自営業者のお金の悩みとは?
自営業をしている方からの相談で一番多いのは、お金の管理の仕方が分からないというものです。特に女性の場合、家計も預かるうえに事業にお金の管理もとなると財布は同じなのに、仕分けをしなくてはいけなくなったりと頭が混乱しがちです。起業してから3年程は、赤字になることも多く、家計から事業への赤字補てんも少なくありません。また反対に事業で得たお金で家計の赤字を補てんするといったように、家計と事業のお金がいったりきたりと混在し、ついには分別がつかなくなってしまいます。
確定申告はしているが、家計簿はつけていない?!
毎年、確定申告をしていても、家計簿をつけていないというケースをよくお見かけ します。確定申告をしているからと、お金の管理をしたつもりになっているようですが、家計あっての事業なので、まずは家族が生活するのに毎月いくらお金がかかっているのか?と家計簿をつけて知ることがスタートです。収入と支出、貯蓄額、負債額を把握し、家計が黒字で貯蓄がある程度貯まっている状態で事業を始める事が大切です。なぜなら、当初3年程度の事業が安定するまでは、事業の赤字を補てんする必要性も当然ある為、家計も事業も赤字だと生活が成り立たなくなってしまい、本末転倒になりかねません。
まずは家計簿をつけ、黒字の家計から作り上げることが先決と言えます。
パートナーが起業する場合の家計と事業のマネジメント方法
起業家の多くが、自分の夫や妻が会社員というケースが多くなります。私自身、夫が会社員ですが、会社員である夫の給料は生活の糧であり安定です。家計における太い柱があるが故に、起業できたといっても過言ではありません。このような状態で起業する場合、まずは会社員である夫の収入だけで生活ができるような家計を作っておくことがとても重要になります。更に家計から事業へお金を補填してもぐらつかない程度の貯蓄があれば、起業後しばらく収入が少ない・赤字の状態でも毎日の安定した生活を送りながら事業を継続させることが可能になります。
自営業者の場合、会社員と違い毎月一定額のお給料というわけにはいきませんので、月ベースと年ベースの両方で考えることも必要です。
事業である程度利益が出せて、家計からの補填の必要がなくなったら、事業用貯蓄を持つようにしましょう。事業を続けるには経費が必要で、時には大きな支出もあることでしょう。また、収入と支出も時期によってバラツキが出るものです。お金が足りない時期でも家計からの補填を卒業できるように、貯蓄を持ち備えていきます。家計での貯蓄にも緊急予備資金という考え方があるように、一定の事業用貯蓄を持つ事は事業の安定化を図ります。
事業収入から税金や社会保険料といった租税公課や経費、事業用貯蓄を賄うことができたら、給料という意味合いで毎月一定額を家計に流し、事業と家計と両方を強くしていくようにしていけるようになります。
自営業だけじゃ生活できずパートを始める場合のマネジメント
反対にもともと自営業者で、事業だけでは生活が成り立たないから夫婦どちらか一方が会社員やパートになるといったのも農家などではよく見かけるケースです。この場合でも最初にやるべきことは、やはり「家計簿」です。毎月生活していくには最低限いくらかかるのか?家計簿をつけて支出をしっかり把握していく必要があります。それで、いくら足りないのか?月ベース、年ベースの両方で見ていくといいでしょう。
そして、毎月の生活にかかる費用と、事業を継続させるに必要な費用や租税公課と、貯蓄を足したものに対し、今の収入ではいくら不足するのか?計算します。それで不足する分を、会社員やパートとして稼いでいきましょう。それでも家計と事業の赤字が改善されないようであれば、事業計画の立直しや、そもそも事業としての在り方を根本的から考え直す必要があります。
強い家計を作るのが起業家のマネジメントの第一歩
私は、家計がお金の基本だと思っています。家計が成り立っていない状態で起業したとしても、お金の管理方法や考え方が未熟な為、事業用資金やマネジメントという面でもつまづきやすくなります。だからこそ、家計がしっかり自立していること、強い家計を作ることは起業家のマネジメントの第一歩ではないでしょうか。【関連記事をチェック】
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