マリン業界でも多くのファンをもつヤンマー
ヤンマーのプレジャーボート『EX30B』
- 釣りをしたい
- クルージングやフネの中でパーティなどして海を楽しみたい
- 釣りも海も楽しみたい
そんなヤンマーが2009年のボートショーで、デザインとインテリアを従来のラインナップより大きくプレジャーボート側に振った『EX33』を発表した。このフネ、今までヤンマーのファン層と違うユーザーに強くアピールしたらしく、予想以上のヒットになる。確かにタフで信頼性の高いヤンマーが、休日のクルージングにも使えるフネを作ってきたら気になる。もちろん私も気になってすぐ試乗しました。
自分のフネは東京湾の一番奥に位置する夢の島マリーナに置いているけれど、『EX33』なら東京湾をキャビンから湾岸の景色や行き交う大型船を楽しみながら22ノットで巡航。60マイルの位置にある大島にだって3時間掛からず行けるだけの性能を持つ(燃費が良いため無給油で10時間以上走れる)。今回紹介する『EX30B』は、『EX33』をさらにプレジャーボート側に振ったフネと考えていいだろう。まずキャビンデザイン。
自分のフネは東京湾の一番奥に位置する夢の島マリーナに置いているけれど、『EX33』なら東京湾をキャビンから湾岸の景色や行き交う大型船を楽しみながら22ノットで巡航。60マイルの位置にある大島にだって3時間掛からず行けるだけの性能を持つ(燃費が良いため無給油で10時間以上走れる)。今回紹介する『EX30B』は、『EX33』をさらにプレジャーボート側に振ったフネと考えていいだろう。まずキャビンデザイン。
快適な広々キャビンとパワフルなエンジン
広く確保されたキャビンスペース
厳しい環境の中で熟成された、いわゆる「北欧風」と呼ばれているフロントガラスを逆スラントさせたシルエットが大きな特徴になっている。キャビンスペースを広く確保出来る上、スプレー(水を被ること)にも強い。何より素晴らしいのは『8LV』と呼ばれるトヨタの乗用車用エンジンをベースにした、船舶用エンジンとしては世界最先端の技術が使われているコモンレール直噴4.5リッターV8のディーゼルである。
350馬力という十分なパワーもさることながら、ディーゼルエンジンと思えないくらい振動少なく静か。船舶用ディーゼルエンジンはトラック用をベースとしており賑やかなものが多い。また、350馬力級だと通常なら6気筒であり、V8ディーゼルという贅沢なエンジンなど聞いたこと無いほど。加えて船体の中央に搭載しているのだった。フネもクルマと同じで、重量のあるエンジンはミドシップした方がバランス的に有利。
しかもドライブ部分を長い期間水中に入れておくとトラブルになりやすい『インアウト』(ヤンマーのインアウトのみチルトさせると水から外に出るシステムを採用)と違い、係留保管(陸上保管と違いいつでも気軽にフネを出せる)や荒れた海に強い大型船と同じタイプのシャフト船である。試乗してみたが、平均的なプレジャーボートの快適性を余裕で凌ぐ。トラックと乗用車の違いをイメージして頂ければいいだろう。
残念ながら大荒れの海況で試乗していないけれど、実績あるヤンマーだし30フィートと十分なサイズを持つ。荒れた海で試乗した知人に聞いてみたら、遠征帰りに出くわす2~3mくらいの波なら難なく走れるそうな。キャビンのドアを締め切り、エアコン掛けて走れば荒れた海も楽しい? 巡航速度は26ノットと必要にして十分。燃費を考えれば20~22ノットが最も効率良いと思います(1時間あたり40L程度らしい)。
350馬力という十分なパワーもさることながら、ディーゼルエンジンと思えないくらい振動少なく静か。船舶用ディーゼルエンジンはトラック用をベースとしており賑やかなものが多い。また、350馬力級だと通常なら6気筒であり、V8ディーゼルという贅沢なエンジンなど聞いたこと無いほど。加えて船体の中央に搭載しているのだった。フネもクルマと同じで、重量のあるエンジンはミドシップした方がバランス的に有利。
しかもドライブ部分を長い期間水中に入れておくとトラブルになりやすい『インアウト』(ヤンマーのインアウトのみチルトさせると水から外に出るシステムを採用)と違い、係留保管(陸上保管と違いいつでも気軽にフネを出せる)や荒れた海に強い大型船と同じタイプのシャフト船である。試乗してみたが、平均的なプレジャーボートの快適性を余裕で凌ぐ。トラックと乗用車の違いをイメージして頂ければいいだろう。
残念ながら大荒れの海況で試乗していないけれど、実績あるヤンマーだし30フィートと十分なサイズを持つ。荒れた海で試乗した知人に聞いてみたら、遠征帰りに出くわす2~3mくらいの波なら難なく走れるそうな。キャビンのドアを締め切り、エアコン掛けて走れば荒れた海も楽しい? 巡航速度は26ノットと必要にして十分。燃費を考えれば20~22ノットが最も効率良いと思います(1時間あたり40L程度らしい)。
居住性が追求された船内レイアウト
キャビンは艇体の幅が3.2mもあるためユッタリしている。日本のフネだと珍しいのだけれど、ヘルムシート(操船席)の横にナビゲーター用シートも付く。操縦者の交代や、通船量の多い海域での見張りを考えれば大いに有り難いレイアウトだ。さらに2人分のシートがヘルムシートの後方に前向きで設置されている。密閉されたキャビンタイプのフネで、パッセンジャー全員が窓の外を眺められるのは珍しい。
人が横になれるバース空間
バウ(艇体前方部分)には170cmの天井高を確保したバースが設けられており、2人分のベッドやセンターテーブルを置いてのリビングスペースとして使える。トイレルームのスペースも確保されており、アクロバティックな姿勢とならずマリントイレにアクセス可能。ヤンマーのフネは販売店で様々なモディファイを引き受けてくれるため、自分好みのインテリアにするのも楽しいんじゃなかろうか。
『EX38』
『EX30B』より一回り大きいフネを考えているなら、今年のボート・オブ・ザ・イヤーで国産大型艇部門賞を獲得した『EX38』という手もある。495馬力のヤンマー舶用ディーゼルを搭載し、一段と高い走波性を持つ38フィートの艇体が心強い。このサイズのフネになると、カジキを狙った船中泊を伴う遠征の釣行だって余裕。ただフネは小さい方から経験を積んでステップアップしていく方が楽しいと思う。
本体価格は、メーカー希望小売価格で17,424,200円(税別)と決して安い買い物ではない。まずは、メーカー試乗会やレンタルボートなどで非日常的なボートライフを体験していただき、検討されることをお勧めしたい。
本体価格は、メーカー希望小売価格で17,424,200円(税別)と決して安い買い物ではない。まずは、メーカー試乗会やレンタルボートなどで非日常的なボートライフを体験していただき、検討されることをお勧めしたい。
取材協力:ヤンマー株式会社 / ヤンマー舶用システム株式会社