禁欲は厳禁!? 精子の質が肝心
精子と卵子が結合する「受精」は、複雑でさまざまな要因がそろったときに可能になる繊細なもの
繊細な「妊娠」のメカニズムをおさらいしてみましょう。男性は1回の射精で無数の精子を放出します。しかし、受精というゴールにたどり着けるのは1個だけ。パートナーの体の中で数日間生き延びるほどの生命力があり、形が良くて、活発で、しかも幸運だった1個です。
妊娠するためには、男性は射精さえできればいいわけではありません。生命力が強くて、形が良くて、動きが活発な「質のいい精子」ができるだけたくさん精液の中に含まれていなければいけません。逆に言えば、放出されてすぐに死んでしまう精子、動きが活発でない精子、形が良くない精子など、「質の悪い精子」もあるということです。
精液の中に含まれる「精子の質」が肝心なのです。健康な男性は1分間に約5万個もの精子を生産しています。精子はその後、72時間かけて成熟します。男性のそのときどきの健康状態やストレス度合いによって、精子の質に大きな差が生じることが知られています。
不妊の原因が男性側にある確率は、女性側に原因がある確率とほぼ同じ。「不妊かな?」と思ったら、女性だけでなく、男性も早めに病院での検査を受けることをおすすめします。
最近はスマホのカメラを使って自宅で簡単に自分の精子の質を調べられるサービス「Seem(シーム)」も登場しています。心配な人はとりあえずこちらを利用してみてもいいでしょう。
ちなみに、「できるだけ禁欲してからセックスしたほうが一度に大量の精子を放出できて妊娠しやすいのでは?」と考える人も多いようですが、それは間違い。禁欲期間が長すぎると精子の生産性が低下します。古い精子は生命力や活力が落ちます。最低でも1週間に1回は射精して、常に新鮮で活力ある精子が放出できるようにしておいたほうがいいと言われています。
排卵日のセックスでは、やや遅い!
女性の月経周期は一般的に約28~32日。年齢を重ねると周期が短くなることが知られています。通常、月経周期のほぼ中間点で排卵が起こりますが、生活習慣やストレスなどの要因で変化します。一度の排卵で排出される卵子は通常1個。排卵された卵子は卵管を通って子宮に向かい、精子との遭遇を待ちます。
めでたく精子と出会った卵子は、受精卵となって細胞分裂を繰り返しながら子宮へと向かいます。3~5日くらいで子宮にたどり着き、ふわふわのベッドのような子宮内膜に身をうずめ、着床。このときはじめて妊娠が成立したことになります。
受精卵が着床せず不要になった子宮内膜は剥がれ落ち、体外に出されます。それが月経。月経後、次の排卵に向けて、新しい子宮内膜が再生されます。
排卵後、卵子が生存できるのは約24時間。その間が受精のチャンスです。妊娠の確率を高めるため、排卵日に合わせてセックスすることが重要であることは多くの人が知っているはずです。
しかし、実は最も受精しやすいのは、排卵日の1日前から排卵日にかけてセックスすることなのです。体温の変化などによって排卵したことがわかってからセックスをするのでは、タイミングとしてやや遅いのです。
基礎体温を測るより正確に排卵日を知る方法とは?
卵巣から卵子が出てから精子がそれをめがけてレースを始めるのではなく、卵子が出てきたときにはすでにそこに精子が待ち構えているようにしたほうが、受精しやすいということです。排卵日を知る方法としては基礎体温のチェックが有名ですが、これは基本的に、排卵があったことを事後に知る方法です(毎月のリズムを記録して、予測はするわけですが)。しかし、排卵日予想検査薬「ドゥーテストLHa」を使用すれば、排卵日の約1日前に、より正確に排卵の予兆を知ることができます。
「ドゥーテストLHa」はLH(黄体形成ホルモン)の変化を捉え、最も妊娠しやすい時期(排卵日)を約1日前に予測する検査薬
男性も女性も正しい知識を身につけたうえで、排卵日検査薬というツールを使って自分の体についても詳しく知る。そんな前向きな妊活ライフを過ごせるといいですね。
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取材協力:ロート製薬株式会社