長期金利の上昇は債券投資に一筋の光

日本銀行がマイナス金利政策を導入してから、債券投資を取り巻く環境は悪化の一途でした。新窓販国債の発行は全種類が新規発行停止、個人向け国債は最低保証金利の0.05%に張り付いたまま。少しでも好金利を求めて個人向け社債を探しても、新規発行は開店休業状態に近いありさまでした。

たまに新規発行が行われてもそのほとんどが条件の良い個人向け社債とは言えない代物です。個人向けではありませんが、機関投資家向けなどでは、2016年10月にトヨタ自動車の子会社のトヨタファイナンスが発行した償還期限3年の社債の金利はなんと0.0003%。普通預金よりも低いのですから、あいた口が塞がらない状況です。

そんな強い向かい風が吹いていた中、一筋の光を与えてくれたのが米国の新大統領トランプ氏。同氏が米国大統領選に勝利した後、米国の長期金利は急騰。つれて日本の長期金利もプラス圏まで上昇してきたいのです。

10年国債の落札利回りがプラスに!

長期金利がプラス圏に上昇したことから、2016年12月発行の10年物国債(長期国債)の落札利回りは2月2日以来、10カ月振りにプラスで落札されました。銀行、生命保険会社にしてみれば朗報と言えますが、債券投資全体からみれば依然として道半ばということに変わりありません。

プラス圏で落札されたとはいえ、2年物、5年物、10年物の新窓販国債は新規発行が停止されたまま。個人向け国債も、3年物、5年物、10年物の金利は全て最低保証金利の0.05%に張り付いたままであることに変わりないからです。

国債を取り巻く環境は惨憺たる状況ですが、私たち個人投資家が投資する債券は何も国債だけではありません。個人向け社債という選択肢があるのです。しかし、個人向け社債の新規発行に関しては、これまで国債と変わらないような状況だったと言っても過言ではありませんでしたが、少々風向きが変わってきたのかもしれません。

新規発行は増え始めている

ほぼ開店休業状態だった個人向け社債の新規発行。その新規発行の風向きが変わり始めたのが12月入ってから。正確には11月下旬から準備はしていたので、11月から変化が見られたと言うのが正しいのでしょう。

12月3日現在で、12月に発行が決まっている個人向け社債は5銘柄もあるのです。電力会社が3社、ガス会社、銀行がそれぞれ1社となっています。いずれも募集は12月5日から始まって締め切りまで2週間程度ありますが、売り切れがあり得ることには注意が必要です。

順にご紹介していくと……

広島ガス。償還期限は4年、表面利率は0.23%、発行額は50億円、引き受け幹事証券は大和証券です。

四国電力。償還期限は3年、表面利率は0.14%、発行額は100億円、引き受け幹事証券はSMBC日興証券です。

東北電力。償還期限は3年、表面利率は0.14%、発行額は100憶円、引き受け幹事証券は野村証券です。

北海道電力。償還期限は3年、表面利率は0.15%、発行額は100億円、引き受け幹事証券は大和証券です。

三井住友トラスト・ホールディングス(劣後特約、実質破綻時免除特約付)。償還期限は10年、表面利率は0.62%、発行額は300億円、引き受け幹事証券は大和証券です。

11月28日から募集している個人向け社債には北陸電力。償還期限は4年、表面利率は0.17%、引き受け幹事証券は大和証券です。

ただ、電力会社が発行する個人向け社債は、購入できるの人がその電力会社の電力供給地域に在住、在勤の方に限られるなどの縛りがあることに注意が必要になります。


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