バイク用ヘルメットの種類!アメリカンなジェットからフルフェイスも
ジェットヘルメット顔の部分が大きく開いたタイプのヘルメットです。ヘルメットの歴史を紐解くと1950年代アメリカで最初に生み出された"乗用車用ヘルメット"最初のスタイルで、ここからフルフェイス、オフロード、システム……とタイプごとに進化していきました。
顔がむき出しなので、サングラスなどのアイウェアをかけたり、ジェットヘルメット専用のシールドを装着するなどして顔(特に眼)を守らねばなりません。近年では眼を守るシールドが収納可能なタイプも出てきましたね。万が一の転倒時には顎を打ってしまうなど 安全性という点ではフルフェイスには及びませんが、その一方でファッション性という点で自由度の高いタイプでもあります。"ハーレーに似合うか否か"で見るとファーストチョイスとなるでしょう。
フルフェイスヘルメット
頭を全体的に覆ってくれる安全性の高いフルフェイス、ヘルメットと聞いてまずこのフォルムを思い浮かべる人も多いことでしょう。開閉可能なシールドも標準装備のものがほとんどで、アイウェアなどを用意せずともこれひとつで頭全体を守ってくれます。
バイクに求めるもの次第でチョイスが分かれるヘルメットの中でも、とりわけ"スピード"を求める人(もしくは速さを楽しむバイク)ならばフルフェイスを選びたいところ。ハーレーのなかにもそういったモデルがあるので、組み合わせ次第でハマると言えますね。
オフロードヘルメット
オフロード(未舗装路)へと道を求めて進化したオートバイ(オフロードバイク)に追随するように、フルフェイスからオフロード専用に進化したのがこのオフロードヘルメットです。形状はフルフェイスながら、飛び散ってくる泥や砂への対策で備えられた大きなバイザーやチンガードが特徴的。
こちらは競技色が強いゴーグルとの組み合わせるタイプと、フルフェイスと同じくシールドが標準装備のタイプとがあります。このオフロードスタイル、近年はストリートシーンに映えると街乗りで着用するライダーも増えてきています。個性的なグラフィックのモデルも多いので、組み合わせ次第で意外なカッコよさを演出できそうですね。
ハーフヘルメット
俗に「半キャップ」とも呼ばれるハーフヘルメット。ご覧のとおりベースボールキャップのような形状のヘルメットで、ジェットヘルメットよりもさらに帽体が小さいモデルです。より顔が露出されているタイプなので、ファッション性という点から見ればもっとも秀でていると言えます。
ヘルメットの形状(タイプ)について、特にバイクの排気量で着用制限などがされているわけではないので、401cc以上のモデルが揃うハーレーダビッドソンに乗車する際に着用しても、法的に咎められることはありません。ただ、ガイドとして推奨できるタイプではないので、あくまでこういうヘルメットもある、という紹介に止めさせていただきます。着用の是非については、自己責任で。
それではここから、ガイド視点での「ハーレーに似合うヘルメットブランド & 製品」をご紹介します。
ブランド別ヘルメット製品!ハーレー公式など
ハーレーダビッドソン(国産)ハーレーダビッドソンというブランドを冠したオフィシャルヘルメットです。ベースは国産メーカー「アライ」製で、世界トップクラスの技術力から生み出された機能性を持ちながら、現在ハーレーが打ち出している「ダークカスタム」のコンセプトに則った黒を基調にハーレーの伝統であるレインボーデザインをシルバーで入れた最高級ヘルメットです。
たとえハーレーであってもスポーティなライディングを楽しみたい。このフルフェイスにはロードスターやストリートロッド、ファットボブ、FXDR114によく似合うでしょう。
こちらはジェットタイプの公式ヘルメットで、ハーレーらしいナンバーワンエンブレムやフレイム(炎)デザインのもの、そしてビンテージハーレーのエンブレムをデザインとして復刻させたタイプと、現ハーレーのあらゆるモデルとも相性が良い仕上がりのヘルメットが揃っています。
