知っていますか?おしどり夫婦の語源
おしどり夫婦ってホントはどんな夫婦?
いくつかのいわれがあるようですが、一つは中国の故事「鴛鴦(えんおう)のちぎり」からきたというもの。
その昔、宋の康王に、自分の美しい妻を権力で奪い取られたことをきっかけに、ある家来が自殺してしまいます。夫の死を聞き、悲嘆にくれた妻は「夫と一緒に葬って欲しい」と言い残して自ら命を絶ったのですが、王はその言葉に反発し、わざと2人の墓を向かい合わせに作ったのだそう。
ところが、梓の木がすぐにそれぞれの墓から生え、あっという間に伸びた木の枝が絡まり合って一つの木になり、みごと2人の墓は一つに結ばれたのだとか。
そして、この木の枝の上には、つがいのオシドリが棲みつき、悲しげに鳴いていたというお話で、この話にちなんで仲の良い夫婦のことを「オシドリ夫婦」というようになったのだとか。
そのほかによく聞く話としては、オシドリのつがいの1羽を捕らえてしまうと、残ったもう1羽がいなくなった相手を思い続け、挙句の果てに死んでしまうという言い伝え。「思い死ぬ鳥」という言葉が短くなって、オシドリという名前が付けられ、オシドリが一生相手と添い遂げる夫婦の象徴になったという話もあります。
鳥類の「オシドリ」の驚愕の夫婦生活
自然界の「オシドリ」とオシドリ夫婦の実態は、じつはだいぶ異なるようです。
しかしこれは、相思相愛のつがいが寄り添っているというよりは、自分の子孫を残したいオスが、カップルになろうとしてメスに必死に付きまとって居るようすなんだとか。繁殖期にオスの羽が鮮やかな色に変化するのも、メスの気を引き付けるために天が与えた「勝負服」。そして熱心な求愛行動の結果、無事にカップルが成立し、卵が生まれ、さあこれから夫婦での暮らしが始まるかと思っていると、オスはさっさとメスの元から去ってしまいます。
というのもオシドリをはじめとするカモ科は抱卵、子育てはメスのみが行うため、卵が生まれると即つがいを解消。そして次の繁殖期には、別の相手とつがいになり、再び自分の子孫をのこすために子づくりに励むのだそう。
つまり一生添い遂げるどころか、夫が子育てを放棄して離婚、翌年には違うパートナーと子づくりという、かなり「はかない夫婦関係」だというから驚きです。
むしろ、一生パートナーを変えないツルのほうがオシドリよりも「おしどり夫婦」なのだそう。
それでは、有名人おしどり夫婦を総復習してみましょう。