リスクオン相場復活の傾向~ディフェンシブ株から敏感株へ
堅調な上昇の続いている米国の株式市場ですが、米国上場の個別株(およそ4,500銘柄)を10の業種セクターに分けて、期間別の騰落をまとめてみました(時価総額加重平均、2月末時点)。全体としては1年で-11.1%安、2016年初来でも-6.0%安と下がっていますが、直近4週間に限ると、(短期)上昇転換したことで+1.5%の上昇です。セクター別に見ると、当然ながらエネルギー、素材(金属、鉱山会社など)が資源安を受けて1年間では大きく下がっており、年初来では金融不安から銀行、そして相場敏感なバイオ医薬の多いヘルスケア業種、IT業種が下がっています。通信(電話会社)、公益(電気・ガス会社)はこの下落相場で逆に買われて好調でした。また消費株の中の生活必需品セクター(ディスカウント小売、レストラン、スポーツアパレルなど)もディフェンシブ性を発揮しました。しかしながら直近4週間で見ると、売り込まれていた資源関連が比較的大きく上昇しており、原油連動相場に乗ってリスクオンとなってきているのが分かります。
足元では景気敏感株が上昇、しかしこの上昇が続くかどうかは3月のエネルギー、銀行、バイオ、ITの動きが先行指標になる
3月の注目ポイントはエネルギー、金融、IT、バイオがどこまで戻るか?
日本のTOPIX500銘柄についても、同じようにセクター別の騰落率をまとめました(2月末時点)。米国株に比べてやや出遅れている様子ですが、2月末~3月末にかけてようやく追いついてきた感じです。やはりこれまで悪かったところは資源関連、そして1月は銀行株が大幅安となりました。通信と公益は日本でも手堅く推移してきました。ただ、こちらについてもリスクオンとなれば逆行して行くと思われ、ドコモやNTTといったディフェンシブ銘柄よりも景気敏感業種、特に新興市場に注目していけると思います。【参考記事】
1万7000円目前!日経平均株価はどこまで戻る?
ちなみに日本と米国では業種の構成割合は異なっており、銘柄数で分けると下記のようになります。時価総額だと米国のエネルギー、IT、ヘルスケア業種のウェイトはさらに大きくなります。3月の相場では、時価総額の大きいエネルギーセクターや金融セクターの反発、そして、ナスダックでも大きな構成要素であるITとバイオ医薬がどこまで回復してくるかに注目したいところです。
参考:日本株通信
※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。