オートバイを操る喜びを教えてくれる頑固なマシン!
ハイエンドな装備を持ち合わせた1200オーバーのスポーツバイク。そう聞いただけで「上級者モデルなんでしょ」と思ってしまうところですが、これほどビギナー向けのバイクはないというのが試乗した私の印象です。
扱い慣れていない方からすれば、驚くほどよく回る1,201ccエンジンはオーバースペックな感が否めませんが、乗り慣れてくれば、このパワーがロードスターの特性を活かす上で欠かせないファクターとなってくるのです。
ワインディングにクルージング、市街地とさまざまなシチュエーションで試乗ができたのですが、とりわけワインディングで体感した能力の高さが最も印象的でした。最初はどう扱ってやるのがいいのか、いろいろと試行錯誤を繰り返したのですが、最終的に行き着いたのは、オートバイを操る上での基本動作を忠実に入力してやることでした。
しっかり減速させて走行ラインをイメージし、ステップ荷重とハンドリングでバイクを倒しこみつつ、同時にスロットルをひねって一気に加速していく。強力なエンジンパワーがリアタイヤへと伝わり、タイヤをグリップさせながら力強く駆け抜けていく……。
ローダウン仕様のXL883N アイアン883やフォワードコントロールステップのXL1200X フォーティーエイトではできないスポーツライドをしっかりと楽しませてくれるのです。
見た目ほど尖っていないユルスポ!?
このロードスター、今バイクブームの中心軸と言われる「ネオクラシック」なるカテゴリーに属することから見れば、同モデル以上に能力が高いバイクはたくさんあります。単純にスペックだけで語るなら、ロードスターを選ぶ必要はまずないでしょう。ロードスターの魅力、それは他メーカーのモデルでは生み出せないハーレーらしいトルク感を味わえつつ、独特の雰囲気とともにスポーツハーレーがもたらすライディングプレジャーを存分に楽しめることなのです。
とんでもないスピードの世界に身を投じるのではなく、いい意味でのユルいスポーツライドを楽しむための設計となっているハーレー版カフェレーサー。教習所で教わった基本的な操作方法に則って乗れば、操りづらかったロードスターが驚くほど従順に、そして期待以上のパフォーマンスでライディングを楽しませてくれます。
噛めば噛むほど味わい深さを増すロードスターは、バイクとの語り合いが楽しいモデルです。現在、スポーツスターを所有しているオーナーが乗ってみれば、体感したことのないスポーツスターの新たな魅力に触れられることでしょう。
>> 気になるXL1200CX ロードスターのサウンドチェック!
[HARLEY-DAVIDSON XL1200CX ROADSTER SPECIFICATIONS]
全長/2,185mm
全幅/840mm
全高/1,080mm
ホイールベース/1,505mm
シート高/785mm
車両重量/259kg
エンジン型式/Air-cooled, Evolution
排気量/1,201cc
フュエルタンク容量/12.5L
フロントタイヤ/120/70R19 M/C 60V
リアタイヤ/150/70R18 M/C 70V
【メーカー希望小売価格】(消費税込/2016年5月現在)
[ビビッドブラック] 154万円
[ブラックデニム] 156万2000円
[ベロシティーレッドサングロ] 156万2000円
[ビレットシルバー / ビビッドブラック] 158万4000円