家計簿・家計管理/家計管理の基本

マイナス金利で預けるより「使う」ほうがお得な時代?

マイナス金利の影響で預金金利は引き下げられ、貯蓄型の保険商品も販売停止が増えています。幸せに豊かに生きる為には、私達のお金はどこに向かい、お金をどのように扱っていけばいいのか、ポイントをお伝えします。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

  • Comment Page Icon

お金は預けるより、使う方がお得になる時代

預金のメリットは流動性と安全性

預金のメリットは流動性と安全性

マイナス金利の影響で、普通預金の金利が0.001%に引き下げられ、連動 して生命保険の貯蓄型商品が販売停止になるなど、お金を預けてもメリットがない時代となりました。

お金を預けて得るメリットがほとんどない反面、お金を使うことにはいろんなお得な事が溢れています。銀行に対するマイナス金利の制度も、預かったお金を内部留保せずに融資の拡大等に使いなさいという意図があるように、マイナス金利は「国民もお金を貯め込まず使いなさい」という間接的なメッセージだと捉えられます。

お金は使えば減ります。しかし、お金を使わないと現代では生きていくことも難しいものです。賢く使い、お金を使うことでお得になるような方法を身に付けていくこともこれからの時代大切ではないでしょうか。

お金を使う事でメリットがあるものには以下のようなことが挙げられます。

クレジットカード…ポイントやマイルによる還元
百貨店の友の会、旅行会社の積立
NISA…売却益に対する税金が非課税
住宅ローン…超低金利、住宅ローン控除やすまい給付金

預貯金、保険、友の会、投資のメリットデメリット

■預貯金・財形貯蓄
お金を預けるといったら「銀行」での普通預金や定期預金、会社の財形貯蓄制度がメジャーです。しかし普通預金が超低金利になってしまったので、残念ですね。

■保険
学資保険や個人年金、養老保険や終身保険といった商品のように、毎月コツコツ保険料を払い込んだり、余裕資金を一時払いで10年以上預けたりと、保険でお金を貯める人も少なくありません。保険なので保障がセットでついてくる、預貯金と比べ、満期までは引き出しにくいという特性を生かすことで確実に貯めていく、預金より増えるという利点を生かしながら上手に活用します。しかし、貯蓄性の高い商品も販売停止や返戻率の引き下げが相次いでいる状況です。

■百貨店や旅行会社の積立
百貨店の「友の会」や旅行会社の積立も非常に人気があります。他の百貨店や旅行会社で利用できないのがデメリットになりますが、使用目的が明確になっている場合はお得感が大きいと言えます。デパートや旅行と聞いただけでもワクワクします。お金は本来使って幸せになるものなので、ワクワク感をたくさん貯めることができる友の会や旅行積立は私は大好きです。

■個人向け国債、社債・投資信託・株式・FX等の金融商品
これらの金融商品は投資なので、リスクとリターンがあります。元本保証ではありませんので、お金が増えることもあれば減ることもあります。個人向け国債は最低でも0.05%の利回りを維持できるという点で、注目を集めています。しかし、個人向け国債も「投資」です。比較的安定しているとはいえ、日本が破綻した場合元本が必ず帰ってくるわけではありません。

投資なのでリスクを好まない人にとっては選択するにも勇気が必要でしょう。リスクをコントロールして上手に付き合うには学びと経験が必要です。小さな失敗と成功を繰り返しながら、少しずつ相場観を身に付けお金の器を大きくしていきましょう。

アベノミクスが始まり金融商品を保有していた人はその資産額が1.5倍~2倍になりました。賢い人は、この時に金融商品の一部を売却し現金に換え、保険料の前納、住宅ローンの繰り上げ返済、子どもの大学進学資金に充てるなどしました。

■住宅ローン
マイホーム取得は一生に一度あるかないかです。金利が低いから、税金が戻ってくるからといった理由だけで、衝動買いはいけません。ただし、住宅ローンを組む環境としては、低金利や住宅ローン控除、すまい給付金とこの数年非常に恵まれています。ライフプランが整い、資金計画が上手くいく場合は、良い時期と言えます。

消費ではクレジットカードのポイントがお得感が高い

クレジットカードの還元率をご存知でしょうか?各カード会社によって違いはありますが、例えば楽天カードの還元率は1%です。1万円で100円なので、年間100万円のカード利用があれば、1万円分のポイントが貯まります。ボーナスポイントなどを上手に利用すれば、さらにポイントは貯まっていきます。

■クレジットカードで支払えるモノ
*自治体や会社、お店によってクレジットカードが対応しているか確認が必要です。
・水道光熱費などの公共料金
・携帯電話や固定電話、プロバイダ等の通信費
・NHKの受信料
・新聞代
・保険料(生命保険や医療保険、損害保険)
・病院代(医療費)
・自動車税
・国民年金保険料
・家賃
・JR等の電車、タクシー代、飛行機代、ガソリン代
・レストラン
・百貨店、スーパー、ドラッグストア

クレジットカードで支払えるモノやサービスは、ざっと挙げただけでも以上になります。私達が普段利用しているモノの多くがクレジットカードで支払いが可能になっていますので、これらを現金からクレジットカードの支払に替えるだけでも大きなお得さを得られるでしょう。

■クレジットカードを家計に入れるポイントと注意点
ポイントは、公共料金、家賃、通信費、保険料、税金、交通費といった、必ずかかる毎月の固定費をクレジットカードの支払にすることです。外食やスーパー、百貨店等では「贅沢品」を買う事も多い為、浪費を助長させる原因にもなります。クレジットカードは後払いができる借金なので、利用する時は無利息の「一括払い」だけと肝に銘じ、利息の高い分割払いやリボ払いを選択することはお勧めしません。ポイントの為に利息を払ってしまったら損をします。クレジットカードを家計に入れるなら、より家計管理に力を入れることが重要になります。

詳しくはこちら⇒クレジットカードを家計に取り入れるリスクと方法とは
時代は「キャッシュレス化」しています。クレジットカードや電子マネーが正しく使えるスキルは今後より必要になるでしょう。

このように、マイナス金利の影響もあり、お金は預けるより使う方がお得な時代になってきました。しかし、一定額の預貯金も家計には必要です。上手にバランスを保ちながら「生きたお金」としてどのようにお金を扱っていくのか、しっかり考えていきましょう。

【関連記事をチェック】
家計に借金を組み入れる時に守るべきルールとは
お金上手の絶対ルールとは?お金を借りる時の心得5つ
マイナス金利が家計に与える影響のポイント3つ
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/12/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます