国内最大級! 京都鉄道博物館の見どころ
京都鉄道博物館 公式HPより http://www.kyotorailwaymuseum.jp/
2016年4月にオープンした京都鉄道博物館。JR西日本が開設したミュージアムは国内最大級の規模だ。梅小路蒸気機関車館を拡張する形でできあがった鉄道の総合博物館は、SLから新幹線までバラエティに富んだ車両のラインナップだが、動態保存の蒸気機関車を何両も間近に見ることができる魅力は、他の鉄道系博物館にはない迫力だ。その詳細をレポートしよう
列車を編成で展示するプロムナード
エントランスホールと本館をつなぐ長さ100mほどのプロムナードは、駅のホームをイメージした展示スペースだ。入ってすぐのところに、左からC62形蒸気機関車、湘南電車の元祖80系、そして0系新幹線電車が並ぶ。車両単体での展示なら他の鉄道系博物館でもよくある形だが、ここの展示がユニークなのは、列車編成での展示であることだ。C62形の後ろには旧型客車が2両連結されているし、80系電車も2両編成。そして、0系新幹線に至っては、4両編成である。
プロムナードの本館寄りには、国電として一世を風靡した103系電車(これは1両のみ)、ユニークな形で知られたDD54形ディーゼル機関車がブルートレインの食堂車を従えて保存されている。
豪華寝台列車トワイライトエクスプレスに再会
本館に入る前に、左手を見ると電気機関車が並んだコーナーがある。トワイライトプラザで、2両の電気機関車にサンドウィッチされた形のブルートレイン1両と専用塗装のEF81形電気機関車にけん引された豪華寝台列車「トワイライト・エクスプレス」の客車2両が展示されている。ついこの間まで現役だった車両だけに、時の流れの速さを感じてしまう。本館の目玉は、500系新幹線と2つの特急電車
いよいよ本館の中へ。手前に古典的な蒸気機関車230形が置いてあるけれど、メインはホール中央に並んだ3両の電車である。左から500系新幹線、581系寝台電車、489形特急電車のいずれも先頭車。581系はデビュー当時の列車名「月光」、489形は、関西では馴染みの「雷鳥」のヘッドマークを取り付けている。500系新幹線が早くも博物館入りとは意外である。他には初代ディーゼル特急のキハ81形や貨車が目につくけれど、EF66形電気機関車とDD51形ディーゼル機関車が天井から吊るされたような形で展示してあるのが面白い。車両の足回り(車輪など)を下から見上げるように観察できるのがユニークだ。
各種展示とスカイテラス
本館2階には、巨大な鉄道模型のジオラマ、新旧の駅改札口付近の展示、運行のしくみなど技術的なことがらを分かりやすく学べるような展示が多い。鉄道に詳しくなりたい人は、じっくり見て回ろう。また、レストランや休憩所もある。本館3階のスカイテラスは一見の価値がある。博物館の脇を通る列車を眺めたり撮影したりできるからだ。それも東海道新幹線、在来線の東海道本線、普通電車から新快速、特急、貨物列車に至るまでひっきりなしに通り過ぎていく。背後には東寺がそびえ、京都らしい情景を撮影できる。
SLの殿堂は、今も健在
あと忘れてはならないのが、旧梅小路蒸気機関車館のコーナー、SLの向きを変えるターンテーブルを中心に、それを取り囲む形の扇形庫と20両の蒸気機関車である。うち8両が動態で、構内運転の「SLスチーム号」として客車を連結して活躍している(乗車料金は300円、中学生以下は100円)。C57形1号機は「SLやまぐち号」として運転する時は、山口線に出張のため見ることはできない。また、D51形200号機は動態復元作業中で、2017年以降に山口線などでの運転が予定されている。
扇形庫の裏にある建物は、旧二条駅の駅舎を移設したもので、蒸気機関車館の資料展示場所であったが、京都鉄道博物館がオープンしてからは、出口であり、土産物売り場でもある。目移りするほど多くの記念品やグッズが販売され、財布のひもが緩んでしまう。
一度ではとても充分見きれない展示内容は、リピーターとして何度も足を運ぶ必要があろう。また、さいたま市の鉄道博物館、名古屋市のリニア・鉄道館と鉄道系ミュージアムをはしごして見比べると、鉄道の奥深さが理解でき、より楽しい時間が過ごせると思う。
■ 京都鉄道博物館について
休館日=水曜(夏休み期間は無休)
入館料金=一般 1200円、大学生・高校生 1000円、
中学生・小学生 500円、3歳以上の幼児 200円
アクセス JR京都駅から西へ徒歩20分、バスの便あり
詳細は、京都鉄道博物館の公式サイト参照