宮原知子浅田真央本郷理華村上佳菜子などグランプリ・ファイナルに進出経験を持つ選手たちがたくさんいます。

いずれも皆、それぞれに違った味わいのスケートを見せる選手たち。3回転+3回転やトリプルアクセルなど難しいジャンプだけでなく、演技を見ながら選手の個性や人となりを感じられるようになると、またおもしろさがぐっと深まります。

さらに、今シーズンは、2018年平昌オリンピックのプレシーズン。選手たちは、来シーズンにつながる演技、成績を残していきたいと考えています。プレシーズンにどんなプログラムを用意してどんな印象を残すのか、使用曲や振付け、衣装にも注目してみると、選手や彼らをサポートするチームの戦略や意図が見えるかもしれません。

▼グランプリシリーズの出場選手はこちらから(随時、変更されます)
男子シングル女子シングルペアアイスダンス

▼グランプリシリーズの順位表(大会が終わるたびに追加・変更されます)
男子シングル女子シングルペアアイスダンス



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。