家計簿・家計管理/家計管理の基本

公務員だからこそのリスクも⁉やりくり上手になる6つの家計管理術

景気や経営状況に左右される民間企業と違い、公務員は比較的安定しています。しかし、公務員だからこそのリスクもあるように思えます。公務員家庭の強みと弱みを理解したうえで、上手に家計管理をするポイントをお伝えしましょう。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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中間層の代表格である「公務員」

公務員というと、都道府県庁や市町村役場、学校、警察、自衛隊等、普段の生活に関わるあらゆるところに配属されている職業ですので、家族や友人など身近に「公務員」がいるという方も多いのではないでしょうか。公務員の給与は民間企業の給与水準と均衡させていますので、中間層の代表格といえるでしょう。
公務員のマネープランとは?

公務員のマネープランとは?

 

公務員の家計の特徴は?

「ライフプラン」が組みやすいこと
「安定しているから」とい理由で公務員を希望する若者が多いように、公務員の収入は景気に大きく左右されないので、一般企業と比べると安定しているといえます。将来の給与や賞与、退職金がある程度想定できるので、ライフプランが組みやすいのが特徴になります。

老後の不安が少ない
定年までしっかり働けば2000万円以上の退職金が見込めるため、会社員と比べると比較的老後の不安が少ないのが特徴です。夫婦でダブル公務員の場合、より不安が少ないようです。しかし、「退職金」という未来のお金がある故に、家計が甘くなりがちなのも公務員の特徴です。

借入額が多額になりがち
「属性が良い」と判断される公務員は、借入れがしやすい状況を作ります。従って、毎月の生活費がぎりぎりで貯蓄が少ないという状況でも、退職金で完済すればよいという考えから、車のローン、教育ローン、住宅ローンと気付けば多重債務になっている公務員家庭も少なくありません。
 

公務員の家計管理のポイント6つ

1.先取り貯蓄の習慣付け
「収入-貯蓄=生活費」といった先取り貯蓄でコツコツお金を貯めていくことは、どんな職業でも「家計を守る」ために大切なことです。公務員といえども、若い頃の収入は決して高くありません。

夫婦共に公務員だと余裕は出るかもしれませんが、夫だけ公務員で妻は専業主婦やパートという場合は、やりくりが必要になります。収入の範囲内で貯蓄と生活費を賄うことを基本スタイルにできるよう、しっかり家計を管理していきましょう。

2.年金の3階建て部分を作ろう
年金は1階部分の国民年金と2階部分の厚生年金の両方を受取ることができます。退職金がしっかりあるので、個人年金等で3階建て部分を備えるという意識は民間の会社員とすると低くなるようです。

しかし、退職金を当てにしたローンが多くなると老後資金が大幅に減りますので、若いうちからコツコツと個人年金等で3階建て部分を作るように心掛けましょう。平成29年1月からは公務員も個人型確定拠出年金に加入できるようになったので、これらを利用し老後資金を作っていくことが重要になります。

3.退職金を当てにした借金は1つまで!
前述のように、退職金で返済できるからと、車のローン・教育ローン・住宅ローンと多重債務にしてはいけません。退職金を当てにした借入れが増えれば老後資金が減るのは当然ですので、老後資金とのバランスを考えてローンを組むことが重要になります。

退職金を当てにした返済プランは実際はあまりお勧めできませんが、どうしてもという場合は、住宅ローンのみといったように、1つだけにしましょう。

4.住宅ローンの組み方
住宅ローンの返済期間を35年にして毎月の返済額を少なくしたうえで、退職金で一括返済させる返済プランを立てるケースが多いようです。しかし、毎月の返済が少ない分、教育費や車代は貯蓄をして、できるだけ住宅ローン以外のローンを組まないで済むようにマネープランを組んでいくことが大切です。

また、ボーナス払いの併用は民間企業の場合お勧めしませんが、公務員の場合はボーナス大幅カットというのは考えにくいでしょう。しかし、先のことはわかりませんので、ボーナス払いを併用する場合は、ボーナスの見込み手取り額の3分の1程度にしておくとよいでしょう。

5.資産運用は早い時期からコツコツと
公務員は多額の退職金をもらいます。従って退職金をもらってから、資産運用を始める方も多くなります。しかし、団塊世代の公務員の多くが退職金で投資を始め、リーマンショックで大きく損失を出しました。⇒資産運用を始める前に知っておきたい5つの心得

上手にお金を運用したいと思うなら、知識と経験が必要です。若いうちから、投資について学び、経済の動きを感じ取り、少しずつコツコツお金を投資することで、相場観が身に付き、個人投資家としてのスキルが身に付いてきます。

何かを始めるのに、遅いということはありませんが、「お金」に関することはやはり「時間」がかかるものです。退職してからではなく、少額でよいので若いうちから経験を積むようにしましょう。

6.定年後の再任用について
再任用制度が整っているのも公務員の良い点です。辞めることはいつでもできるので、選択を迫られたら、再任用制度を活用して働くという選択がよいのではないでしょうか。

若い頃は「再任用で65歳までは働く!」と言う方が多いのですが、定年が近づくと体力低下等により、定年後はゆっくり過ごしたいという声を多く耳にします。退職金の大部分を老後資金に充てることができれば、老後の不安はそんなに大きくないのが公務員の良い点ですが、ローンの支払等で退職金があまり残らない家計の場合、当然ながら個人年金などの備えも無いケースが多くなり、定年後も働いて老後資金を確保することを考えなければいけません。

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