シティライド向けのベストセッティングなバイク
普通自動二輪免許でスクランブラーに乗れる……。より多くの人に同モデルを楽しんでもらうためにはこれほど嬉しいニュースはありませんが、一方でデチューン(性能ダウン)したモデルだったら、ともすれば803ccの引き立て役にしかなれないのでは?などと勘ぐっておりました。
乗ってみてびっくり。これ、デチューンなんかじゃありません。見た目は803ccとそっくりなのに、まるで異なるキャラクターに仕上げられているのです。
確かに、加速時の力強さやハイウェイライドでの伸びやかさは、パワーで勝る803ccの方が上回っています。その反面、車体の軽やかさを活かす挙動はすこぶる良く、高いブレーキング性能とも相まって、混雑する都心部でもクイックに走り抜けてくれます。
時速70~80kmあたりが、キャラクターの分かれ目になっているようです。ここから上になると、803ccの方がグイグイとパワフルに引っ張っていってくれますが、一方でSixty2は、タウンユースで求められる低速からこの速度域において、レスポンスよくキビキビ走ってくれるマシンとして仕上げられています。
スポーツバイクほど早すぎない出足との組み合わせは、確かにストリートバイクそのもの。「もし自分がこのバイクで遊ぶとしたら、こうだ」というドゥカティ開発陣の意図が伝わってくるようです。
バイク初心者にはうってつけのモデル
その軽量ボディにスポーツマインドあふれるライディング性能と、見た目とは裏腹なスポーツバイクであることに驚かされた803ccスクランブラー。首都高のタイトなコーナーでも不安なくクリアしていってくれる安定感に、「結構なじゃじゃ馬だな」と思わされたものですが、このSixty2は803ccとは真逆で、一定の速度域以上は負荷がかかるかのようにセーブしてきます。
それはいい意味でのセッティングで、そのままロースピードでのツーリングだって楽しめちゃいます。つまりは、必要以上のスピード感を求めないライダーにとってはちょうどいい仕様なのです。
803ccと399ccでこうも味付けを変えられているのは、ひとえにその軽量ボディとドゥカティ自慢のLツインエンジンから。これ以上ボディが重ければ、Sixty2はもっともたついたバイクになっていたでしょうし、しっかりとスポーツライドできるエンジンセッティングでなければ、803ccスクランブラーをこれほどまでに面白いとは思わなかったはず。
必要以上の能力に振り回される心配が皆無なので、今まさにバイクに乗ろうと思っている人、また「スクランブラーに乗ってみたい!」と思っている人には、オートバイの世界を楽しむ第一歩としてこのSixty2はうってつけのモデルと言えるでしょう。
そんなスクランブラーSixty2をどう楽しむべきか? インプレッションとともに、その世界観を探ってみました。
>> スクランブラーSixty2が映えるストリートシーン!