ハーレーの伝統デザインを踏襲したジェットヘルメットは、どんなモデルにでも似合う万能タイプ。そのなかでもクラシカルなエンブレムとの相性と見ると、ヘリテイジやソフテイルスリム、ストリートボブ、アイアン1200などでしょうか。
SHOEI(ショウエイ)
昨年ヨーロッパで大きな話題となり、いよいよ日本上陸を果たした"逆輸入モデル"SHOEI EX-ZERO。1980年代に同メーカーがオフロードシーン向けに発売した「EX-2」にインスパイアされた現代モデルで、アライと双璧を成す国産メーカーにふさわしい機能性を持たせつつ、シルエットは'80年代の世界観を見事に再現したヘルメットです。
収納可能なスクリーンの使い勝手はもちろん良好ですが、別売のゴーグルと組み合わせればさらに雰囲気が高まること間違いなし。スポーツテイストのモデルにぴったりな製品ですね。
クラシカルでスポーティな要素を兼ね備えていることから、フォーティーエイトやソフテイルスリム、ファットボブ、ストリートロッドなどがよく似合いそうですね。
そのEX-ZEROと同じ収納型スクリーンを備えるSHOEIのジェットヘルメットがこの「J・O」。シンプルに見せつつも現代のロードシーンで最善を尽くしてくれる機能を兼ね備えた製品とするSHOEIの自信作です。
単色系のほか、レーシーなグラフィックにデザインされたものなどバリエーションが豊富なのも魅力的な「J・O」。クラシックテイストに限らない、どんなタイプのバイクにも似合ってしまうところも大きなポイントですね。
シンプルだからこそどんなバイクにも似合うSHOEI「J・O」は、アイアン883(左上)からフォーティーエイトスペシャル(右上)、ローライダー(左下)、ストリートロッドスペシャル(右下)とカテゴリーを問わない万能ぶりが魅力。
その万能ぶりから、ストリート、スポーツスター、ソフテイル、ツーリングとあらゆるハーレーのカテゴリーにフィットしてくれます。マシンとヘルメットのカラーコーディネートがうまくできれば、これ以上ないほどの相性になるでしょう。
BELL(ベル)
現在は自転車用ヘルメットメーカーとして知られるアメリカのブランド「BELL」(ベル)ですが、元々はクルマ(カーレース)、そこからバイク用ヘルメットを手がけるという歴史を持つ老舗メーカーなのです。1960年代アメリカに造詣が深いハーレーファンなら知らないはずがない有名ブランドヘルメットが、ライセンスを取得した日本メーカーの手によって復活を遂げました。
この「500-TXJ」は、BELL初のモーターサイクル用ヘルメットとして手がけられた「500-TX」の復刻モデル。装着時のシルエットがなるべくコンパクトであることが望ましいと、SG規格ギリギリのサイズに収めた企業努力の賜物とも言うべきジェットヘルメットです。安全性が確保されているモデルの中でもっともコンパクトなものだと言えるでしょう。かぶり心地はかなりタイトなので、購入前のフィッティングは必ず行うことをお勧めします。
"クラシックアメリカンスタイル"という点から導き出されるのは、ヘリテイジ(左上)にストリートボブ(右上)、アイアン883(左下)、ソフテイルスリム(右下)といった 昔ながらのスタイルを踏襲するモデル。
伝統のスタイルには伝統のモデルを。古き良き時代のハーレーの姿を色濃く残すモデルがこのBELL 500-TXにはよく似合いそうです。
同じく1970年代アメリカで人気を博したBELLの「BELL STAR II」の復刻モデルも登場。その名も「STAR II」(スター2)。実際のビンテージモデルを徹底的に研究し、シールドや留め具に至るまでこだわり抜いたフルフェイスです。その上で、現代の道路事情を鑑みて視認性を高めるべく、オリジナルモデルよりもアイポートを広くするなどの工夫もなされています。スポーツスターでこのフルフェイスをかぶっていたら、なかなか渋いチョイスだと唸らされますね。
