思わぬ展開で高値を抜いてきた金価格

金価格は2011年をピークに長らく下落基調にありました。長期トレンドを確認しますと、2013年から長期トレンドの指標となる200日移動平均線が明確へ下向き、長らく下落トレンドを歩んできました。しかし2015年12月に1,046.44ドルを付けたあたりから底打ちし、2016年1月に50日移動平均線が200日移動平均線を上に抜けるゴールデンクロス(長期上昇転換の目安となる)が発生したあと、50日移動平均線が下支えとなる強い形を見せています。
長らく続いた下落トレンドから脱却の気配を見せる金価格

長らく続いた下落トレンドから脱却の気配を見せる金価格

2016年5月2日に1,303.82ドルの高値を付けたあと、調整していますが、調整後に高値を更に抜けてくれば、上昇トレンドは鉄板の形となり、今後数年掛けて1,900ドルの最高値更新を目指す流れもあり得ます。2011年からの長期下落トレンドが何年も変わらなかったように、上昇転換した流れが当面続く可能性も十分あります。このあと確認として、一段高展開を見届ける必要ありますが、もしも完全なる上昇転換だとすれば、1,900ドルまで相当な値幅がある為、トレンドの若い今の内に狙えば、大きなリターンが得られる可能性があります。

SPDRゴールドシェアETF(東証上場:1326)

金への投資は現物よりETFがお手軽です

金への投資は現物よりETFがお手軽です

金のETFとして世界最大のものは米国籍の商品上場投資信託(ETF)SPDRゴールド・シェアで、米国での証券コードはGLDです。このETFは東証にも証券コード1326で二重上場しています。価格は円に換算された金地金価格に連動する仕組みで、ETF1口あたり1/10トロイオンスの現物金の裏付けがあります。

ETFの管理会社は発行したETF口数に相当するだけの純金を倉庫(米国)に保管します。日本にも同じ仕組みで三菱UFJ信託の運用管理する「純金上場信託(東証1540)」というETFが別にあり、同様に「純銀上場信託(東証1542)」も上場されています。純金そのものに投資する場合は、こうしたETFが良いと思います。現物の純金を持つのと違い、いつでも容易に、純金よりも低コストで売買・清算ができ、実質的な裏付け資産もあるからです。手元に純金があるか、管理会社の倉庫に預かってもらっているかの違い、と考えれば良いでしょう。

ちなみに日本にはほとんどありませんが、米国や香港に上場している金鉱株に投資する方が、金や金ETFに投資するよりもリターン(反対にロスも)はかなり大きくなります。金鉱会社のコスト構造上、金価格の上昇分を遙かに上回る利益増となるからです。反対に下落局面では、レバレッジ効果によって純金そのものよりも金鉱株は大きく下がります。

2015年12月の利上げは「利下げ」の号砲?

2015年12月に米国FRBは9年半ぶりの利上げを実施しました。金融危機後の臨時的なゼロ金利政策を解除し、金利ノーマル化を目指す歴史的な転換と思われました。しかしながら、その後の長期金利の推移を見ると、まるで利下げを行ったかのような、正反対の様相になっています。その誰も予想できなかった展開が、金価格を上昇トレンドに向かわせました。
利上げを機に、逆に長期金利は低下している

利上げを機に、逆に長期金利は低下している

通常、新たな利上げラウンドに入ると、その後も年数度のペースで小幅な利上げが続いて行くものです。そして将来的な金利上昇を予想して米国10年債利回りなどは上がり(債券価格は下落)、そして高金利通貨として米ドルも高くなって行きます。しかしながらドルインデックスも利上げを合図に下げる一方となっています。その結果、円高も進んでいます。
ドルインデックスも利上げを合図に下げる一方

ドルインデックスも利上げを合図に下げる一方

金利は金価格の重要なファクターの1つです。直近の米国GDPは弱く、欧州、英国、中国から弱い製造業の指標も出てきて商品・株式・債券相場を揺らしています。いずれにせよ、世界的な景気後退懸念によって金利水準は低く抑え続けられそうです。金には金利が付きませんので、低金利定着はゴールドの欠点を覆い隠し、価格上昇要因となります。ましてやマイナス金利の世界ともなれば、金の輝きは一層増します。

参考:米国株通信

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