一般的なフルフェイスと異なるクラシックテイストを活かすならば、ロードスターやフォーティーエイト、ソフテイルスリム、ファットボブといった“伝統のスタイルを受け継ぐレーサー”が選ばれることでしょう。
BUCO(ブコ)/ トイズマッコイ
東京・恵比寿に店舗を構えるモーターギアブランド「トイズマッコイ」。これまでアメリカンカルチャーをインスパイアしたヘルメットを数多く手がけてきたトイズマッコイの新製品がこちら「サンダーボルト」。1970年代アメリカのヘルメットに実在するフレークデザインの復刻モデルです。ラメフレークとマットの2色が揃っているので、自分のバイクに合うテイストのチョイスができますね。
そして「FELIX THE CAT」はご覧のとおり、1960年代アメリカのアニメーションキャラクター「フィリックス・ザ・キャット」が描かれたキャラクターグッズ。マットブラックに白いキャットを描いた、まるで当時の白黒テレビのような世界観をヘルメットで演出しています。可愛く見せつつもクラシカルなテイスト満載なのが心憎いところですね。
ブラックスターが大きく描かれたトイズマッコイの定番製品「ワイルドワン」の新色 ビンテージゴールドとパールホワイトが登場。前者が1970年代、後者が1960年代と、同じデザインながらカラーテイストで世界観を使い分けているのはお見事。こちらも所有のバイクに近しいものを選ぶのをオススメしたいです。
左側に並ぶアイアン1200(左上)やデラックス(左下)とキャンディフレークを合わせたり、逆にマットデザインのヘルメットとストリートボブ(右上)やフォーティーエイトスペシャル(右下)のチョッパーモデルとを組み合わせるのも面白い。
アメリカの伝統的なヘルメットデザインをインスパイアした製品ばかりなので、あとは愛車とのカラーコーディネートでしょうか。キャンディフレーク仕様のヘルメットには、同じ1970年代の世界観を持つアイアン1200やソフテイルデラックスが合いそうですし、単一カラーでビンテージ感を打ち出すストリートボブやフォーティーエイトスペシャルには同じマットデザインのヘルメットがぴったり。マシンともどもブラックで統一できれば、ベージュのフィリックス・ザ・キャットがより印象づけられそうですね。
TT & CO
長きに渡って刻まれてきたバイクのヒストリーを紐解きながらさまざまなデザインにチャレンジしている東京・江戸川のヘルメットメーカー「TT & CO」(ティーティーアンドカンパニー)。新たにドロップした新作ヘルメットはフルフェイスとジェットの2パターンで、デザインはハーレー伝統のレインボーを象ったもの。
フルフェイスヘルメット「トゥーカッター」とジェットヘルメット「スーパーマグナム」それぞれを鮮やかに彩っています。頭が大きく見えないようコンパクトにしながらも安全基準をクリアしたヘルメットです、デザインはもちろんシルエットにこだわりたいハーレーライダーなら見逃せない製品でしょう。
「レインボー」「チョッパー」と言えば、ハーレーダビッドソンの歴史で黄金の輝きを放つ1970年代。その歴史に精通している人ならば、レインボー&チョッパーのアイアン1200を筆頭に、1970年代スタイルを受け継ぐローライダーやストリートボブ、そしてフォーティーエイトスペシャルが出てくるかと思います。
バイクのタイプやデザイン・カラーや背景知識が肝心
乗りたいバイクに乗る、かぶりたいヘルメットをかぶる。"とっておきの趣味の世界"なのでオーナーさんが気に入ったものを手にするのが一番。でもせっかくなので、「似合っていますね!」と言われたい(思われたい)ですよね。
ハーレーもそうですが、ヘルメットのデザインにも背景があり、バイクと似合っているヘルメットって実はそこが紐づいていることが多いんです。Googleの画像検索やアプリなどでいろんなヘルメットの原点を知ることもできるので、そんな背景探訪からとっておきのヘルメットを見つけてみてください。
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